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人の可能性を信じ続けたい。CHRO 三好が、Visionalで成し遂げたいこと。

今回は、2020年2月より、VisionalのCHRO(Chief Human Resource Officer)を務める三好加奈子さん(写真中央)に「パーソナルヒストリーインタビュー」を行いました。半生を振り返りながら、三好さんが大切にしている価値観や信条に迫りました。

※本記事のトップ写真は、在宅勤務への移行前に撮影したものです。


プロフィール

三好加奈子/Miyoshi Kanako
京都大学卒業後、三菱商事株式会社に入社。化学品分野にて営業、事業投資に従事。ハーバード大学にMBA留学後、Coach Inc、マッキンゼー・アンド・カンパニー日本支社を経て、ラッセル・レイノルズに入社。幹部人材のサーチ、リーダーシップ・アセスメントに携わる。その後ファイザー株式会社にて人事企画、HRBP、人事オペレーショングループ部長を務めた後、2019年1月に株式会社ビズリーチに参画し、同年8月に人事企画本部長に就任。2020年2月より現職。


小学4年生、人の成長に携わる喜びを知る

──今回は、これまでの人生を遡りながら、三好さんがどのような人であるのか、読者やVisionalの仲間たちに伝えていきたいと思っています。よろしくお願いします!

はい、よろしくお願いします。

──まずは、幼少期や学生時代に遡ってお聞きしていきます。三好さんは、幼少期は、どのように育ったのでしょうか?

3人きょうだいの長女として育ちました。3歳下の妹と、7歳下の弟がいて、しっかりしていたかは分かりませんが、妹と弟からしてみたら口うるさいお姉ちゃんだったかもしれません。

父と母は、銭湯を経営していました。2人とも、夜遅くまで銭湯で働いていたので、よく近所の人に預かってもらったり、面倒をみてもらったりしていました。

当時の銭湯は、近所の人たちのコミュニティの場になっていたので、物心がつく前から、たくさんの大人たちに囲まれて育ちました。近所の方々がかわいがってくれて、よく私の話を聞いてくれていたので、今から振り返ると、とてもおしゃべり好きな子供だったと思います。銭湯にはいろいろなお客さんが来ていたので、どんな人に会っても気後れしないタイプでしたね。

──学生時代は、どのようなことに興味を持っていましたか?

小学生になってからは、新しいことを学んだり、できなかったことができるようになることに、人一倍の喜びを感じていました。特に、本を読んで知るよりも、誰かから教わることが好きでした。家では長女だったので、お兄さんやお姉さんの存在に憧れていました。小学生の頃に通っていた塾で、大学生の講師からいろいろなことを教わった日々が、とにかく楽しかったと記憶しています。

──学ぶことや成長への意欲が、とても強かったのですね。

はい、そうかもしれません。そして、小学4年生の時のある経験をきっかけに、自分の成長だけでなく、人の成長に携わることにも興味を持つようになりました。

当時、同じクラスに、知的障がいのあるクラスメイトがいて、ある時、私は彼女の勉強をサポートする役割を担うことになりまして。

彼女は算数が苦手で、算数の授業中は座って授業を聞いているだけでもとても苦痛そうでした。彼女は小学1年生で最初に習う「1+1=2」のような足し算から復習していくことになったのですが、自分自身では当たり前のこととして理解していることでも、人に教えることは決して簡単ではないと気付きました。

それからは、どうやったら彼女に理解してもらえるようになるのか、自分なりに工夫を重ねました。当時、ちょうど小学1年生だった妹の算数のタイルを借りて使ってみたり、もう一度、自分なりに足し算の概念を言語化してみたり。そのようにして、一つずつ教え方を工夫していくなかで、少しずつ彼女の理解も進み、問題が解けるようになっていき、算数の面白さを感じてもらえるようになりました。

そして、はじめは苦手意識からじっと席に座っていられなかった彼女の表情が明るくなっていき、少しずつ勉強への意欲が芽生えていきました。何より嬉しかったのは、彼女に学ぶことの喜びを感じてもらえたこと、また彼女が新たな学びを通じてどんどん前向きになっていったことです。

これが、私が人の成長支援に携わった最初の体験です。あの時の喜びと感動は、いつまでも忘れることはないと思います。


人生100年時代。20代のメンバーの成長に携わることで、自らも成長し続けたい

──将来はどのような仕事に就きたいと考えていたのでしょうか?

就活をしている時、明確なキャリアパスはありませんでしたが、広い社会に対して、ビジネスを通して貢献し続けられるような仕事がしたいと考えていました。そして、巡り巡って、小さい頃にお世話になったコミュニティにも恩返しができればよいなと思っていましたね。

──三好さんは、京都大学を卒業後、三菱商事に入社されましたね。

三菱商事の企業理念「三綱領」の中に、「所期奉公」という言葉があります。事業を通して社会へ貢献していく、という意味合いの言葉なのですが、そうした理念に惹かれたことが入社を決めた理由のひとつでした。三菱商事では、石油化学の領域を担当し、アジア全体を舞台としながら、ビジネスを通して社会へインパクトを与え、貢献していくことの意義を学びました。

その後、2年間のハーバード大学への留学を経て、そのままアメリカでCoach Inc.に就職しました。そして、日本へ帰国後、マッキンゼーでコンサルタントの経験を積みました。

──その後、三好さんは、ラッセル・レイノルズというエグゼクティブサーチの会社へ転職して、幹部人材のサーチや、リーダーシップ・アセスメントに携わっていますね。マッキンゼーからエグゼクティブサーチの会社へ転職を決めたのは、なぜだったのでしょうか?

留学中に、リーダーシップやリーダーの育成に興味を持ったことが大きなきっかけです。いろいろなケーススタディを通して、「どのようなリーダーがトップに立つか」が、組織の成長や事業の成長に大きな影響を与えることに気付いたのです。もちろん、自分自身がリーダーになるために留学をして学びを積んでいたのですが、もっと大きなスケールの中で俯瞰してみると、リーダーの育成やアサインメントの重要性に気付き、とても興味を持ちました。

マッキンゼーでは、いくつものプロジェクトに携わることができたのですが、組織やリーダーシップに特化した案件に携われる機会は限定的だったので、エグゼクティブサーチファームへの転職を決めました。

その後、ご縁があってファイザーへ転職して、はじめてコーポレートの人事を担当することになります。人事企画やHRBPなどを経験した後に、人事オペレーショングループ部長として、人事・人財管理システム「Workday」の導入とチェンジマネジメントに携わりました。

このように、私はこれまでに何度か転職を経験してきましたが、キャリア選択においては、「人と人の縁」「偶発性」を大切にしてきました。その時々でベストを尽くし、結果にコミットし続けてきたことで、人とのご縁に恵まれ、導かれるようにキャリアパスが開かれてきたのだと思っています。

──話が少し戻りますが、先ほど三好さんは、小学生の時に、人の成長に携わることの喜びを覚えたとお話しされていましたね。

はい、人の成長に携わることへの想いは、変わらないどころか、むしろ強くなっていきました。

いくつもの経験を積む中で、自ら直接教えたり導いたりするだけではなく、リーダーの採用や育成に関わることを通して、人や組織の可能性を最大化していきたい、と思うようになりました。

──次に、ビズリーチに入社を決めた経緯について教えてください。

南(壮一郎)さんと共通の友人から紹介を受けたことが最初のきっかけです。

その方は、人事領域のコンサルタントとして、海外の人事関連のカンファレンスなどにも参加されており、先進的な事例や最新のトレンドなどの情報交換をしたいと思い、数年ぶりに連絡をしてお会いしました。

そして、その友人に、話の流れで南さんを紹介してもらったのです。南さんとは他にも共通の知人がいて、南さんの話を伺ったことはありました。私のなかでは「創業者」「開拓者」というアグレッシブなイメージがありましたが、実際に会ってお話を聞くと、事業を行う上で、とにかく徹底的にリサーチを重ねて意思決定をしていることを知り、とても堅実な方なのだという印象を受けましたね。

──ビズリーチという会社に対しては、当時どのようなイメージをもっていましたか?

ビズリーチが創業した時にエグゼクティブサーチファームで働いていたので、その頃から会社や事業の存在は知っていました。とても勢いのある成長企業という印象でした。

またファイザーでは、実際に自社の採用に「ビズリーチ」を活用していました。サイエンス系の専門職ポジションで、スカウト経由による採用決定を出すことができ、ファイザーにとってもビズリーチにとっても良い成功事例を作ることができたと思っています。

──これまで、大手日系企業や外資系企業で経験を積まれてきた三好さんにとって、ビズリーチへ転職することは、とても大きな選択だったと思います。その決断をした時、どのようなことを考えていたのでしょうか。

理由はいくつかありますが、一つのきっかけは、人財活用プラットフォーム「HRMOS」シリーズのお話を聞いたことでした。採用領域だけではなく、人事領域全体へビジネスが広がっていることに驚きました。そして、ビズリーチへ転職すれば、人事として自社組織の成長に携わるだけでなく、自社のサービスを活用することを通して、人事領域のビジネスの成長にも寄与できるのではないかと考えました。

また、20代の社員が多いことにも惹かれました。人生100年時代、これからもっと長く働くことを考えた時、自分自身を成長させ続けるために、思い切ってフィールドを変える決断をしました。

ビズリーチは、平均年齢が約30歳で、自分とは異なる世代のメンバーから学ぶ機会も多くあるだろうと考えました。また、そうしたメンバーの成長に携わることで、自らもさらに成長することができると考えました。40代で、こうした環境へ挑戦することには勇気がいりましたが、やるなら今しかないと思いましたね。


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ニックネームはチャオ。一番好きな食べ物である餃子にちなんで、人事の皆さんに名付けていただきました。そして誕生日には、数多くの餃子グッズのプレゼントをいただきました。(トップ写真参照)


Visionalから社会全体へ。人事領域のベストプラクティスを共有していく。

──そうした経緯を経て、三好さんは2019年1月にビズリーチへジョインされましたね。入社当時のことを振り返ってみて、何か印象に残っていることはありますか?

入社前に「まだまだ整ってない制度やルールが多い」と言われていたのですが、はじめは「さすがに創業10年、千人を超える社員が在籍する会社で、そんなことがあるはずない」と思っていました。

ただ、実際に入ってみたら、入社前に聞かされていた以上にやらなければいけないことが数多くありました。もちろん、それは、ビズリーチという会社が、常に大きな変化をし続けているからこそです。

こうした環境については、自ら変革を起こしていける機会に満ち溢れている、と捉えています。

──私たちは、2020年2月、Visionalとして新しいスタートを切りました。VisionalのCHROを務める上で、大切にしていることを教えてください。

守るべきものと変えるべきもの。その2つをしっかりと見極め、施策を実行していくことです。

まず、守るべきものをしっかり守ること。変化の激しい会社ですが、その一方、決して変えてはいけない軸を持ち、長期の戦略実現のための盤石な基盤を造る必要があります。

これまでの人事施策は、その時々の経営層からのリクエストベースで生まれているものも少なくありませんでした。ただ、私が今CHROとして果たすべき役割は、人事施策に一貫性を持たせることで、会社の文化を創り、守ることだと考えています。

Visionalとして何を大切にしていくかについては、Visional Wayとして明文化されています。だからこそ、その軸をぶらさずに、一つひとつの制度や施策を作り替えていかなければなりません。変わらないもの、変えるべきではないもの。守るべきもの。その番人としての役割が私に求められていると思います。

一方、VUCAの時代、Visionalは、これからも積極的に世の中の変化に立ち向かい、適応し続けていく必要があります。Visional Wayの中に、「変わり続けるために、学び続ける」というバリューがありますが、育成という観点でいうと、外部環境/内部環境の変化に合わせて、一人ひとりのメンバーの継続的な成長をサポートする仕組みや施策を考えています。

守るべきものを守りながら、大きな変化に立ち向かっていく。そうした挑戦を一緒に進めていく未来のリーダーを発掘、育成、採用することも、人事組織の大切な役割です。

──最後に、今後の意気込みをお願いします。

ビズリーチ社として「HRMOS」シリーズを展開していますが、私たち自身が、HR Tech領域におけるベストプラクティスを生み出していきたい。それこそが、VisionalのCHROとして、私が掲げている目標です。

そして、Visionalから他の企業様へ成功事例をシェアしていくことで、ゆくゆくは、社会全体に価値を提供していきたいと思います。

就活中、私は、広い社会に対して、ビジネスを通して貢献し続けられるような仕事がしたいと考えていましたが、Visionalなら、人事の仕事を通して、自社のビジネスに働きかけ、そして、より大きなインパクトを社会へ波及させていくことができるはずです。その可能性を信じてビズリーチ・Visionalに参画したからこそ、必ず成し遂げたいと思っています。

──本日は、ありがとうございました!

はい、ありがとうございました!


この記事の執筆担当者

松本 侃士/Matsumoto Tsuyoshi
1991年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2014年、音楽メディア企業に新卒入社し、音楽雑誌・ウェブサイトの編集や、採用などを経験。2018年、株式会社ビズリーチへ編集者として入社。現在は、人財採用本部・採用マーケティンググループで、「ALL VISIONAL」の運営などを担当している。


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