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【書籍連動企画】古野了大、第2の柱「HRMOS」シリーズの展望を語る。

2021年6月30日、ダイヤモンド社より、書籍『突き抜けるまで問い続けろ 巨大スタートアップ「ビジョナル」挫折と奮闘、成長の軌跡』が発売されました。

書籍の紹介記事は、こちら。

書籍の中では、創業事業の「ビズリーチ」を立ち上げた後も、次々と新しい事業づくりに挑戦し続けてきた歴史が綴られていました。そして、「ビズリーチ」「キャリトレ」といった採用領域のサービスに続き、2016年6月にリリースしたのが、人材活用プラットフォーム「HRMOS」シリーズです。

「HRMOS」シリーズのサービスページは、こちら。

「HRMOS」とは、「Human Resource Management Operating System」の頭文字を取ったもので、配置や評価、育成といった人事領域における業務を統合的に支える基盤を提供するクラウド型のサービスです。

リリース当初は、採用管理システム(ATS:Applicant Tracking System)から始まり、現在は、従業員データベースや組織診断サーベイなど、次々と新しい機能が追加されています。リリース後から時間をかけて進化を重ねていき、2021年2月には、Forbes JAPANが発表した2020年版「Japan’s Cloud Top10」において1位に選出されました。

今回は、書籍の中では紹介しきれなかった古野了大さん(HRMOS事業部 事業部長)の話を紹介します。

古野さんのパーソナルヒストリーインタビューは、こちら。

古野さんやHRMOS事業部の仲間たちが「問い続けている」課題や、今後の展望についてお伝えしていきます。


プロフィール

古野 了大/Furuno Ryodai
神戸大学工学部を卒業後、大手通信教育会社にて、新規事業開発やデジタル領域の教育サービス開発に携わる。2015年、株式会社ビズリーチに入社。「ビズリーチ」のサービス開発責任者を経て、2017年より、HRMOS事業部の事業長を務める。2021年8月、株式会社ビズリーチの取締役に就任。


「HRMOS」を通して、「ヒトの可能性を、引き出せる社会」を実現する。

──古野さんは、2017年5月にHRMOS事業部の事業部長に就任しました。これまで事業部長として、様々なシーンで「問い」を立て続けてきたかと思いますが、具体的に、どのような課題に向き合ってきたのでしょうか?

最大のテーマは、お客様が向き合っている真の課題を見極めることでした。それはそのまま、「私たちは何のためにこの事業づくりを行っているのか」という問いにも通じます。これまでHRMOS事業部は紆余曲折を繰り返しながら何度も壁にぶつかってきましたが、そのたびに、この原点に立ち返りながら問いを立て続けてきました。

というのも、既に採用ニーズが顕在化しているお客様を対象とした「ビズリーチ」や「キャリトレ」とは異なり、人事管理の領域においては、お客様自身が自社の課題を認識されていないことも少なくありません。

その分、事業づくりの難易度は高いですが、日々お客様に向き合いながら、真の課題を突き詰めるために、徹底的に問いを立て続けてきました。

──その過程で、どのような気付きがありましたか?

お客様は、様々な人事領域の課題と向き合っていますが、そうした顕在化した課題を一つ一つ解決していくだけでは、真の意味でブレイクスルーはできないと感じました。

「お客様の本質的課題解決」を実現するためには、雇用と働き方そのものを見直していかなければいけません。だからこそ私たちは、単なる一つの機能としてではなく、「ストーリー」とセットで「HRMOS」シリーズを世の中に提案しています。

例えば、既存のERP(Enterprise Resource Planning:企業資源計画)システムの多くは、「ヒト・モノ・カネ」の中でも、「カネ」が中心となっています。また、人事機能も、採用、評価、育成、配置など、プロセスごとに分かれていて、人事データがバラバラに管理されています。このような状態だと、一人一人の社員に対して、データに基づく一貫した人事施策を行なうことができないという問題が生じてしまいます。

今回の書籍の中でも語られていたように「事業と人はセット」であり、経営や事業づくりにおける真の競争の源泉が「ヒト」であるならば、働く人を中心に据えた基盤を整える必要があります。「HRMOS」シリーズは、働く人を中心に据えた人財活用クラウドであり、これまで業務ごとに別々に管理されていた社員のデータを一元管理することが可能となります。

社員の情報を一元化し、見える化することができれば、「採用時に、どのような期待をされていたのか」「その後の評価がどうなのか」「コンディションはどうなのか」など様々な視点から社員の状態を正しく把握できるようになります。そうした客観的なデータに基づいた人事施策を行なっていくことが、それぞれの社員のEX(Employee Experience:従業員体験)の向上、一人一人が輝けるワークプレイスの実現、そして最終的には、企業の生産性向上につながっていきます。

このように私たちは、個別の課題に対する限定的なソリューションではなく、お客様に「ストーリー」を語り、その実現をともに目指していくことを通して、全ての働く人が活躍できる未来を目指しているのです。

──「HRMOS」シリーズは、BtoBのサービスでありながら、その企業で働く一人一人の社員にスポットライトを当てるという意味では、BtoCのサービスでもあると感じました。

働く人を中心に据えるということは、まさにそういうことだと思います。お客様からしても、「自社の生産性を10%上げろ」よりも、「隣でうつむいてる仲間に今より10%活躍してもらおう」というテーマのほうが具体的にイメージしやすいはずです。

HRMOSの理想の在り方について問い続けていくと、誰もが働くことに前向きになるためのサービスであり、BtoCサービスとしての考え方に非常に近いですね。

──これまでの話を聞いていると、お客様と一緒に、新しい市場を切り開いているような印象を受けました。

お客様が向き合う課題を問い続けながら、市場そのものをつくっていくことは、まさにこの事業の醍醐味だと思います。

例えば、お客様に「HRMOS採用」をご提案していくうえでは、サービスのベースとなる「採用マーケティング」の概念をしっかり言語化し、丁寧にお伝えするようにしています。そのようにしてお客様からの共感の輪を広げていくことを通して、更なるご期待や感謝の声をいただけるのは、この事業だからこそだと思います。

私たちが行なっているのは、単なる既存システムのリプレイスではありません。新しい概念を伝え、浸透させていきながら、世の中の経営のOSをアップデートしていく。それこそが、私たちが真に目指していることです。


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他事業との連携により、「キャリアインフラ構想」の実現を目指す。

──2020年2月、グループ経営体制移行をきっかけとして、株式会社ビズリーチはHR Tech領域にフォーカスしていくことになりました。新しいフェーズに突入したビズリーチにおける「HRMOS」シリーズの位置付けについて教えてください。

この会社にとって「HRMOS」シリーズは、まさに「ビズリーチ」に次ぐ第2の柱になるサービスだと考えています。実際に、IRで発表している成長戦略でも、この事業に大きく投資していくと宣言しています。

現在、BtoBサービスの世界では、業務システムをオンプレミスからクラウドに置き換えていく動きが加速していて、そうした大きな流れのなかでBtoBのマーケットのプレイヤーが入れ替わっていると感じています。会計の領域において、freee様やマネーフォワード様がゲームチェンジを起こしているように、人事の領域においても、こうしたクラウド化の波が訪れるはずです。

私たちは今、非常に大きな可能性のあるマーケットを目の前にしています。その意味で、「HRMOS」シリーズは、株式会社ビズリーチの経営において、非常に重要な事業であると理解しています。

──HRMOS事業部のプロダクト開発組織について教えてください。

HRMOS事業部のプロダクト開発組織は、社内の中でも特にエンジニアが多い組織です。価値あるプロダクトをお客様に提供するために、会社として大きな投資をして、中長期を見据えながらプロダクト開発を進めています。

例えば直近では、数年かけておこなってきた大規模のリファクタリングが完了しました。お客様にご利用いただきながら並行して改修を進める必要があったため、非常に複雑なプロセスで、大変なことも多かったですが、未来のために価値あることを一つずつ行なってきました。これからも、中長期の観点を大事にしながら、仲間たちとプロダクトづくりに挑み続けていきます。

──昨今、少しずつ競合サービスも増え続けています。「HRMOS」シリーズの差別化ポイントについてはどのように考えていますか?

「ビズリーチ」との接続が大きな強みだと考えています。

先ほどの「事業と人はセット」という話にも通じますが、どの企業においても、事業戦略と組織戦略は対になっているはずです。例えば、中期経営計画における「今後~年で、~億円の売上を目指す」という計画の裏には、必ず「~年で~億円の売上を達成するために、こういう組織をつくる必要がある」という組織戦略があるはずなんですよね。この組織戦略を検討する上で、今の組織と在るべき組織のギャップを埋める方法が、社員の育成や活躍支援、もしくは外部からの採用です。

前者については「HRMOS」シリーズの領域であり、「ビズリーチ」との接続によって、採用の領域もカバーすることができます。こうした事業間の連携を更に強めていくことによって、お客様のご期待に応え続けていける経営基盤を提供していきたいと考えています。

──ビズリーチ社の各サービスをつなげていくという考え方は、まさにキャリアインフラ構想に重なりますね。

まさにその通りですね。キャリアインフラ構想は求職者の目線に基づいた考え方ではありますが、採用から入社後の活躍までのデータをつなげていくという意味では、このサービスの垣根を越えた構想は、法人のお客様にも価値があると思っています。

キャリアインフラ構想という大きなビジョンを実現するために、「HRMOS」シリーズはどう在るべきか。私たちは、これからも、価値あるプロダクトづくりのために、問いを立て続けていきたいと思っています。


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この記事の執筆担当者

松本 侃士/Matsumoto Tsuyoshi
1991年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2014年、音楽メディア企業に新卒入社し、音楽雑誌・ウェブサイトの編集や、採用などを経験。2018年、株式会社ビズリーチへ編集者として入社。現在は、人事統括室・採用マーケティンググループで、「ALL VISIONAL」の運営などを担当している。


「All Visional」Twitterアカウントは、こちら


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