価値あるサービスを届け続けるために。越境と協業を続けたデザイナーの7年間。
今回は、株式会社ビズリーチのデザイン本部コミュニケーションデザイン室でマネージャーを務める古賀好二郎さんに「パーソナルヒストリーインタビュー」を行いました。
半生を振り返りながら、古賀さんが大切にしている価値観や信条に迫りました。
プロフィール
古賀 好二郎/Koga Kojiro
デザイン専門学校を卒業後、広告制作会社を経て、2009年に電子機器メーカーのWebマスターを担当。Webサイトの設計やシステム構築、ECサイト立ち上げなどを経験。2014年、株式会社ビズリーチに入社。ビズリーチ事業でプロダクト開発を担当した後、「ビズリーチ」「キャリトレ」「HRMOS」のマーケティングに関わるクリエイティブ制作に従事。現在は、HRMOS事業部にてデザイナーチームのマネジメントを担当。
ユーザーから愛され続けるような、価値あるものを作りたい。
──はじめに、幼少期や学生時代のお話を聞かせてください。
実家は自営の革靴工場で、3人兄弟の次男として生まれました。小さい頃から、靴職人として働く父に憧れを抱いていて、よく工場の手伝いもしていました。
また、小学生の時にファミコンのブームが起き、私もゲームに熱中しました。特に、「ファイナルファンタジー」などのRPGに登場する武器の造形に惹かれました。父は、革靴工場の他に農業もやっていて、家の倉庫にはいろいろな器具や素材がたくさんあったので、よくゲームに登場する武器を模したおもちゃを作って遊んでいました。
「どうやったら持ちやすくなるのか」「どうしたらすばやく動けるようになるのか」などを考えながら作るのが楽しくて、今から振り返れば、あれが私のものづくり体験の一歩目だったと思います。
──ビズリーチに入社するまでのキャリアについて教えてください。
高校を卒業後は、大阪で警備員として5年ほど働いていました。当時は、働きながら、「自分の人生、このままでいいのか」とずっと考え続けていました。そして、将来のキャリアについて考え始めた時に見つけたのがデザインにまつわる仕事でした。
先ほど、小さい頃からものづくりが好きだったという話をしましたが、並行して、絵を描くことにも熱中していました。表現者として活躍することは難しいかもしれないけれど、少しでも、絵やデザインに関わる仕事に挑戦したいと思い、2年間お金を貯めて、専門学校に行きました。
今から振り返れば、「デザイナーを目指し専門学校に行く」という意思決定が、初めて自分で行った決断で、タイミングとして遅くなってしまいましたが、私のキャリアはあの時に始まったのだと思います。
アルバイトをしながら夜間の専門学校に通うのは大変でしたが、学校の仲間とアートイベントに出展したり、VJ(ビデオジョッキー)の依頼を受けて動画を作ったり、とても充実した日々を送ることができました。
専門学校を卒業後、先生からのアドバイスをもとに働き先の選択肢の多い東京へ出て、いろいろな会社で働きながら自分のキャリアを模索していました。その過程でデザインプロダクションに勤め、アシスタントとしてではありましたが、大手メーカーのカタログや交通広告などの案件を任せてもらい、いろいろな経験を積んでいきました。
──その後、メーカーでインハウスデザイナーとして経験を積んでいますよね。
はい。それまで様々な場でデザインの経験を積んできましたが、これまでやってきたなかで最も強い興味を持ったWebの世界で挑戦していきたいと考え、転職活動を始めました。また、Web関連の仕事の中でも、次は事業会社でデザインの経験を積みたいと考え、電子機器のメーカーに入社しました。
当時、その会社にはWeb担当者がおらず、入社早々にして私がWeb周りの責任者を務めました。私自身、まだまだWebの知識や経験がありませんでしたが、独学で試行錯誤を繰り返しながら、少しずつ基盤を作り強化していきました。
また、社内に1人いたエンジニアの方にアドバイスをもらい勉強しながら、CMS(コンテンツ管理システム)の導入や社内システムの構築などにも挑戦しました。当時は大変でしたが、デザイン領域に限らず、様々なことにチャレンジできた経験はとても貴重なものだったと思っています。
──続いて、ビズリーチに転職するきっかけについて教えてください。
そのメーカーでいろいろな経験を積むなかで、「もっと新しい挑戦をしたい」「もっと学び、成長し続けたい」と思うようになりました。また、前職で働くなかでITの世界への興味が湧いてきたため、次はIT業界の会社に挑戦すると決めました。そんな時、人材紹介会社からの紹介でビズリーチと出会いました。
──面談・面接で、印象に残っていることはありますか?
どの社員と話していても、一貫して、私の想いや意志を尊重してくれることが印象的でした。私の「もっと学び、成長し続けたい」といった想いを汲み取ったうえで、一緒に私のキャリアについて考えてくれて、とても嬉しかったです。
──転職活動中は、他にもいろいろな選択肢があったと思いますが、その中からビズリーチを選んだ一番の理由について教えてください。
私が転職活動中に譲れない軸として考えていたのは、「ユーザーから愛され続けるような、価値あるものを作ることができるかどうか」でした。そして面接でその話をした時に、この会社には「価値あることを、正しくやろう」というバリューがあることを知り、深く共感しました。
この会社であれば、ユーザーにとって価値あるものを作り続けることができる。そして、価値あるものを作り続けることで、世の中をより良い方向へと変えていくことができる。そう確信して、ビズリーチへの入社を決めました。
異なる強みを持つ仲間たちと「協業」し、チームで課題解決を目指す。
──古賀さんは、2014年にビズリーチに入社していますね。入社から現在に至るまでの変遷について教えてください。
最初はプロダクトデザインのチームに入りました。私は前職では一人で動くことが多かったので、そのチームで仲間たちからの支えを受けながら、チームプレイの大切さを学んでいきました。
その後、「ビズリーチ」のプロダクト開発組織でリーダーを務めていたのですが、三井(拓郎)さん(デザイン本部 コミュニケーションデザイン室 室長)から「コミュニケーションデザインに挑戦してみない?」という提案をもらいました。それまでプロダクト開発のデザインを中心に担当していたため大きな方向転換ではありましたが、私は前々職以前にグラフィック制作の経験を積んでいたので、思い切って挑戦することができました。
当時、社内で実施していた
新規事業立案イベントのロゴを制作
「ビズリーチ」の会員様(求職者様)向けのカスタマーマーケティング施策(Cマーケ)を務め、その後、企業様向けのビジネスマーケティング(Bマーケ)の組織を、当時の事業部の仲間たちと一緒にゼロから立ち上げました。
それから、いろいろなサービスのマーケティング施策におけるデザインチームのマネジメントを担当させてもらい、今は、「HRMOS」関連の施策を注力的に見ています。
「ビズリーチ」のご契約企業様向けに、
良縁や円満の思いを込めて、
パールベースでカレンダーを制作
──古賀さんは、これまでビズリーチの中でいろいろな事業部や組織で働いてきたと思いますが、この会社で働くうえで大切にしている姿勢や考え方について教えてください。
一言でいえば、異なる強みを持つ仲間同士で「協業」する働き方です。広告施策などのコミュニケーションデザインを例に挙げて言うと、マーケターとデザイナーが受託の関係になるのではなく、タッグを組みながら共に課題解決していくことが、この会社らしい働き方だと思っています。
──そのような考え方を持つに至った経験があれば教えてください。
大きなきっかけとして、ビズリーチ事業部が開催していたイベント「Pro Recruiter Conference」が挙げられると思います。そのイベントにおいては、広告や会場の装飾をはじめとするクリエイティブを通してイベントの世界観を形づくりながら、同時に、マーケティング組織の数値目標を達成しなければいけませんでした。
そのため、自ずとマーケターとデザイナーがタッグを組み、イベント成功という一つの目標に向けて、お互いに何度もアイデアを出し合っていきました。そして、このイベントの成功を通して、これこそがマーケターとデザイナーのあるべき関係性だと確信することができました。
人材採用の未来を議論するイベント
「Pro Recruiter Conference」の
全体設計やクリエイティブ制作を担当
マーケターと同じ目線で課題を問い、共にブレイクスルーための解決策を導き出すことで、成功した時には、チームの仲間として一緒に喜ぶことができます。私たちはこれまでに、そうした成功体験を何度も重ねてきました。だからこそ、こうした「協業」はこの会社の一つの文化になっていると思っています。
私はデザインチームのマネージャーとして、こうした働き方の大切さを日々伝え続けています。もちろん、誰しもがすぐにそうした働き方を実現することは難しいかもしれませんが、少しずつ成功体験を積み重ねていけるよう、一人一人サポートしていきたいと思っています。
また現在では、「協業」から更に一歩進んで、マーケターの業務を学ぶために、デザイナー自身が広告運用を担当している組織もあります。「どのようなことを考えながら数値と向き合っているのか」「施策の是非を判断するうえで、何を大切な基準としているのか」など、日々マーケターが考えていることを実際の業務を通して理解することで、その先の「協業」の質も変わってくると思っています。
一人一人が自分の役割にとらわれずに「越境」しながら、そして同時に、あくまでも一つのチームとして仲間たちと共にゴールを目指す働き方は、とてもこの会社らしいと感じています。
休日は、家族との大切な時間を通してリフレッシュ
お客様の「成功」をデザインする。
──続いて、現在、古賀さんがデザインチームのマネジメントを担当している「HRMOS」の話を聞いていきたいと思います。2021年8月に開催された株式会社ビズリーチの社内表彰式「BIZREACH AWARD」にて、HRMOS事業部マーケティング部が優秀チーム賞を受賞しました。受賞までの歩みについて教えてください。
HRMOS事業部のマーケティング部は、2020年8月に新しく立ち上がったばかりの組織で、はじめの半年間は、様々な仮説を検証するためにたくさんの施策に取り組んできました。
次の半年間では前期で得た知見や学びをもとに、より効果的な施策を見極めながら、同時に、それぞれのマーケター、デザイナーが自身の強みを発揮できるようなチーム体制を構築していきました。試行錯誤を繰り返したはじめの半年間があったからこそ、次の半年間で、思考を深め、よりインパクトのある施策に注力できたと思っています。
今回、優秀チーム賞を受賞できて、マーケティング部のみんなと共にとても喜びました。同時に、次の1年間では、施策の質を向上しながら、行動量に依存しない形で質を担保していく仕組みづくりを図っていこうという話をしています。
もちろん、そうした仕組みを実現するためには、今まで以上に、マーケターとデザイナーの「協業」が重要になると思っています。「HRMOS」を今以上に世の中に広めていくために、引き続きチームとして前へ進み続けていきます。
──最後に、Visional、もしくはビズリーチで実現したいことについて教えてください。
根本の想いは、ビズリーチに入社する前から変わっていません。これからも引き続き、ユーザーから愛され続けるサービスを作り、そして、世の中に価値あるものを提供し続けていきたいと思っています。
また、現在、「HRMOS」のマーケティングに携わりながら考えているのは、ただ単にリードを増やすだけではなく、デザインを通して、「HRMOS」をご利用いただくお客様が向き合う本質的な課題を解決し続けていきたい、ということです。
Visionalのデザイン・フィロソフィー「We DESIGN it.」の中に「私たちがデザインをする対象は、すべてです。」という言葉があるように、私は、お客様の「サクセス(成功)」をデザインしていきたいと思っています。サービスの導入はゴールではなく、一つのはじまりにすぎない、という考え方は、カスタマーサクセスにも近いかもしれませんね。
この会社には、「お客様の本質的課題解決」というバリューに共感するたくさんの仲間が集まっていますので、これからも仲間たちと一緒に、そのきっかけとなるようなコミュニケーションを実現していきたいと思っています。
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この記事の執筆担当者
松本 侃士/Matsumoto Tsuyoshi
1991年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2014年、音楽メディア企業に新卒入社し、音楽雑誌・ウェブサイトの編集や、採用などを経験。2018年、株式会社ビズリーチへ編集者として入社。現在は、ビジョナル株式会社の社長室で、Visionalグループ全体の採用マーケティング施策を担当している。
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