チームでデザインする。職種を越えてコラボレーションするモノづくりの醍醐味とは?
こんにちは、Visionalグループで新卒デザイナー採用を担当している松田です。
Visionalでは、デザイナー、エンジニア、ビジネス開発職をはじめとする様々な職種の仲間でチームを組んで、共にプロダクト開発を進めています。
職種を越えてコラボレーションしていくVisional流のモノづくりとはどのようなものなのか。ビズリーチ事業部でともに働く、2018年に新卒入社したデザイナーの長尾朋美さん、2019年12月にキャリア入社したプロダクトマネージャーの井上滉也さんにチームで働く醍醐味について聞きました。
プロフィール
長尾 朋美/Nagao Tomomi
東京家政大学造形表現学科を卒業後、2018年に株式会社ビズリーチに新卒入社。HRMOS事業部にて「HRMOS採用」のグロースに関わるUIデザイン業務を経験し、2020年2月よりビズリーチ事業部に異動。ヘッドハンター様向けのプロダクト大型リニューアルに関わるUI・UXデザインを経験した後に、同サービスのグロースに関わる企画やUXデザイン、UIデザインなどを行っている。
井上 滉也/Inoue Hiroya
千葉大学教育学部を卒業後、株式会社リブセンスに新卒入社。法人営業、カスタマーサポート、事業企画、組織マネジメントなどを幅広く経験後、2019年12月に株式会社ビズリーチにキャリア入社。事業企画として事業の計数管理、データ分析、短中長期の事業推進に関わった後、2021年春頃からプロダクトマネージャーに。現在は中長期のロードマップ策定から短期の施策改善まで、上流下流全ての工程に携わっている。
「何故やるか?」から一緒に考える働き方。
──はじめに、簡単な自己紹介をお願いします。
井上:2019年12月、ビズリーチ事業部のESS(「Executive Search Support」というヘッドハンター様向けのプロダクト)を担う組織に事業企画として入社しました。
入社後は、予算や中長期の事業企画を策定したり、グロース施策を推進したりしていました。その後、2021年にプロダクトマネジメントの仕事をメインに担当することになり、現在はプロダクトオーナーとして、デザイナーやエンジニアの皆さんと一緒にヘッドハンター様向けのプロダクト開発を行なっています。
長尾:2018年に新卒入社して、2年目の途中まではHRMOS事業部に所属していました。そこでは、主に採用管理システムをグロースするためのUIデザインを担当し、その後、ビズリーチ事業部に異動しました。
まずはC(会員様)側のアーキテクチャのリニューアルに携わった後に、ESSのプロダクトのリニューアルに向けたUI・UXリニューアルを担当しました。現在は、ESSのプロダクトのグロース施策を担当しています。
──お二人は毎日コミュニケーションをとるほど密に連携していると伺ったのですが、いつから一緒に働き始めたのですか?
長尾:井上さんがプロダクトに密に関わるようになったのは、今期からですよね。
井上:2021年の5月ぐらいからですかね。そうか、まだ1年も経っていないんですね。
──お二人が、職種を越えてどのようなコラボレーションをしているのか、学生の皆さんもイメージしやすいように、連携の仕方や、開発の進め方について伺いたいと思いまして。
井上:企画の種があって、それをみんなで揉んで、「何故つくるのか」(=Why)「何をつくるのか」(=What)について目線を合わせたうえで、エンジニアを交えて実際に作っていく、という流れが多いですね。デザインチームには、企画の初期段階からお客様へのデリバリーまで一気通貫で携わってもらっています。
長尾:もう少し具体的に言うと、仕事の進め方としては大きく2つのパターンがあるかと思います。一つは主に事業戦略を考えている井上さんから企画の種をもらうパターン。もう一つは、ユーザーヒアリングをするなかで見えてくる課題を改善するために、デザイナーから起案するパターンです。主にこの両軸がありますね。
お客様からも社内からも日々あらゆる要望が生まれるため、一つ一つ対処しながらも、「今後、どういうプロダクトを実現していきたいのか?」というような抽象度の高いテーマについても定期的にチームで話しています。
デザイナーとして、ユーザーの体験を守り切る。
──「何故やるか?」から一緒に考えられる仕事の進め方を理想的に思うデザイナーの方も多いと思います。ただ、抽象度の高い問いに対して様々な職種の仲間と議論することの難しさもあるのではないかとも思いますが、意思決定の際に心掛けていることはありますか?
長尾:デザイナーとして、絶対に守らなきゃいけないことはユーザー体験だと思っています。そのため、意思決定の際にも「ユーザー体験上、問題ないかどうか」を重視しますね。もし仮に、新しい機能が追加されることによって、ユーザーが今までできていたことができなくなるようなことが起きる可能性があれば、別の方法を提案します。
ただ、それと同じくらい気を付けているのは、「ビズリーチ」というプラットフォームとしての観点です。どういうサービスを実現したいか、サービスの思想として適切かという点も交えて意志決定しています。
──デザイナーとしてはユーザー体験を重視することが当たり前でも、他職種のメンバーは、それぞれに異なる観点を持っていると思います。ユーザー体験を守るために、チームでのコミュニケーションにおいて、工夫している点はありますか?
長尾:自分自身がユーザー理解を深める努力をするだけではなく、チームとしてユーザー起点で会話をできるような場づくりをすることも意識しています。
まず、当たり前と言えば当たり前かもしれませんが、ユーザーの業務フローや、困りごとを解像度高く伝えることを怠らないようにしています。例えば、オンラインのコミュニケーションだと、表情が読み取りづらかったり、全員の意見を汲み取りづらく、言葉だけで伝えることが難しいと感じる時もありますよね。
そういう時は、Figmaで絵に起こして、ユーザーにとっての課題感をイメージしやすいようにします。サービスはチームでつくるので、チーム全体でユーザーについて正しく共通認識をとれるようにコミュニケーションをとっています。
──井上さんは、プロダクトオーナーとしてデザイナーやエンジニアの意見を汲み取りながら最終的な意思決定をしていくケースが多いと思います。その際、どのように意思決定をしているのでしょうか。
井上:大前提として、WhyやWhatといった絶対にぶらさない軸以外のHow(手段)については、僕自身は強いこだわりを持たずにチームメンバーの意見を尊重するようにしています。
ESSのお客様全員が首を縦に振るものはそうそうなく、リリースしてお客様の反応を見てみないと効果が分からないケースのほうが多いと思っています。だから、僕からは手段については細かい意見は出さずに、デザイナーとエンジニアを信じて任せていますね。
そのうえで一つ意識しているのは、小さくリリースして、反応が良かったら広げていくことです。僕たちの中には答えはなくて、お客様の中にしか答えはないと思っています。
──様々な職種の仲間と協業するための工夫をしているように感じますが、それでも上手くいかない時は、どのような原因があるのでしょうか。
井上:WhyとWhatの思考が浅く、チーム内で共通の認識を持てていない時は失敗することが多いと思っています。例えば、ファクトなどのデータが足りていない時や、私たち自身のお客様の業務に対する解像度が低い時ですね。成功するのはその逆で、ファクトやデータをちゃんと集めて思考できている時です。
──先日、ESSのプロダクトの大規模なリニューアルがありましたが、リニューアル直後のお客様からの反応は、決して良いものばかりではないと思います。ファクトとして開発意図と異なる声が上がった時は、チーム内でどのように判断するのでしょうか。
井上:おっしゃるように、一定のネガティブな反応はファクトとして明確に存在します。ただ、そのファクトをどのように解釈するかはチームに委ねられていると思っています。
例えば、お客様の声の数で判断することもありますし、もしくは、サービスの思想を軸に判断することもありますね。要望があったとしても、ユーザー体験の妨げになるから敢えて対応しないこともあります。解釈する際の共通認識を持ち、チームで正しく判断できるようにしています。
長尾:実際、数年間サービスを使っていただいているお客様から「慣れていないから使いづらい」というネガティブなご意見をいただくことがありました。お客様によっては約10年間にわたり同じデザインのサービスを使っていただいていたので非常に理解できるご意見です。
ただ、その時は、私たちのリニューアルの思想を貫きたいと感じたのを覚えています。きっと新しいデザインに慣れていただければ、お客様の業務効率が上がり、より良い仕事をしていただけるはずだと信じて進めました。
インタビュアー:松田(新卒デザイナー採用担当)
お互いに背中を預け合える仲間たちと、「お客様の本質的課題解決」を目指す。
──これまでのお話を聞いていると、お二人は仕事を進めるうえで、職種を越えたコミュニケーションや、チームで働くことを大切にしていると感じました。そうした働き方を大切にしている背景について教えてください。
長尾:学生時代、スターバックスのバイトをしていた頃に身に付いた考え方が大きいと思います。「お客様だけではなくて、一緒に働くメンバーも大切にしましょう」という価値観が浸透している職場で、お客様に良い体験を提供するために、メンバーと力を合わせる働き方をしていました。
私にとっては、自分一人ではできないことを、周りのみんなと一緒に実現するというカルチャーがとても心地良かったのです。だからこそ、就職活動の時から、チームとして働ける土壌があるかどうかを重視していました。
実際、最近のリニューアルプロジェクトでも、みんな「コト」に向かってチームとして動いていて。要件定義や合意形成など大変なことも本当にたくさんありましたが、それぞれが守るべき観点をちゃんと守りながら、お互いに背中を預け合っているような感覚でした。
「良いプロダクトを作りたい」「お客様の業務が少しでも効率化されるようにしたい」「マーケットを変えていきたい」と本気で考えている仲間たちと一緒に働けていることを、改めて実感できましたね。一人で良いものは作れないと思っているからこそ、みんなで力を貸したり借りたりできる環境は心地よく感じます。
──井上さんは、いかがですか?
井上:Visional Wayのバリューの一つである「お客様の本質的課題解決」を実現するプロダクトを作るためにも、チームでのコミュニケーションは重要だと考えていますね。本質的には、コミュニケーションの質が一番大事ですが、まだその質に至るまでの量が足りていない時もあります。
「伝え切れていない」「理解し切れていない」ということが増えていくと、お客様の声や、企画の分析結果といったチーム内の共通認識がなくなり、プロダクト開発に迷いが生じてしまいます。
長尾:井上さんのおっしゃる通りだと思います。実際、デザイナーが絵を作って、その場では「いいね!」と話が進んだものの、Whyのところが固まりきっておらず、後々フィードバックをもらった時に、「あれ、考えられていなかった」となったことがありました。そうなると、余計に時間がかかり効率が悪くなります。
コミュニケーションを大切にはしているものの、現状のままでいいとは思っていません。私たちが足りていないビジネス観点や、見えていないユーザー観点を予めインストールする機会をもっと作っていきたいです。井上さんたちともっとタッグを組んでいけば、より良いモノづくりができると思っています。
──まだまだ課題もあるということですね。それでは、もっと挑戦していきたいこと、今後チームで実現したいことについても教えてください。
長尾:まずは、事業がどのように変化しているのか、その先の人材紹介のマーケットにどのような変化を起こせたかについて、今以上に解像度高く捉えられるようになりたいです。もともと、HR業界に強い思い入れや興味を持って入社したわけではなかったのですが、最近は今まで以上に事業やマーケットへの興味が強くなってきたんですよね。
──とても大きな変化だと思いますが、そのきっかけは?
長尾:先日のリニューアルで、特にビジネス開発職の方々を見ていて、自分の姿勢が変わりました。約10年間にわたって事業を支えてきたプロダクトを全て変えることは、ビジネス上あらゆるリスクが想定できます。
そうしたなかで、ビジネス開発職の皆さんは、このプロダクトは良いと信じてくれていて、どのようにお客様とコミュニケーションをとったら事業の価値を毀損せずにリニューアルを完遂できるかを懸命に考えて行動してくれていたんです。自分たち自身が痛みを伴ってでも事業を守ろうとしている皆さんの姿を目の前で見ることで、自分も変化できたと思います。
挑戦したいことの2つ目は、より深くユーザー理解をしたうえで、それを施策に落とし込んでいくスキルを上げることです。1つ目の挑戦を実現するためにも、まずは誰よりもユーザーのことを知らないといけないと思っています。まだまだ一人では決められないことも多いですが、デザイナーとしての意志をもって取り組んでいきたいですね。
最後に、これは私の妄想も入るのですが、考える人と作る人のハブのような存在になりたいです。約4年間デザイナーとして働くうちに、私は、人が話していてうまく言葉や形にできないものを言い換えたり、形にしたりすることが得意なのかもしれないと思うようになりました。
井上さんと定期的に行う1on1では、井上さんが実現したい未来のお話を聞くことができて、毎回とてもワクワクするんです。井上さんのような想いを持った人の言葉を形に変えて、その実現の手助けをできる人になりたいと思いました。
──続いて、今後、井上さんが挑戦していきたいことについて教えてください。
井上:個人の観点だと、開発とデザインのレベルを圧倒的に上げていきたいですし、プロダクトの未来を高い解像度で描き切りたいです。また、ESSのプロダクトは株式会社ビズリーチのキャリアインフラ構想の一部なので、そことの接続にも取り組んでいきたいです。
チームへの観点だと、成長できる環境づくり、心理的安全性を担保、製販一体のレベルをより高め、より良い開発サイクルをつくる。この3つがあります。
──プロダクトの成長だけではなく、そこに関連する組織づくりの話が出てきましたが、デザイナーを含め、一人一人のメンバーの成長のために、どのような取り組みを考えていますか?
井上:今はデザインマネージャーと定期的に1on1をしていますが、今後はもっとデザイナーのメンバーともコミュニケーションをとっていけたらいいなと思っています。僕はデザインを教えたり、エンジニアリングを教えたりすることはできません。だからこそ、メンバーの成長の機会をつくることにコミットしていきたいと思っています。
デザイナーだけでは実現できない、広義のサービスデザインをチームで実現するために。
──デザイナーの学生の皆さんの中でも、特に事業会社を目指す方の中には、他職種とコラボレーションする働き方に魅かれる方が多くいる一方で、そういう働き方はまだまだマジョリティではありません。就職活動やキャリアについてドキドキと不安が入り混じっている読者の方に対して、最後にメッセージをお願いします。
長尾:広義のサービスデザインは、デザイナーだけ、デザインスキルだけでは実現できません。広義のデザインをチームで実現できる人になるためには、ビジネス観点、ユーザー観点を自分の中に取り入れることが必要で、そうなった時に、Visionalのような事業会社には、それこそ井上さんのような事業やユーザーのことを深く理解している方や、エンジニアリングのスキルが非常に高い方が集まっています。
広義のサービスデザインを実現するために、快く力を貸してくれる人がたくさんいて、私はその恩恵をありがたく受けています。そういう環境がVisionalにはあるということを伝えたいですね。
もちろん自分自身がUIデザインやUXデザインのプロにならないといけないし、そのために学び続けないといけませんが、自分の行動によって他の領域の情報も取りにいけるのは楽しいですよ。
あと、困った時は誰かが助けてくれるので安心してください。私もついこの間、「この数字が分からない」と言ったら井上さんがすぐに分析してくれました。学生の皆さんとしては、今の自分のスキルを不安に思うこともあるかもしれませんが、同じ目標に向かって歩み、一緒に成長してくれる仲間がいる環境がVisionalにはあると思っています。
井上:デザインの定義は様々ですが、デザインのチカラを通して何かを実現したい想いがある人はVisionalにフィットするでしょう。逆に、特定のデザインスキルの特化に集中したい方はVisionalに向いていないのではと思います。
仲間と一緒に事業づくりの経験を積みたい人にとっては、その想いに応えられる環境だと思いますよ。
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この記事の執筆担当者
松田 莉奈/Matsuda Marina
九州大学教育学部卒業後、2018年、株式会社ビズリーチに新卒入社。ビズリーチ事業のカスタマーサクセスを経験した後、2019年8月より、デザイナー職の新卒採用を担当。採用施策の企画実行や、リクルーター業務を行なっている。
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