スタートアップの世界で、恩返しの輪を広げていく。「BizReach 創業者ファンド」が目指す未来。
※この記事の掲載内容は、2021年2月時点のものです。
今回は、Visionalが運営する「BizReach 創業者ファンド」についてご紹介します。
この取り組みでは、スタートアップ創業者に対して、シードステージでの資金支援だけでなく、創業者と徹底的に寄り添って、これまでVisionalが蓄積してきた、創業期の企業にとって最も重要な「経営チームの組成」のコンサルティング支援を提供。長年にわたるスタートアップを含む多くの企業様の採用支援実績をもとに蓄積した人材採用のノウハウや、「ビズリーチ」などの自社サービスの提供を通じて企業成長を支援し、社会にインパクトを与える事業を創業者のみなさまと二人三脚で創っていくことを目的としたファンドです。
投資第1号案件である株式会社RevComm様への出資に続き、2021年1月27日には、第2号案件として、アート管理サブスクリプションサービス「美術倉庫」を運営する株式会社between the arts様への出資も発表しました。
「BizReach 創業者ファンド」について
株式会社between the arts様への出資について
この記事では、投資第1号案件である株式会社RevComm様の代表取締役・會田武史氏をゲストとしてお招きして、「BizReach 創業者ファンド」による出資に至るまでの経緯や、出資後の変遷についてお話を伺いました。
株式会社RevComm様 コーポレートサイト
株式会社RevComm様への出資について
※本記事内の写真の撮影は、ソーシャルディスタンスを保ちながら、撮影時のみマスクを外して行いました。
プロフィール
南 壮一郎/Minami Soichiro
1999年、米・タフツ大学卒業後、モルガン・スタンレーに入社。2004年、楽天イーグルスの創立メンバーとして新プロ野球球団設立に携わった後、2009年、ビズリーチを創業。その後、採用プラットフォームや人財活用プラットフォームをはじめとした人事マネジメント(HR Tech)領域を中心に、事業承継M&A、物流、Sales Tech、サイバーセキュリティ領域等においても、産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する事業を次々と立ち上げる。2020年2月にVisionalとしてグループ経営体制に移行後、現職に就任。2014年、世界経済フォーラム(ダボス会議)の「ヤング・グローバル・リーダーズ」に選出。
竹内 真/Takeuchi Shin
2001年、電気通信大学情報工学科を卒業後、富士ソフト株式会社に入社し、主に官公庁や大手通信会社向けのシステム開発に従事。2007年、株式会社リクルートにて全社共通基盤フレームワーク開発などに従事し、同時にSeasarプロジェクト内でOSS活動も開始。2008年、株式会社レイハウオリを創業。その後、ビズリーチの創業準備期に参画し、取締役CTOに就任。2020年2月、現職に就任。社外活動として一般社団法人日本CTO協会理事を務める。
茂野 明彦/Shigeno Akihiko
2012年、株式会社セールスフォース・ドットコムに入社。2016年、株式会社ビズリーチに入社。インサイドセールス部門の立ち上げ、ビジネスマーケテイング部の部長を経て、現在はHRMOS事業部インサイドセールス部の部長を務める。2020年、「ビズリーチ創業者ファンド」パートナーに就任。
會田 武史/Aida Takeshi
三菱商事株式会社に入社し、自動車のトレーディング、海外市場での販売/マーケティング施策の企画・立案・実行、クロスボーダーの投資案件・新会社設立、政府向け大口入札案件、M&A案件等に従事。2017年7月に株式会社RevCommを設立。
これまでの経験を通して「仲間づくり」の大切さとノウハウを伝えていく。
──はじめに、「BizReach 創業者ファンド」について教えてください。
南:Visionalは、2009年の創業以降、即戦力と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」や人財活用プラットフォーム「HRMOS」シリーズ等、人事マネジメント(HR Tech)領域の事業をはじめ、事業承継M&A、物流、サイバーセキュリティ領域等の幅広い領域で事業を次々に立ち上げ、1,400名を超える組織にまで成長しました。
南 壮一郎
お客様や、投資家の方々、日々会社の変化を支えてくれる仲間たちのおかげで、今でこそこうした成長を実現することができましたが、私たちも創業期には非常に苦労したことを今でも鮮明に覚えています。特に大きな壁となったのは、経営チームの組成でした。もがき苦しみながらも仲間づくりを続け、当時集まってくれた創業メンバーたちが、会社の経営基盤を築き、現在に至るまでの成長を支え続けてくれています。
結果、創業から12年を経た今でも、創業メンバーが一人も欠けることなく、一緒に事業づくりができていることは私の誇りです。たからこそ、私は、創業期、更に言えば、その後の会社経営における「仲間づくり」の大切さを深く理解しています。
私たちに限らず、多くのスタートアップが、創業期から成長初期の間に「資金調達」と「人材採用」という大きな壁に直面すると言われています。だからこそ今度は私たちが、次の世代のスタートアップ創業者のみなさまに資金面・採用面において支援することで、Visionalの成長を支えてくれたスタートアップコミュニティに対して「恩返し」していきたいと考えています。そうした想いから生まれた取り組みが、この「BizReach 創業者ファンド」です。
単に一方的な支援をするのではなく、私たち自身としても支援を通して、社外の優秀な経営者や他社事業から学びを得ることができると考えています。そして出資先のスタートアップの成長支援を通じて、時代がもたらす様々な課題を次々と新しい可能性に変え、世の中の革新を支えていきたいです。
──第1号案件となったRevComm様への出資が決まるまでの経緯について教えてください。
會田 武史
會田:南さんとは学生時代の頃からの知り合いで、私が起業を検討し始めたタイミングで相談させていただいたのが最初のきっかけでした。その時は、まだまだサービスの構想はざっくりとしていたのですが、「ボイステックのサービスを考えている」と話すと、すぐさまに海外の先進事例やビジネスモデルの捉え方についての自らの知見をシェアしてくださりました。
南:會田さんの構想を聞きながら、「テクノロジードリブンのプロダクトをつくろうと考えているにもかかわらず、現状、それを形にできるものづくりを担当する創業メンバーがいない。このままでは、構想だけで終わり、事業が立ち上がらない」と感じました。
そこで、それまで自身が考えていた創業者の視点に立ったスタートアップ投資の理想的な姿、つまり、私たちが、シード期の創業者に寄り添いながら、蓄積してきた経営や採用のノウハウ、また「ビズリーチ」サービスを無償提供し、成長資金とともに支援する、というお話を會田さんにお伝えしたところ、このファンドが追求する理想を実現するためのモデルケースとして出資が決まりました。
茂野 明彦
茂野:私が初めて會田さんとお話ししたのは、2017年。出資が決まるだいぶ前に、南さんから「ある創業者の経営相談に乗ってもらえないか」と直接頼まれ、お会いしました。
「インサイドセールス領域における新しいビジネスを考えている」という構想をお聞きして、私自身、ずっとこの領域でビジネスをしてきたので、とても深く共感したのを覚えています。インサイドセールスの業務は属人化しやすく、また、それぞれの知見やノウハウが可視化されにくいため、私としても、組織としての再現性を担保するのが難しいという問題意識を抱いていました。そして、會田さんのお話を聞いていくなかで、ぜひ力になりたいと思い、その場で2時間ほどディスカッションさせていただきました。
會田:茂野さんは、インサイドセールス領域の造詣がとても深くて、それまでのご経験をもとにホワイトボード上でカスタマージャーニーマップを整理しながら、私のサービス構想を一緒にブラッシュアップしてくださりました。あの時のディスカッションによって整理された構想が、今の「MiiTel」(※電話営業や顧客対応を可視化する音声解析AI搭載型のクラウドIP電話システム)のベースになっています。私が事業化を進めるうえで、強く背中を押してくださった茂野さんには本当に感謝しています。
茂野:ホワイトボードの写真を撮ってからすぐに、會田さんが「このプロダクトを一緒につくってくれるエンジニアを探してきます」とおっしゃったのが印象的でした。會田さんのスピード感と行動力には圧倒されましたね。
また會田さんは、構想を練りプロダクトを磨いていくうえで、何よりもユーザーインタビューこそが重要であると考えておられたので、そのディスカッションの後も、私にできることとして、インサイドセールス界隈の私の知人を會田さんに紹介しておつなぎさせていただきました。50件ほど、一緒にヒアリングの場に同席させていただきながら、私自身も学ぶことがたくさんありました。
──出資を決めてから、実際に支援を始めるまでに、既に茂野さんによる支援が始まっていたのですね。
南:私たちはその期間を、「インターンシップ」のようなものとして考えています。私たちが一方的にどのスタートアップに出資をするか決めるのではなく、會田さんにとっても、出資をさせていただく私たち自身が、株主としてふさわしいかどうかを見極めていただく必要があるはずです。
だからこそ、我々が「インターンシップ」として一緒に仕事をさせていただきながら、お互いについての理解を深めていく。出資をすることが目的ではなく、その後、一緒に事業を成長させていくことが重要ですので、その期間での共同作業が良い影響を与えていくと信じています。また、こうした形で時間も労力もコミットしていくことこそが、創業者として欲しているファンドの在るべき姿だと考えています。
竹内 真
──竹内さんは、どのような形でRevComm様への支援に携わっていたのでしょうか?
竹内:はじめに會田さんに、エンジニア採用を進めるうえでの基本的な考え方をお伝えさせていただきました。サービスの軸として「AI」というキーワードがあり、当時の會田さんは、アルゴリズム系のエンジニアを採用しようと動いていました。しかし、私たちとして、そうした順序で採用を行い組織を大きくしていくと上手くいかないという経験則があったので、プロダクトをつくり、磨いていくうえで、どのようなエンジニアをどのタイミングで採用していくべきなのか、お伝えさせていただきました。
會田:私自身、本格的に起業する前から、エンジニアの採用に向けて動き出していたのですが、それまでは恥ずかしながら、将来の組織像や採用すべきエンジニアの優先順位までは頭が回っていませんでした。また、面接における見極めの考え方についてもご相談させていただいたりと、(竹内)真さんには、エンジニア採用における大切なことを本当にたくさんレクチャーしていただきました。
あの時、真さんにアドバイスをいただいていなかったら、エンジニア採用は上手くいっていなかったと思っています。実際にご指導いただいてからは、教えを実行し続け、2017年11月にコアメンバーの採用が決まり、12月から開発に着手して、2018年2月にα版を、7月にβ版をリリースすることができました。
その後、組織が大きくなるなかで、試行錯誤しながら、採用フローや面接のプロセスを変えてったのですが、真さんは、Visionalの各事業の成長や、それに伴う組織拡大を経験されてきたからこそ、はじめにレクチャーをしていただいた後も、図々しくも何度も質問をしたり、相談させていただいたりしました。
南:そうした、変わり続けるために、学び続けようとする會田さんの貪欲な姿勢は、スタートアップの経営者として必要不可欠なものだと思っています。むしろ私たちとしては、創業者はそれくらい図々しくあって欲しいと思っています。
會田:ただ、さすがに図々しさを前面に押し出しすぎてもいけない場面もあることも教わりました。経営者の先輩である南さんや真さんから、スタートアップの世界における礼儀作法についてもご指導いただけたことはとてもありがたかったです。
自社の事業について考えていると、「とにかく生産性だ!」というモードになってしまい、時に、人の感情を無視した判断や振る舞いをしてしまうこともあったのですが、そうなると、本当の意味で「仲間づくり」を実現することはできなくなってしまったり、場合によっては敵を作ってしまうこともあります。スタートアップの経営者として、更に言えば、人として大切なことを教えていただけたことには、非常に感謝しています。
會田さんの積極的な姿勢が、創業者ファンドの可能性を切り開いてくれた。
南:會田さんの前向き、かつアグレッシブな姿勢について感心した場面がありました。出資先の応援という想いも込めて、当時、ビズリーチ社のインサイドセールス組織にて、実験的に「MiiTel」を導入しました。そして、自分たちが全く知らないところで、実際に業務においてサービスを利用している社員に直接話を聞くために、會田さんがビズリーチの社内の飲み会に勝手に参加しているという話を他の社員から聞き、出資先の創業者というよりも、自分たちの会社で育った若手社員の社内での活躍を耳にするようで、本当に嬉しかったです。
會田:もちろん、それまでにも社員のみなさんにお時間をいただいてヒアリングさせていただいていたのですが、そうしたかっちりとした場では出てこない生の声もあると思い、飲み会の席にお邪魔させていただきました。ビズリーチの現場社員のみなさんは、まるで自社サービスのことのように親身になって寄り添ってくださり、その場でも、率直なご意見や、今後のサービスについてのご提案などをいただくことができて、本当に感謝しています。
竹内:會田さんは、何事においても、自分の目で見て確かめることを大切にされている方で、そのように、プロダクトの細部に至るまで、ご自身で高い解像度で理解しようとする姿勢は、スタートアップの経営者としてとても素晴らしいと思っています。我々が大切にしてきたプロダクトづくりへの想いを少しでも共有できたことは、個人的にも嬉しいです。
南:当時のビズリーチ社では、複数の事業部のインサイドセールス組織で、リリース間もない「MiiTel」を導入させていただきました。そして會田さんは、「MiiTel」のカスタマーサクセス担当者として、一人で複数の事業部にヒアリングし、改善案を提案しながら、サービスを磨き続けられていました。その時、経営や人材採用のコンサルティングを通じた支援以外にも、会社のみんなで、こうした未完成のプロダクトを実験的に利用して、フィードバックを徹底的に繰り返していく形でスタートアップを支援することができることに気付かされました。
同時に、これこそが、「BizReach 創業者ファンド」の目指すべき姿なのだと確信しました。私たち自身が欲しかった「創業者がゼロから事業を創るために必要なもの」を提供するファンドの可能性を、會田さんが切り拓いてくださったのだと思っています。
會田:Visional(当時はグループ経営体制移行前の株式会社ビズリーチ)の社員のみなさんがすごいなと思ったのは、新しいプロダクトを積極的に活用する姿勢があり、また、私たちに積極的にフィードバックしてくださったことでした。みなさん、とても協力的で、たくさんのVisional社員のご協力があったからこそ、今の「MiiTel」があると思っています。
茂野:Visional Wayの一つに、「変わり続けるために、学び続ける」というバリューがあります。Visionalの社員は、まさにそのバリューを体現するように、新しいツールを導入することに慣れていたり、そうした環境の変化を楽しめる人が多いと思っています。何より「MiiTel」を利用させていただくなかで、私たちとしても多くの学びや気付きを得ることができました。
竹内:そうしたマインドを持つ社員が多いのは、プロダクトの作り手であるエンジニア職とビジネス開発職が一体となって事業を推進しているからだと考えています。一般的に、組織が大きくなると、製販一体といえども縦割りになりがちですが、私たちの組織は、そうした壁をなくそうと心がけています。日々お客様と向き合っているビジネス開発職の社員が、プロダクト開発組織に提案をして、それがプロダクトに反映されることも多いです。
茂野:逆もまた然りで、エンジニアから、ビジネス開発職の社員へ「お客様との商談に同席させて欲しい」と相談が来ることも多いですね。
竹内:みんなで一緒にプロダクトを磨き、成長させている感覚を持っているので、当時のインサイドセールス組織の社員は、會田さんにも、気兼ねなくフィードバックをさせていただいたのだと思っています。
會田:そのお話を聞いて、とても納得しました。Visionalのみなさんは、これまで次々と新しいプロダクトを生み出し、事業として成長させ続けていますが、それは、プロダクトを作る側と売る側が同じ方向を向きながら、侃々諤々と議論し続けているからこそ、だとみなさんと接しながら勝手に思っています。
私たちのような社外のサービスの開発にも、快く協力してくださるビジネス開発職の社員のみなさまの姿勢を見て、これまでのVisionalの成長理由に迫ることができたように思っています。まさに組織が一体となって、Visionalのグループミッション「新しい可能性を、次々と。」を体現していると感じましたね。
──これまでVisionalは、社内のエンジニアとビジネス開発職の仲間が一体となってプロダクトをつくり、進化させ続けてきましたが、そうした文化が、RevComm様のプロダクトづくりにもつながっているのですね。
南:このファンドを通して支援させていただく創業者は、私たちにとって「Visionalファミリー」の一員だと考えています。世の中の変革を支えるプロダクトをつくり、磨いていく、という意味では、自分たちの事業であろうと、支援先企業様の事業であろうと関係はありません。
BizReach 創業者ファンドのロールモデルとなることで、「恩返し」の輪を広げていく。
──RevComm様は、この数年間で大きく成長されていますよね。
會田:ありがとうございます。ただ、事業や組織が大きくなろうとも、やることは基本的に変わらないと考えています。組織づくりにおいて言えば、これまでにいただいた教えをもとに、これからも変わらずに「仲間づくり」を推進していくだけです。
南さんがすごいなと思うのは、今でも「ビズリーチ」で候補者のレジュメを見て、ご自身でスカウトを毎週送って、ご自身で面接していますよね。事業をつくるのは人であり、だからこそ「仲間づくり」に尽力し続けなければいけないという想いを、背中を見て学ばせていただきました。世の中にとって価値あるサービスをつくり、磨き、広めていくために、これからも、誰よりも私自身が採用にコミットし続けたいと思っています。
また、採用に限った話ではなく、組織が大きくなる過程で、「どのように組織のカルチャーを作っていくか」という新しい課題も生まれています。この件についてもご相談させていただき、先日は(佐藤)和男さん(ビジョナル株式会社 執行役員)をお招きして、RevCommの全マネージャーを対象とした1on1の研修をお願いしました。まずは1on1の考え方から変えていこうとしていますが、企業が成長し続けるなかで、どのように組織をつくり、どのようなカルチャーを実現していくかについては、これからも相談させていただきたいと思っています。
竹内:よくお話を聞きながら、會田さんはとても想いをもって組織をつくっていると感じています。ただ現状は、組織が役割ごとに細かく分かれていて、それはとても合理的な判断ではありますが、ともすれば、マネージメントがしっかり機能しないと大企業病に陥ってしまうというリスクもある。最後にどのような組織づくりを行うかは、會田さんの経営スタイル次第です。一つ一つの判断が本当に正しいのかどうかは、その時々には分からないどころか、1〜2年経っても見えないこともありますが、會田さんは、とても誠実に組織づくりと向き合っているので、きっと大丈夫だと思っています。
南:成功だけでなく失敗も含め、経営における一つ一つの経験から得た学びを活かすも殺すも、全ては経営者次第です。支援をさせていただくなかで思っているのは、會田さんは、そうした学びをしっかりと結果につなげることができる経営者である、ということです。目の前の事象だけではなく、中長期的な観点から、事業や組織の未来を見据えることができる。だからこそ、私たちとしても更に協力したいと思いますし、そうした會田さんの姿勢から、私たち自身が学ばせていただくことは本当に多いです。
私たちは、時に、會田さんにとって、耳に痛いことを言ってきました。それは、何もなかった創業期から、私たちが會田さんを心の底から信じていたからだと思ってください。
會田:耳に痛いなんて感じたことは一度もありません。みなさんは、いつもこれまでの経験を踏まえた忌憚ないアドバイスを通して、私や事業、組織にとってベストな選択肢を提示してくださります。だからこそ、そうした言葉をしっかりと受け止め、行動に移していくだけです。
南:行動は優先順位を表す。會田さんは、最後はしっかりと自分で決断する経営者ですから、今後が楽しみです。
會田:ありがとうございます。次のステップとしては、今度は私たちが、Visional、そして、次の世代のスタートアップのために「恩返し」していきたいと思っています。まずは、私たちが、世の中にとって価値あるサービスを生み出すことで、このファンドの一つのロールモデルにならなければいけません。ゆくゆくは、「Visionalに支援してもらいたい」という創業者が増え、このファンドの案件が次々と生まれていったら、スタートアップの世界、ひいては世の中にとって、とても素晴らしいサイクルが実現していくと考えています。
──南さん、竹内さん、茂野さんは、これから、どのような形でRevComm様への支援に携わっていきたいと考えていますか?
茂野:私自身、長い間、インサイドセールスの領域で働いているなかで感じているのは、RevComm様の登場、そして躍進によって、この領域はさらに発展していく、ということです。
パートナーとして、いつも近くで、會田さんご自身や組織が変化し続けていくのを見るのが楽しいですし、RevComm様が目指す世界観に心から共感しているからこそ、これからも採用面や事業面においても、様々な形で支援していきたいと思っています。これからもRevComm様と一緒に「コミュニケーションの再発明」に取り組むことができたら、それ以上に嬉しいことはありません。
竹内:これまでRevComm様は、他のスタートアップと比べても、非常に勢いよく成長し続けてきました。ただ、そこが逆に怖かったりもします。誰しも完壁ではないので、これから先の成長の過程で、何かを大切なことを忘れてしまったり、それによって判断を誤ってしまうこともあるかもしれません。そうした時も、私たちは少し先に同じような経験をしているからこそ、それぞれのフェーズにおいて、その時々ごとのアドバイスができると考えています。
ここからは、攻めながら同時に守りも固めていくフェーズになると思いますが、これからのRevComm様、そして會田さんの成長を楽しみにしています。
南:私から伝えたいことは一つだけで、會田さんには、とにかく志を大きく持ち続けて欲しい。プロダクトを通して課題を解決し続けていくことで、世の中に大きなインパクトを与え続けていく。世の中の革新を支え続けていく。その原点を、いつまでも忘れないで欲しいと思っています。
そして、會田さんを信じ、会社の成長を支え、応援してくださる社員、株主、お客様との「約束」を守り、成果を通して社会へ「恩返し」し続けて欲しい。経営者として迷うことや葛藤することも増えていくかもしれませんが、その原理原則さえ忘れなければ、自然と解は導き出されていくはずです。
これからも、いろいろな形で支援していきたいと思っていますし、RevComm様が描いていく未来を、「ファミリー」の一員として誰よりも楽しみにしています。
會田:ありがとうございます。「BizReach 創業者ファンド」の成功モデルになれるよう、これからも精進していきます。今後とも、よろしくお願いします。
この記事の執筆担当者
松本 侃士/Matsumoto Tsuyoshi
1991年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2014年、音楽メディア企業に新卒入社し、音楽雑誌・ウェブサイトの編集や、採用などを経験。2018年、株式会社ビズリーチへ編集者として入社。現在は、人財採用本部・採用マーケティンググループで、「ALL VISIONAL」の運営などを担当している。
撮影:清水健太
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