お客様の採用成功にコミットする。「カスタマーサクセス」に懸ける想いを語る。
今回は、HRMOS事業部 カスタマーサクセス部の部長 鈴木雄太さんにインタビューしました。
※本記事は、2019年6月3日に、前身ブログ「Reach One」で公開したものを、一部編集した上で転載したものです。
プロフィール
鈴木 雄太/Suzuki Yuta
上智大学理工学部を卒業後、大手製薬会社へ入社。MRとして約3年間働いた後、未経験だったIT業界へ転職。約4年間エンジニアとしてHR系システムの企画、開発、運用に従事し、その後人事・採用部門に異動する。キャリア採用の責任者を経て、2017年1月に株式会社ビズリーチへ入社。HRMOS事業におけるカスタマーサクセス部の立ち上げに携わる。2018年8月より、カスタマーサクセス部 部長を務める。
高い目標に向けて、勝ち筋を考え続けた学生時代
幼い頃は勉強が好きだったこともあり、中学受験をして中高一貫の有名進学校に進学しました。学校には自分よりはるかに優秀な人が多く、彼らからたくさんの刺激を受けました。
みんな、何をするにしても深く考えるのが好きな人たちだったんです。例えば、トランプゲームの「大富豪」をするにしても、捨てられたカードを全て覚えるのは当たり前、出したカードをもとに相手の手の内のカードを推測しながら、綿密に戦略を立てて進める。そんな友人たちと過ごしていたので、常に勝ち筋を考えることが当たり前になっていったのだと思います。
もう一つ、学生時代にテニスに打ち込んだことも、今の自分に大きな影響を与えています。部活にはコーチがいなかったので、自分で強くなるための方法を模索しました。ショットの成功率を記録したり、練習内容とその結果をもとに自己分析シートを作り、弱点を克服するためのプランを立てたり。結果、都大会で良い成績を収めることができました。
高い目標を達成するためにどうすればいいのか、改善するべきことは何かを考えて行動する姿勢は、この経験を通して培われたような気がします。
現在も仕事をするうえで、目標に向かってどのように課題をクリアしていくか、そのプロセスを考え実行することを楽しんでいます。仕事は日々の積み重ねも大切ですが、言われたことをこなしていくだけでは飽きてしまうし、普通にやるだけではつまらない。
大きな成果をあげるために「ジャンプ」する方法はないのか、実は「隠し扉」があって効率的にゴールにたどり着けるのではないかなど、自分なりの戦略を考えながら課題をクリアするのが面白いんですよね。
楽しいから、一つ目標をクリアしたら次の目標を見つけて進みたくなる。自分に足りないところがあれば、勉強して力をつけたいと思う。クリアするまでの道のりが険しければ険しいほど、やりがいを感じます。
製薬会社のMRからエンジニアの世界へ
新卒で選んだ仕事は、製薬会社の営業、いわゆるMRでした。当時は漠然と、価値のある何かを生み出すこと、ビジネスの仕組みを作ることのどちらもできるようになれたら面白いと考えていました。けれど、新卒の時点では「何かを生み出す」というイメージがなかなか持てず、まずはビジネスを学ぶために、営業の仕事を選んだのです。
大学は理工学部だったにもかかわらず専門外の製薬会社を選んだのは、MRは営業のなかでも特に難しい分野だと考えたからです。自分よりも医学の知識が豊富な医師に薬を勧めるという仕事は、とてもハードルの高いものだなと。そのハードルの高さに魅力を感じました。
3年間働き、良い成果を出すことはできましたが、本当にやりたいことは、何かを生み出す仕事であると、強く思うようになってきたんです。当時は26歳。エンジニアとしてスタートするには遅いほうだと思いますが、自分のキャッチアップ力には漠然とした自信があったので、未経験でもエンジニアとして採用してくれる企業へ転職しました。
転職した企業は、自分の意志で難度の高いことに挑戦できるけれど、その分ハードな環境でした。しかし私はエンジニアとしてのスタートが遅れた3年を1年で取り戻すぞという覚悟で入社したので、がむしゃらに頑張ることができたし、挑戦しがいのある環境に面白さを感じました。
「人事・採用」という新しい挑戦
エンジニアとして働き始めて4年が経った頃のことです。自治体向けの大きな新規機能開発を完成させるなど、ある程度の成果を上げることはできていたのですが、エンジニアとしては少し行き詰まりを感じていた時期でもありました。もっと大きな仕事をするためにチームをモチベートし導いていかなければ難しい。けれど、当時の私には何でも一人でやってしまうところがあり、チームビルディングが自分の課題となっていました。そんな時にちょうど、キャリア採用チームへの異動の話をもらいました。人事は、まさに人と向き合っていく仕事なので、自分に足りない力を身に付け成長するチャンスをもらったと思いました。
異動した当初は、キャリア採用チームは予定の採用人数から大幅にビハインドしている状態が続いていました。新たなことにチャレンジしなければ道は開けないが、チャレンジするにも制約が大きい。正直、もどかしさを感じていた時期でもありました。自分がリーダーを任されるようになってからは、なんとかして目標を達成しようと、様々な戦略を試したり、時には上司とぶつかったりしながら、「攻めの採用」を実現する体制を目指してチームビルディングしていきました。
結果的に、採用人数を過去最大に増やすことに成功し、次第に責任の大きな仕事を任されるようになっていき、最終的にはキャリア採用の責任者となりました。かなりエネルギッシュな現場で、一つ一つの仕事にとてもやりがいがありましたし、短い期間で普通では考えられないような数多くの経験を積むことができたと思います。
正直、仕事に関しては全く不満がなく、充実した毎日を送っていました。ただその頃、家庭の事情で仕事だけでなく家族のサポートもする必要に迫られたこともあり、仕事と家庭を両立できる企業への転職を考えるようになりました。
採用を変えることで社会を変えたいと思い、ビズリーチへ
転職先は人事関係の職種がよいのではと考え、何社か選考を受けていました。これまでの経験を活かせそうな感覚はありましたが、一方で物足りなさを感じる部分があったことを記憶しています。経験を活かすというよりも、まだ経験したことがないような、もっと「面白い」と思えるような仕事がしたいというのが、僕の本質的な思いだったんですね。
そこで、キャリア採用のことを一番に考えている企業はどこだろうと考えた時に思い浮かんだのが、当時自分もサービスを利用していた株式会社ビズリーチでした。せっかくだから話を聞いてみようと思い、ホームページからエントリーしました。
人事は、ただ人を採用するだけというシンプルなものではなくて、事業に直接影響を与える仕事だと思うんです。ただ、自分が候補者として転職活動をするなかで、「自社の戦略の鍵を握るのが採用であると気付き、戦略に落として実行・実現できている人事担当者が少ないのかもしれない」と感じていました。その意識を変えていけたら面白いと思ったんです。自分をもっと成長させながら、その目標を実現していきたい。そんな気持ちを、面接で代表の南さんに伝えると、「それができるのはHRMOS(ハーモス) だよ」と言われたんです。
「HRMOS採用」は、人事業務における非効率をなくし、HRテック(HR × Technology)で「採用を強くする」クラウドサービスです。「採用を変えることで社会を変える」ことを目指しているというお話を聞き、その世界観に惹かれ、何より心から共感しました。自分が面白いと思えるかが私にとっての一番大切な価値観でしたし、営業やエンジニア、人事をやってきた経験も活かせると思い、ビズリーチへの入社を決めました。
今までの経験をフル活用できる「カスタマーサクセス」
私が入社した当時は、「HRMOS採用」はまだ最低限の機能しかなかったこともあり、お客様になかなかサービスを活用していただけていない状態が続いていました。必要なクラウドシステムを必要なだけ利用し、期間に応じた利用料を支払う「サブスクリプションモデル」の「HRMOS採用」にとって、活用度が低さは致命的でした。
そこで、ただシステムを導入するだけでなく、継続的にシステムをご活用いただき、お客様の業務改善・目標達成を支援していく「カスタマーサクセス」を担うチームが必要であると考えました。
カスタマーサクセスは非常に多くのステークホルダーと関わる働き方が求められる仕事です。営業、エンジニア、人事の全ての経験がある私は、この仕事にはうってつけだったと思いました。今までの経験を全て活かせるポジションに出会えたことに、運命を感じましたね。
お客様の採用成功にコミットする
当時は「カスタマーサクセス」という考え自体が新しく、私も含めてチーム全員が初めて携わる仕事だったので、最初は手探りでした。お客様から厳しい意見をいただくものの、なかなか課題を解決することができず、自分の未熟さに落ち込むことも多くありました。
しかし、何度もチームで話し合いを重ねながら、「お客様の採用成功にコミットする」という目標を掲げ、できることはどんどんやっていこうと決めました。お客様に集まっていただき「HRMOS採用」の活用ノウハウなどをシェアする「ユーザー会」を開いたり、導入フローを改善したり、導入事例インタビューを発信したり、様々な施策を試しては修正し、改善を繰り返していきました。
その甲斐あって、「HRMOS採用」がリリースされてから約1年で導入社数は2.5倍に増加し、さらには「HRMOSを活用することで、業務効率化だけでなく、採用体制の構築や母集団形成の改善などの成果があった」といった嬉しい声をいただくことができました。
また、チームが効率的に動くために、お客様の継続率を予測できるような指標を探し続けました。結論としては、何か一つのデータから読み解くことは不可能であると分かり、いくつかのデータを複合して指標を出す方法を見つけ出しました。その指標を見つけるまでに、1年7ヶ月もかかりましたが、チームの仲間全員で指標を信じて追いかけられる状態になるためには必要な時間だったと思っています。
はじめ、私が見つけた新しい指標をチームの仲間に提案した時は、「この指標で本当にうまくいくのか」という疑いの声も挙がったんですよ。一人一人が心から信じることのできないKPIは誰も追わないと思うので、お客様と向き合うなかで得た「感覚」と一致した指標を見つけ出すことは、チームにとってとても重要だったように思います。
「HRMOS採用」を通して実現したい未来
私たちカスタマーサクセス部は、お客様がどのように「HRMOS採用」を利用しているのか、どのような課題を感じているかについて、一番深く知れる立場です。要望の背景にある真の課題を特定し、プロダクトの改善のために正しくエンジニアに伝えていくことが求められます。
例えば、「データをCSVで出力したい」という要望をいただいた時に、「なぜそのデータを出力したいのか」「そのデータを分析することで何を解決したいと思っていらっしゃるのか」「その分析はどれくらいの頻度粒度で行うべきものなのか」を考察することで、より本質的な機能開発が実現できると考えています。
私たちがお客様の課題を見つけ出すことが、プロダクトの改善に大きな影響を与え、「HRMOS採用」の成長に寄与できることは、非常に大きなやりがいになっています。
「HRMOS採用」は採用において、とてつもなく大きな可能性を秘めたプロダクトだと思っています。採用の成功は、単に必要な人数を採用することではないですよね。採用した方々が活躍して企業活動を加速させ、最終的に企業が生み出す価値が最大化されていくことが、真のゴールだと思います。お客様に「HRMOS採用」を活用していただくことで、そうしたサイクルが実現していけば、働く人みんなが好きなことや強みを活かして活躍できる社会になるはずです。
そうした未来を本気で目指せる今の環境に誇りを感じているからこそ、必ず実現していきたいですね。
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