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「転職における最高のUXを届けよう」カスタマーマーケティング部が掲げるミッションを紐解く。

株式会社ビズリーチの創業事業である転職サービス「ビズリーチ」。このサービスのカスタマー(会員)との日々のコミュニケーションを担うのが、カスタマーマーケティング部です。

今回は、この組織をリードする、ビズリーチ事業部 カスタマー統括部 統括部長の楠瀨大介さんにお話を聞きました。

※本記事内の写真の撮影は、ソーシャルディスタンスを保ちながら行いました。


プロフィール

楠瀨 大介/Kususe Daisuke
1989年生まれ。兵庫県出身。慶應義塾大学商学部を卒業後、パチンコ店運営企業に入社。2年間勤めた後、起業し、クラウドソーシングサービスを運営する会社を経営する。2016年3月、株式会社ビズリーチに入社。入社後は、ビズリーチ事業部のビジネス開発職、事業企画を経て、カスタマーマーケティング部へ異動。新規会員獲得の施策立案・実施などを担う。現在は、カスタマー統括部の統括部長を務める。


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何者でもないからこそ、新しい領域へ「越境」していける。

──はじめに、カスタマーマーケティング部のミッションについて教えてください。

私たちは、「転職における最高のUXを届けよう」というミッションを掲げています。

マーケティングという概念はとても幅広く、会社によって「マーケティング部」がやっていることは大きく異なります。マーケティングやマーケターの語源である「マーケット」は「市場」という意味の言葉ですが、これをどう解釈するかによって、また、会社のフェーズに応じて必要なことが変わるなかで、その会社ごとに業務内容が決まるのだと思っています。

そのなかで私たちは、カスタマーに「最高のUXを届ける」ことであれば、ルールや枠組みに囚われず何でもやっていい、やっていくべきだという考えを持っています。

こうした考え方は、私が事業企画部門の出身であることが大きな理由としてあるのかもしれません。事業企画部門で働いていた時は、事業をどのように成長させるのかについて、手段に囚われず考えていました。当時は非常に難しかったですが、自由な発想ができたので楽しかったですし、自身の成長にもつながったなと思っています。

当時の経験から、広告運用だけ、SEO施策だけしていても、カスタマーに本当の意味で価値提供できない、ひいては、事業を継続的に成長させることはできない、という考えに至りました。

何より、そうした手段に囚われず、カスタマーへの価値提供や事業への貢献のために、挑戦の幅を広げていったほうが、一つ一つの仕事に楽しんで取り組むことができるという想いがあります。

チームの仲間たちも、「特定のジャンルだけを極めても、カスタマーに真の価値を提供できないよね」「それって、私たちが目指すマーケターとは異なるよね」というように、この考え方に共感してくれています。

──「最高のUX」という言葉は、とても抽象度の高いものだと思いましたが、どのような意図が込められているのでしょうか?

おっしゃるように「最高のUX」はとても抽象的な言葉ですが、「一人一人の仲間に、その時々で自分なりの意味合いを考えて欲しい」という想いがあり、あえてこのような言葉を選んでいます。

10人いれば10通りの「最高のUX」があって然るべきであり、「カスタマーのため」という目線さえそろっていれば、齟齬が起きることはないはずです。仕事に取り組むうえで、もし何か迷った時は、いつでもこの言葉に立ち戻って欲しいと思っています。

──カスタマーマーケティング部の組織構成について教えてください。

一般的に、広告運用グループ・SEOグループ・コンテンツ制作グループというように、それぞれの施策ごとに専任の組織を編成しているマーケティング組織が多いと思っています。しかし私たちは、「アクイジショングループ」というように目的を軸にして組織を編成しています。

例えば、新規会員獲得を目的とした場合、行うべき施策は、決して広告運用だけではないはずです。こうしたグループの名称は、「カスタマーのため・目的達成のためであれば、手段を問わず、やれることは何でもやればいいし、やっていい」という組織としての姿勢を表しています。

また、こうした考え方は、マーケターとして新しい領域に「越境」していくことにもつながると思っています。実際に、カスタマーのUXをより良いものにするために、採用企業側の領域に関連する施策を提案した仲間もいます。

私は、「マーケター」というものを何者でもないと考えています。エンジニア職のように何か新しいものを作れるわけでもなければ、コーポレート職のように専門的な業務ができるわけでもなく、一般的にマーケターがやっている業務は、専門的な知識やスキルが必要というよりは、誰にでもある程度はできることが多いと思っています。

だからこそ、そのプロフェッショナルとして高いパフォーマンスを出すうえでは、思考力・マインド・スタンスなどが重要になってくると考えていて、組織の構成や役割といった境界線にとらわれずに、他の領域に「越境」していくことがマーケターとしての真価の一つだと思っています。

もちろん、こうした組織構成は、マネジメントコストや育成の観点からすれば、短期的には非効率な部分が多くあります。しかし、組織の中長期的かつ継続的な成長を目指して、あえてこの体制を採用しています。ミッションを「最高のUXを届ける」とするのであれば、それを実現するための組織づくりも長い時間をかけてやるという気持ちで組織づくりも行っています。

──カスタマーマーケティング部には、どのような仲間が集まっていますか? また、仲間たちに共通点があれば教えてください。

事業会社でインハウスマーケターとして活躍してきた人や、広告代理店で様々な業界におけるクライアントのマーケティング支援に携わってきた人、広告関連の営業を行っていてマーケティングは未経験だった人、また、新卒として入社した人など、とても多岐にわたっています。

共通点でいうと、カスタマーに価値を届けることを第一に考えている、ということです。Visionalには、「価値あることを、正しくやろう」や「お客様の本質的課題解決」というバリューがありますが、仕事を通じて、誰かの、世の中のためになりたいという強い想いを持っている人が集まっていますね。

もう一つは、向上心がある人です。「変わり続けるために、学び続ける」というバリューがあるように、変化のための努力を怠らない人が多いと思っています。活躍しているのは、様々な領域に挑戦し、そのために日々学び続ける人であると思っています。

挑戦と言っても新しいことへの取り組みだけではなく、今まで行っていた業務をより深く追求していくことも含まれます。常に現状に満足せずに上を目指せる人が活躍しています。

そのため、特定のジャンルに特化した強みを持っていたり、一つのツールを使いこなせる人というよりは、分析・企画立案・実行まで一気通貫で施策を回せる人が多いです。

実際に、このグループの仲間たちは、前職における経験やバックグラウンドを問わず、入社後、SQLや「Tableau」などのスキルを全員が身につけていて、さらに、自分の業務に関係するか否かを問わず、日々、新しい知識やスキルの習得に励んでいます。

そうした学びを後押しするために、組織として、研修プログラムや資料を用意し、オンボーディングの仕組みを磨き続けています。また、「業務時間の一定割合を、自分の興味のあるテーマを追求したり、新しいスキルを習得するための時間に充ててよい」という方針も定めています。このように、私自身、チームをマネジメントする立場として、仲間たちの向上心を尊重することを心がけています。


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マーケターとして大切なのは、誠実に「人」に向き合う力。

──具体的に、これまでどのような施策に取り組んできたのでしょうか?

例えば、「職務経歴書の定期的な更新」を、日本のビジネスパーソンの文化として定着させたい、という想いから、お正月に神社で「レジュメ書初め大会」というイベントを開催しました。このような施策は短期的には事業に貢献しにくいですが、文化醸成や啓蒙の狙いで定期的に行っています。

また、2019年、「ビズリーチ」が10周年を迎えたタイミングで、一人でも多くのビジネスパーソンに、自身のキャリアについて考えるきっかけを提供したいという想いから、講談社様とのコラボレーションによって、「転職 島耕作」というキャンペーンを実施しました。特設サイト上で、島耕作の部長時代の職務経歴書を公開し、大きな反響を得ることができました。

社内外のステークホルダーが多く、また、キャンペーンの実現に向けて、特設サイトや各広告など、複数のクリエイティブを用意する必要があったので、とても大変でしたが、その分やりがいも大きかったです。はじめは、講談社様の方々は、私たちが広告代理店に依頼すると思っていたようで、一つ一つのクリエイティブを「内製」することにとても驚かれていましたね。

──Visionalには、プロダクトを含め、社内のエンジニアやデザイナーとともに「内製」する仕組みやカルチャーがありますよね。

はい、それが「ものづくり」の会社としてのVisionalの強みだと思っています。同じ目的、同じ価値観を持った社内の仲間と一緒に作るからこそ、制作スピードが速く、自由度が高い、かつ、より良いものをつくるためにギリギリまでクオリティを高め合うことができます。

しかし一方で、内製だけに頼ってはいけないとも考えています。内製文化が強くなると、外の情報が入ってこない「鎖国」状態となり、最新の情報やトレンドが分からなくなってしまいます。また、外部パートナー様と協働するスキルが養われなくなってしまいます。

もちろん、「ものづくり」へのこだわりや想いは大切ですが、個々人の働き方の観点でいうと、外部パートナー様との協働によって得られる経験は非常に重要で、マーケターとしての「総合力」を上げるためには、そうした経験は絶対に必要になると思っています。

また、広告制作など特定の領域に関しては、プロフェッショナルである外部のパートナー様や代理店様に依頼したほうがスピーディーに進められますし、多くの学びを得ることができるはずです。

──マーケターとしての「総合力」について、具体的に教えてください。

あくまでも私個人の考え方ですが、「総合力」を一つ一つの要素に分解すると、「対人感受性」「対人折衝力」「運用・作業力」「分析・思考力」と表すことができると考えています。

内製だけを続けていると、「対人感受性」「対人折衝力」が養われなくなってしまう恐れがあります。内製文化を大切にしながら、一方で、外部パートナー様への依頼、という一つの手段をどう活用するか。その時々で、組織の状況を見ながら検討していて、実際に現在は、割合としては少ないですが、外部パートナー様へ依頼している案件も存在しています。

──「対人感受性」「対人折衝力」という項目から、楠瀨さんは、「人」と向き合うことをとても大切にしている印象を受けました。

先ほど挙げた「対人感受性」「対人折衝力」は、あくまでもビジネススキルとして、という意味合いではありますが、私たちが担当しているカスタマーマーケティングは、まさに一人一人の等身大の「人」と向き合う仕事だと思っています。だからこそ、私は「人」としての当たり前のレベルを上げていくことが大切だと思っています。

大げさな言い方に聞こえるかもしれませんが、例えば、「挨拶をする」「ゴミ箱が一杯だったら、ゴミ袋を交換する」など、そうした日々の些細な行動にも通じていることです。一人一人のカスタマー、つまり「人」と誠実に向き合うためには、そうした心構えが大事で、「運用・作業力」と「分析・思考力」だけを磨いていても、マーケターとして成長することはできないと考えています。


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一時的な「転職」ではなく、生涯の「キャリア選択」を支援する。

──今後の構想について教えてください。

現在は、「転職における最高のUXを届けよう」というミッションを掲げていますが、私たちは、「ビズリーチ」を、一時的に利用する「転職」サービスではなく、その方の生涯のキャリアに伴走する「キャリア選択」のサービスへ進化させていきたい、という想いを持っています。そうなると、私たちが次に掲げるべき中長期的なミッションは、「キャリア選択における最高のUXを届けよう」ということになります。

ビズリーチ社の構想でいうと、4つのサービス「ビズリーチ・キャンパス」「キャリトレ」「ビズリーチ」「HRMOS」の連携によって、「キャリアのインフラ」を目指す、という話もありますが、大切なのは、18歳~22歳から始まり60歳、70歳まで続いていくキャリアを、点ではなく、線として捉えること。そして、一人一人のカスタマーにとって、その時々ごとの選択肢と可能性を提示し、生涯を通して、働くことに前向きになってもらいたいと願っています。

私自身も、全ての働く人が、仕事を面白いと思える世界にしたいと強く思っています。「ビズリーチ」を通して、まずはハイクラス層のビジネスパーソンの「働き方」が変わっていけば、それをきっかけとして、世の中全体も変わっていくと信じています。

そうした構想を実現するための施策として、あくまでも一例ですが、キャリア開発を支援する学習サービスなどが挙げられます。自らのキャリアについて考えるコンテンツを提供していくことで、いつまでも使い続けてもらえるサービスを目指していきます。

──最後に、未来の仲間へのメッセージをお願いします。

「何のために働いているのですか?」という問いに対して、人それぞれの答えがあると思っていますが、もし、「世の中の課題を解決したい」「一人でも多くの人に価値を届けたい」という強い想いをお持ちの方、そして、変わり続ける時代のなかで、自分自身が楽しみながら変化し続けることができる方は、今のVisionalを、挑戦と成長の舞台として存分に活かすことができるはずです。そうした方と、ぜひ一緒に働けたら、私自身とても嬉しいです。

──本日は、ありがとうございました!

こちらこそ、ありがとうございました。


この記事の執筆担当者

松本 侃士/Matsumoto Tsuyoshi
1991年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2014年、音楽メディア企業に新卒入社し、音楽雑誌・ウェブサイトの編集や、採用などを経験。2018年、株式会社ビズリーチへ編集者として入社。現在は、人財採用本部・採用マーケティンググループで、「ALL VISIONAL」の運営などを担当している。


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