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課題を問い、価値を磨き続ける。トラボックスの開発組織が大切にしている価値観に迫る。

今回は、トラボックス株式会社のエンジニアである蒲池柾紀さん(写真:左)、松本修さん(写真:中央)、プロダクトマネージャーの稲垣有二さん(写真:右)のインタビューをお届けします。

3人の話を通して、トラボックスの開発組織が大切にしている価値観に迫りました。

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※本記事内の集合写真の撮影は、ソーシャルディスタンスを保ちながら、撮影時のみマスクを外して行いました。


プロフィール

蒲池 柾紀/Kamachi Masaki
2015年、筑波大学理工学群応用理工学類を卒業。新卒で株式会社ビズリーチに入社し、転職サイト「ビズリーチ」の開発を担当。直接採用企業様向けのプロダクト開発に従事し、その成果が評価され新人賞を受賞。2019年10月、トラボックス株式会社へ出向。2021年8月よりトラボックス株式会社へ転籍し、現在は新規SaaSサービスのリードエンジニアを担っている。
松本 修/Matsumoto Osamu
2007年、奈良先端科学技術大学院大学情報科学研究科(ロボティクス)を卒業。その後、日本SGIに入社し、大手キャリア向けIP放送事業を担当。2010年、大規模Webサービスに惹かれて株式会社ミクシィへ入社し、SNS/各種ゲームのバックエンドシステムの開発、インフラ開発に携わる。その後、アマゾン ウェブ サービス ジャパン株式会社(Amazon Web Services)でソリューションアーキテクトを経験し、2021年3月、トラボックス株式会社へ入社。新規SaaSサービスの開発を担当しながら、今後を見据えた技術基盤整備を進めている。
稲垣 有二/Inagaki Yuji
2006年、名古屋大学文学部文学研究科を卒業。その後、株式会社ワークスアプリケーションズに入社。エンジニア・プロダクトマネージャーとして、主に会計、SCM(サプライチェーン・マネジメント)などの企業向け業務支援システムの開発、コンサルティングに携わる。2018年、株式会社リクルートライフスタイルに入社し、「Airレジ」のプロデューサーに就任。2020年7月、トラボックス株式会社に入社。新規SaaSサービスの責任者を務める。


テクノロジーの力で、物流の仕組みをアップデートしていく。

──はじめに、トラボックスにジョインした経緯について教えてください。

稲垣:私は、前職のリクルートで「Airレジ」のプロデューサーを担当していました。「自分で事業を立ち上げたい」という想いがあり、リクルート社内の新規事業コンテストに応募し、最終選考に残ったこともあります。

そのアイデアは残念ながら事業化に至らなかったのですが、その後も市場の声を聞くために、いろいろな経営者やベンチャーキャピタルに壁打ちに付き合っていただきながら、事業計画を磨き続けていました。

その時期に、株式会社ビズリーチがVisionalとして新しいスタートを切るというプレスリリースを目にしました。「新しい可能性を、次々と。」というグループミッションからも、次々と新しい領域における事業づくりに挑戦していくというVisionalの意志を感じ、この会社であれば新規事業に挑戦する機会を創出できるのではないかと考えました。

すぐに南(壮一郎)さん(Visional代表)にメールを送り、私がそれまで構想してきた事業についてプレゼンする時間をいただきました。南さんからは面白いという反応をいただいたのですが、同時に、Visionalが物流業界における大きな課題の解決に挑んでいくという話を聞いて、その壮大な構想に惹かれました。

それまでは全く別の事業を考えていたのですが、もともと世の中に大きなインパクトを与えることができる価値あるプロダクトをつくることが私の最もやりたいことだったので、ここでならその想いが実現できると考え、その場でジョインすることを決めました。

蒲池:私は2015年にビズリーチに新卒で入社して、「ビズリーチ」のプロダクト開発の経験を積んできました。もともと事業の立ち上げに挑戦したいという想いを持っていて、入社6年目を迎えた頃に、トラボックスがVisionalの仲間として加わる話を聞きました。

そして、このタイミングでトラボックスにジョインすれば、ゼロからの新規事業創出に携わる機会を得ることができる、また、PMIや組織づくりなどの経験も積むことができると考え、自ら手を挙げて異動を希望しました。

環境が大きく変わるため、新しいステージで価値を発揮できるかという不安はありましたが、今はそうした不安を感じる間もなく、日々、課題の解決だけにフォーカスして開発に打ち込むことができています。

松本:私は、前職はAWSでSolution Architectとして働いていました。しかし、30代後半を迎えるにあたり、「今まで自分が経験したことのないような未知の領域で、技術を『梃子』として活かす挑戦をしたい」「エンジニアとして、まだまだ成長し続けたい」と考え転職活動を始めた時、トラボックスと出会いました。

そして、物流業界が直面している課題について話を聞き、こんなに挑戦しがいのある未開の領域があったことに驚きました。この領域であれば、技術を「梃子」として生産性をグンと引き伸ばすことによって、業界全体の変革を支えることができる。その社会的意義に強く惹かれました。

また、物流業界における新しい当たり前をつくることを見据えたビジョンを聞き、そこに大きな可能性を感じて入社を決めました。

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──続いて、トラボックスの構想について教えてください。

稲垣:トラボックスは、「物流の仕組みを、未来へ加速させる。」をミッションに、物流産業の生産性向上を支え、物流のDX(デジタルトランスフォーメーション)を実現する物流DXプラットフォームです。

荷物を運んで欲しい運送会社と運びたい運送会社を結ぶマッチングプラットフォーム「トラボックス求荷求車」は、1999年のサービス開始から20年以上にわたり、非常に多くの会員様にご利用いただいています。そして、この求荷求車事業を通じて培ってきた顧客基盤、つまりお客様からの信頼とデータが、他社には真似できない私たちの強みです。

このマッチングプラットフォーム事業は、あくまでも最初の出会いを創出するものです。今後は、運送会社のあらゆる業務をデジタル変容するSaaS事業や、荷主を含む運送業界全体の課題解決を実現する全く新しいプラットフォーム事業の展開を考えており、目下R&DやPoCを進めています。

私たちの事業の背景にあるのは、物流危機の到来、つまり輸送の需給バランス崩壊による、物が運べない・届かない将来への懸念です。そのために、主要な原因であるアナログな業務と多重請負構造、生産性や収益が上がり難いビジネス構造を、データとテクノロジーの力で変革することで、物流危機という日本が直面する大きな課題の解決を目指しています。

また、現在は運送業界を対象としていますが、ゆくゆくは倉庫や海運、空運など、物流業界全体の仕組みをアップデートしていけると考えています。


お客様の業務を自ら体験し、本質的な課題を問い続ける。

──続いて、プロダクト開発組織として大切にしている考え方や価値観について教えてください。

蒲池:私たちは、お客様に価値を提供するプロダクトを開発することが最も重要だと考えています。そのために何よりも、お客様の働く現場から直接得る一次情報にこだわっています。

今お客様が直面している課題について高い解像度で理解するために、私たちはお客様となる運送会社様にご協力をいただいて、実際に業務体験をさせていただいています。私自身、トラボックスにジョインした2020年2月頃から何度もお客様のもとに足を運んでいます。

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お客様先で業務体験中の蒲池さん

稲垣:1週間以上にわたって業務体験をさせていただいたこともありましたね。お客様の業務プロセスや一つ一つの業務の位置づけは、話を聞くだけだったり見ているだけでは決して理解できず、自ら伝票を打ったり、印鑑を押したりすることで、初めて気付くことができるものが非常に多いです。

そして、そのようにしてお客様の現場から集めた個別の事象を整理して抽象化していくことで、やっと本質的な課題に辿り着くことができると思っています。

松本:はじめは驚く人も多かったですが、今ではお客様の現場に足を運んで課題の解像度を高める流れが、トラボックスのカルチャーとして浸透しています。

それは、そこで得た気付きが、その後のプロダクト開発につながり、結果としてお客様に価値を返せることをみんなが実体験として理解しているからです。

蒲池:高い解像度で課題に向き合っているからこそ、具体的なソリューションを提案できますよね。エンジニアやデザイナー自身が課題について深く理解していないと、「お客様の本質的課題解決」を実現するソリューションを導き出すのは難しいと思います。

表面的な業務フロー図をなぞってプロダクトを作ったとしても、実際にはイレギュラーな対応やトラブルが起きたり、複数の業務を同時並行で進めているため、なかなかお客様の業務にフィットしないことが多いです。

稲垣:その意味で、お客様の業務そのものについて知ることだけでなく、時間の流れを知ることも大事です。実際に私たちは、始業前のラジオ体操から参加させていただき、一日を通してお客様の業務を経験しています。

その過程で、本質的な課題は何かを問い続ける。時間もリソースも有限だからこそ、解像度を高め、絶対的な価値があることを確信したうえで狙いを定めてプロダクト開発を行う。一つ一つのソリューションの洗練さ、インパクトの大きさを常に意識しています。

蒲池:私たちとしてはシンプルさを追求したいという共通認識もありますよね。

稲垣:機能を増やすことは簡単ですが、いかに少ない機能で提供価値を最大化できるか、という点にはこだわっています。そのために、価値の定義についても時間をかけてディスカッションします。

目先の課題解決や利便性を実現するだけではなく、お客様が真に求めているもの、在るべき業務の姿や働き方については、役割を超えてみんなで目線を合わせるようにしています。

蒲池:届けるべき価値について問い続けた結果として、もともと考えていた構想から大きくピポッドしたこともあります。はじめは別のシステムを考えていたのですが、仮説検証を進める過程で、それでは「お客様の本質的課題解決」を実現することができないと気付き、大きく方向を転換しました。

すぐに新しい仮説を立て、構想したシステムについては一刻も早く検証したいと考え、構造の近い全く別業界のサイトを参考にミニマムなプロダクトを1日で作成しました。

画像や各項目を簡単に変更したものでしたが、その場でお客様から「そうそう、こういうサービスがずっと欲しかった。」という言葉をいただき、価値があることを確認できたので、すぐに本格的な開発に入っていきました。

松本:すぐに作り、すぐに検証し、その後もお客様からのフィードバックをもとに高速でPDCAを回していく。こうしたスピード感は、私たちが共通で大切にしている姿勢といえるかもしれません。

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プロダクトドリブンなカルチャーを
浸透させるための取り組み「トラボックスEXPO」

──これまでの話を聞いていて、プロダクト開発組織の全員が、スピーディーに「お客様の本質的課題解決」を実現するための姿勢を大切にしているのだと感じました。

稲垣:ここまで真っ直ぐにお客様に向き合いながら、とことん価値を磨き続けることができる環境は、ものづくりに携わる者としてとても幸福だと感じています。

松本:こうした環境があるのは、経営の理解があるからこそです。目先で儲かるプロダクトよりも、10年かけてでも世の中に大きなインパクトを与えるプロダクトをつくる。経営にその意志があるからこそ、私たちは、こうして真っ直ぐに事業づくりに打ち込むことができていると思っています。

稲垣:トラボックスには、お客様や業界にとって価値あるプロダクトをつくり、それによって三方良しを実現したい、という同じ志を持つ仲間が集まっています。だからこそ、みんなで目線を合わせて、「お客様の本質的課題解決」という一つの方向へ進めるのだと思います。

──現状、組織として向き合っている課題について教えてください。

蒲池:物流業界に大きなインパクトを与える事業を実現するためには、もっと仲間が必要です。現状、ミニマムな形で検証を進めているプロダクトもあり、まだまだDXを実現しきれているとは言えません。一日でも早く物流業界のDXを実現するために、私たちは新しい仲間を探しています。

松本:データを活用することで、それまでレガシーとされていた業界を変革することは、これまで成功例も少なく、その実現のためには時間がかかるかもしれません。しかし、一歩ずつ確実に、未来に向かって前進しているという確信があります。

今後の日本では、いろいろな分野でDXが進んでいくでしょう。だからこそ、物流業界のDXに挑戦することは、エンジニアの一つのキャリアとして非常に意義のある経験になると思います。

トラボックスは、まさに第二創業期を迎えたばかりのフェーズで、自分の意志次第でいくらでも新しい挑戦の機会を掴むことができます。新しくジョインしてくれる仲間には、その機会を活かし、エンジニアとして大きく成長していって欲しいと思っています。


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この記事の執筆担当者

松本 侃士/Matsumoto Tsuyoshi
1991年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2014年、音楽メディア企業に新卒入社し、音楽雑誌・ウェブサイトの編集や、採用などを経験。2018年、株式会社ビズリーチへ編集者として入社。現在は、ビジョナル株式会社の社長室で、Visionalグループ全体の採用マーケティング施策を担当している。


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