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アライの仲間を増やすことで、全ての人が自分らしく働ける会社を目指す。「虹リーチ」の活動に込める想いをお伝えします。

はじめまして。HRMOS事業部カスタマーサクセスの田中です。

2019年に立ち上がった社内コミュニティ「虹リーチ」に、運営メンバーとして携わっています。今回は、僕たち「虹リーチ」の取り組みについて紹介させていただきます。


「虹リーチ」について

「虹リーチ」は、有志のLGBTQ+当事者やアライ(LGBTQ+の当事者に寄り添う姿勢を表明している人)が集まり、LGBTQ+だけではなく、一人一人を尊重し、全ての人が働きやすい職場を作るために活動をする社内コミュニティです。

少人数での交流会を開催したり、2ヶ月に1度、コミュニティ参加者以外も対象とした、ダイバーシティ&インクルージョンに関する理解を促進するような社内イベントを実施しています。

今年の4月には、「東京レインボープライド2021」の開催に合わせて、「誰もが自分らしく働ける職場環境を作るためにできること」というテーマで、Marriage for All Japan様の理事を務める柳沢正和様をゲストとしてお招きし、オンラインイベントを開催しました。

今回は、2021年9月~10月にかけて実施した2つの取り組み「杉山文野さんの社内講演会」と「ウェルカミングアウトウィーク」についてお伝えします。


杉山文野さんの社内講演会

●今回のイベント開催のきっかけ

「虹リーチ」で定期的に開催しているオンラインイベントを8〜9月中に実施したいと考えた時に、東京オリンピック・パラリンピック2020が開催されているタイミングでしたので、「多様性」の尊重を掲げる大会であるオリンピックを通して、LGBTQ+について考える機会を作りたいという想いで企画しました。

イベント開催に際し、過去の「東京レインボープライド」で繋がりがあり、日本オリンピック委員会理事でもあり、トランスジェンダー当事者でもある杉山文野さんに講演を依頼しました。

杉山さんには、2018年にもビズリーチ社員に向けて講演をしていただいており、その時の話が印象に残り、LGBTQ+について考えるきっかけになった社内の仲間もいます。また当時、ビズリーチの「東京レインボープライド」への協賛に向けて、杉山さんと一番コミュニケーションをとっていた社員が刺激を受け、「虹リーチ」を立ち上げるに至った歴史があります。

ビズリーチがダイバーシティ&インクルージョンを進めていくきっかけは、杉山さんとの出会いでした。今回、「ダイバーシティ&インクルージョンをもっと先に進めていきたい」というタイミングで杉山さんに改めてオンラインイベントに登壇していただけることになり、ご縁を感じました。


●杉山様から学んだこと(一部抜粋)

・普段の生活においては、その人のセクシュアリティは「目に見えない」、もしくは、「非常に見えづらい」ことが多い。LGBTQ+の当事者に「会ったことがない」と思う人もいるかもしれないが、「会ったことがない」のではなくて、実際には「気付かなかっただけ」というケースも多いはず。

・当事者にとっては、もちろん「カミングアウトしない」という方もいるが、中には、置かれている環境によって「カミングアウト」できないという方も多い。まずは、そうした現実があることを認識する必要がある。

・LGBTQ+やSOGI(Sexual Orientation and Gender Identity)というように、性の在り方を示す言葉にはいろいろな種類があり、その一つ一つを正確に理解することももちろん大切ではあるが、何よりも大切なのは、「性の在り方は本当に多様で、その人の数だけの性がある」という認識で捉えること。

・近年、スポーツの世界だけではなく、ビジネスの世界でもLGBTQ+が語られるようになってきている。一つは、「必ず社内にもいるであろうLGBTQ+の社員にとって、働きやすい職場環境を実現する。」というテーマ。もう一つは、「必ずお客様の中にもいるであろうLGBTQ+のお客様にとって、求められるサービスや商品を開発する。」というテーマ。ビジネスの世界の考え方も、少しずつ変化し始めている。


ウェルカミングアウトウィーク

●ウェルカミングアウトとは?

「Welcome」と「Coming Out」を合わせた造語で、LGBTQ+フレンドリーであることを表明する活動です。「自分はアライです」「カミングアウトもウェルカムです」と表明することで、当事者にとって安心できる環境をつくることが目的です。(※決してカミングアウトを「強制」する活動/行為ではありません。)


●ウェルカミングアウトウィークとは?

ウェルカミングアウトウィークは、アライの仲間を増やし、自身がアライであるとを表明する方法を知ってもらうことを目的としています。表明する人が増えることで、LGBTQ+当事者の心理的安全性を高めていくきっかけにしていきたいと考えていました。

10月11日は「国際カミングアウト・デー」です。この日は、世界中で自身の性的指向や、性自認をカミングアウトしたLGBTQ+当事者を祝い、セクシャルマイノリティの課題に対する認識向上を目的とした記念日です。せっかく社内でウェルカミングアウトウィークを実施するのであれば、世界中の人と一緒に盛り上げたいという思いから、今回、10月18日(月)~10月22日(金)のタイミングで開催しました。


●期間中に実施したこと

【1】毎日、アライの方に「私のアライストーリー」と題して、「自身がLGBTQ+について考えるきっかけになったこと」をグループ全社員が閲覧できるSlackチャンネルに投稿してもらいました。Visional代表の南(壮一郎)さんや、株式会社ビズリーチ代表取締役社長の多田(洋祐)さんにも投稿していただきました。

【2】10月20日(水)に、「私のカミングアウトストーリー」というテーマで、社内の当事者が自身の経験を話し、また、進行役のアライの虹リーチメンバーや参加者からの質問に答えるトークセッションを実施しました。

【2】のイベントには、約200名の社内の仲間たちが参加してくれました。また、Slackのステータスに虹色のマークを付け加えることを通して、アライであることを表明してくれる仲間も非常に多かったです。

イベント参加者に行なった「LGBTQ+についての意識変化のアンケート」の結果を見ても、今回のイベントを通して、大きく意識・行動が変わったと回答する仲間の割合が、非常に増えました。

以下、イベント参加者のアンケートのコメントを抜粋して紹介します。

・「アライだと表明すること」の重要性が、今回のイベントで少し理解できたので、積極的に発信したいと思った。また、何気ない言葉や行動の端々からもいろいろなことが伝わったり、誰かを傷付けたり、逆に勇気付けることもあるのだと感じたので、小さいことからトライしてみようと思います。

・何が正しいとか普通だとかに無意識にとらわれて生活しているなと気付きました。自分自身が何を感じて何をするかについても正直になりたいと思ったのと、同じように周りの人の価値観やセクシュアリティ、行動についても尊重したいです。

・有志で集まった皆さんがこの活動を継続、展開していっていること、素晴らしいと思います。「価値あることを、正しくやろう」という会社のバリューを体現されているなと感じます。

本当は全てのコメントを紹介したいくらい、一つ一つのコメントに感動しました。個人宛のメッセージでも数多くの方から感想をいただき、素敵な仲間に恵まれた会社だと、改めて感じました。

「虹リーチ」の目的は、社内の仲間たちに「LGBTQ+の人たちが感じる、社会にある問題を身近に感じてもらうこと」。また、社内のアライの方たちに、そのことを表明してもらうことを通して、当事者が働きやすい職場を作ることです。今回の取り組みによって、その目的の実現に、一歩近付くことができたと感じています。


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田中さんが所属するHRMOS事業部のチーム会で、
チームの仲間がアライを表明してくれている時の一枚


今後の運営に向けた想い

「家族や職場は、失ってしまったら困るため、カミングアウトが最もしにくい場所」と杉山さんがオンライン講演会の中で話してくれていました。2019年に「虹リーチ」に参加するまでは、僕も職場でカミングアウトできない当事者の一人でした。

しかし、「虹リーチ」の活動の初参加日の自己紹介の時に、思い切ってカミングアウトをしてからは、職場でもオープンにし、自分がゲイであるということを気にせずに働くことができるようになりました。

会社として「東京レインボープライド」に参加していたり、南さんや多田さんたちが「虹リーチ」の活動を応援してくれているという事実に背中を押された部分もありますが、最も大きな理由は、「虹リーチ」に参加するアライの人たちとコミュニケーションを取るなかで、「カミングアウトして大丈夫」という気持ちになれたことです。

「アライがいるから大丈夫」と思えたからこそ、ウェルカミングアウトウィーク中に開催した約200名の参加者が集まったイベントでも、自分のカミングアウトストーリーを話すことができました。また、この記事でも自身のセクシャリティをオープンにして執筆できています。

もちろん、必ずカミングアウトしなければいけないわけではありませんが、できないことで苦しんでいる人たちはきっといると思います。僕が29歳になるまでカミングアウトできずに、苦しんでいたように。職場の身近な人がアライであるということは、当事者としては非常に心強いことです。

そうした環境があることによって、自然とカミングアウトできる人が増えると思います。自分の経験からも、「虹リーチ」の活動を通して、アライの仲間を増やし、誰もが自分らしく働ける職場にしていけたらと考えています。

そして最終的には、LGBTQ+だけでなく、様々なマイノリティに寄り添えるアライで溢れる会社にしていけるように、活動を続けていきたいです。株式会社ビズリーチは「すべての人が『自分の可能性』を信じられる社会をつくる」というミッションを掲げていますが、まずは僕たちが、そうした会社をつくっていきたいと思っています。

長文となりましたが、最後までお読みいただきありがとうございます。


この記事の執筆担当者

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田中将太/Tanaka Shouta
1989年生まれ。日本大学法学部卒業。2012年、クリエイター専門の人材会社に新卒入社し、人材紹介・派遣営業・BPOの営業などを経験。2016年、青年海外協力隊に参加。南米ペルーのジャングルで、地域コミュニティに対して環境問題に対する啓発活動に従事。2018年、株式会社ビズリーチに入社。現在は、HRMOS事業部でカスタマーサクセスとして、顧客サポート・コミュニティ運営などを担当している。


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