社会の力を集約し、期待と覚悟をもってキャリアを選択し続けられる文化を創る。新卒事業部の事業部長インタビューをお届けします。
今回は、株式会社ビズリーチ 新卒事業部の事業部長を務める藤田拓秀さんのインタビューをお届けします。
新卒事業部は、OB/OG訪問ネットワークサービス「ビズリーチ・キャンパス」の運営を手がける組織です。2016年の事業の立ち上げに携わり、現在は事業部長を務める藤田さんに、これまでの事業づくりの歩みや、事業部として大切にし続けている考え方やスタンス、また、今後の展望などについて話を聞きました。
プロフィール
キャリアインフラの実現を目指す上で、「ビズリーチ・キャンパス」が担う重要な役割。
──はじめに、「ビズリーチ・キャンパス」について、藤田さんの言葉で説明をお願いします。
前提として、近年、キャリアのあり方が多様化する中で、これまで以上に正解のない社会になっていると思います。そうした中で、学生さんが就職先を選ぶ際に、実際に社会で働く社会人から話を聞くことで一次情報を収集し、その上で納得した意思決定をするためのプラットフォームが「ビズリーチ・キャンパス」です。
──続いて、新卒事業部のミッションについて教えてください。
「社会の力を集約し、期待と覚悟をもってキャリアを選択し続けられる文化を創る」というミッションを掲げています。学生さんが就職先を選ぶ際に情報収集する先は、必ずしも企業だけではないので、ここでは大学や、社会人の皆さんも含めるという意味で「社会」という言葉を使っています。
──「文化を創る」という言葉に、日本のキャリア選択の当たり前を変えていくという大きな意志が込められているのを感じます。また、この新卒事業部のミッションは、「ビズリーチ・キャンパス」の話であると同時に、株式会社ビズリーチがビジョンとして掲げるキャリアインフラの話ともダイレクトに繋がっていると思います。その接続についてはどう捉えていますか?
まず、株式会社ビズリーチとして一丸となってキャリアインフラを実現する上では、やはり、多くの人にとってキャリアの入口である就職活動への関わりは絶対に避けては通れない領域です。
また、このキャリアインフラという文脈でもう一つ付け加えると、新卒事業部は新卒採用や就職活動に向き合って事業づくりをしていますが、先ほどお伝えしたミッションでは、あえて「学生」という言葉では表現せず「ビズリーチ・キャンパス」の対象は「キャリアを選択し続けるすべての人たち」としています。
どういうことかと言うと、「ビズリーチ・キャンパス」を通じて社会に出た方は、次は自分が社会人となって、次の世代の学生さんからのOB/OG訪問を受ける側に回ります。そこで、過去に自分が上の世代の社会人に質問したように、学生さんから、自身のキャリアについて問われるわけです。「なぜこの会社に入社したのですか?」「今の仕事にどのようなやりがいを感じていますか?」「これから実現したいことは何ですか?」という学生さんからの真っ直ぐな質問を受けることで、改めて自分の仕事を見つめ直したり、今後のキャリアについて深く内省したりする機会になることも多いはずです。
──ミッションの中の「期待と覚悟をもってキャリアを選択し続けられる」という言葉の主語は、必ずしも学生様だけではないということが理解できました。
そういう意味においては、「ビズリーチ・キャンパス」はキャリアの入口だけを担うサービスではありませんし、キャリアインフラを目指す中でこのサービスが担う役割はとても大きいものであると考えています。
──続いて、「ビズリーチ・キャンパス」の歩みについて聞かせてください。2016年にサービスをリリースした際は、もちろん、ご利用いただく学生様も、企業様も、大学様もゼロからのスタートだったと思いますが、どのようにして三方を開拓していったのでしょうか?
一番最初は、まず、自分が卒業した大学に在籍する(広義の)後輩たちの就職活動に協力したいという社会人の皆さんの想いをプロダクトによって可視化する、つまり、OB/OGの皆さんにサービスに登録してもらうことから始めました。「ビズリーチ・キャンパス」は、「ビズリーチ・キャンパス for ○○大」というように大学別でサービスが分かれていて、OB/OGの方々が一定数以上集まった大学からローンチをしていきました。
当初は、「そもそもボランティアで協力してくれる社会人が集まるか」という懸念が少なからずあったのですが、もちろん全員ではなくても、例えば、毎年の卒業生の内の数%が協力してくれて、そのようにして毎年登録者が増え続けていけば累計で数万人になります。実際に、サービス立ち上げから現在に至るまで、「ビズリーチ・キャンパス」の想いに賛同して協力してくださる社会人の方々がたくさん集まっています。
──並行して、大学側が「ビズリーチ・キャンパス」を公認のOB/OG訪問サービスとして利用するケースも増え始めていますよね。
コロナ禍で、ほぼ同時期に大学公認で導入してくださったのが津田塾大学様と立命館大学様でした。立命館大学様のご担当者様は、「学生がOB/OGに会うための機会を増やしていきたい。」「そのための利便性を高めていきたい。」という想いを持たれており、「ビズリーチ・キャンパス」の構想に共感してくださったことが導入の大きなきっかけとなりました。
──導入後、立命館大学様からはどのような反響がありましたか?
OB/OG訪問の実施数が、紙で管理していた時に把握できていた件数から急増したというお声をいただきました。また、管理方法が紙から「ビズリーチ・キャンパス」に置き換えられたことによって業務の効率化が進み、学生さんのためのより本質的な施策にリソースを使えるようになったともおっしゃってくださっています。
──業務のDX的な文脈もあるわけですね。サービスを利用する学生様の登録はどのように増えていったのでしょうか?
メインは口コミで、利用している学生さんから同級生や後輩への口コミがほとんどです。「ビズリーチ・キャンパス」は広告宣伝による認知獲得ではなく、学生さんへの価値あるサービス提供にこだわることで、利用した学生さんが、周囲の同級生や、後輩の学生さんへ伝えてくれ、サービス登録学生さんが増えていきました。
人の力とプロダクトの力の掛け合わせによって、「お客様の本質的課題解決」を実現していく。
──2016年にゼロからスタートして数年が経ちましたが、現時点での事業づくりの手応えについて教えてください。
まだまだ、目指す世界を実現するためにやるべきことは多くあります。一方で、サービスが成長しているという一定の手応えも感じています。学生さんの観点で言うと、現状、関東の大学の就活生の約40%は「ビズリーチ・キャンパス」を通してOB/OGに話を聞いた上で社会に出ているんですよね。僕たちのサービスが価値を発揮できている領域が少しずつ広がっている実感がありますし、世の中の大きな流れとして、社会人に話を聞いた上で自身のキャリアについて考えること自体が今までと比べて当たり前のものになりつつあるように思います。
──これからもどんどん新しいエリアの企業様、大学様を開拓していくかと思いますが、今のフェーズとしては、勝ち筋が見えているフェーズなのか、それとも、引き続き試行錯誤しながら新たな勝ち筋を見定めている途中なのかでいうと、どちらに近いですか?
確固たる提供価値が見えているという点はあるものの、事業のフェーズとしては後者ですね。具体的に言うと、事業として拡大し続けていくためには、より付加価値の高いサービスを提供しなければならないと思っていて、そのためにできること、すべきことはまだまだあると思っています。
例えば、企業様への価値で言うと、ただ単にOB/OG訪問のプラットフォームを提供するだけではなく、その企業様の新卒採用の体制や仕組みづくりにもコミットしていくことによって「お客様の本質的課題解決」の実現に繋がることもあると思っています。また、キャリア採用の文脈で、採用担当者だけではなく現場の社員が採用活動にコミットする「現場主導」の採用が広がりつつあるように、新卒採用においても、大きな成果を出すためにはそのように現場の社員さんとも協働しながら採用活動を進めていく必要があります。
──それぞれの企業様の中に、みんなで新卒採用するカルチャーを根付かせていくようなイメージでしょうか?
そうですね。多くの企業様の中で、「強固な採用体制を構築する」「現場の社員も採用に協力する」というテーマが経営レベルで重要なアジェンダになってきていることを感じています。そういったご相談を企業様からいただき、一緒になってそのような体制やカルチャーをつくっていく形のご支援も増えてきました。
──サービスを立ち上げた2016年時点と今で比べると、新卒採用のあり方が大きく変化していると思いますが、その変化をどう捉えてますか?
とても本質的な変化だと思っています。キャリア採用に限らず、やはり採用は採用担当者だけが担う役割ではないと思っていますし、一方、学生さん側も、この数年における変化として、実際に働く社員からリアリティのあるお話を求める傾向がより強まっていると感じます。
──見方によっては、そうした時代の大きな変化が、「ビズリーチ・キャンパス」にとってさらなる追い風になるのではと感じています。
そうした流れを追い風にするためには、当たり前ですが、お客様の課題に向き合い、人の力とプロダクトの力を掛け合わせながら、お客様にしっかり価値を提供し続けていかなければなりません。
今も新卒事業部はサービスを立ち上げた時と変わらず、エンジニアやデザイナーをはじめとしたプロダクト職の仲間たちとワンフロアで事業づくりをしているので、お客様の課題を議論、整理した上で新しい機能が必要となった時は、すぐに実装に向けて開発に着手します。最近ジョインしてきたメンバーは、はじめは私たちのプロダクト開発のスピード感に驚いていましたが、こうしたスピーディーな姿勢はこれからも変わらずに大切にし続けていきたいです。
──最後に今後の展望について聞かせてください。
ご利用いただく学生さんや企業様、大学様にとって、なくてはならない存在になることを目指し、学生さんが社会人と会い、一次情報を収集し、納得のいくキャリアを自己選択するということをまずは当たり前にしていきたいです。
その先の世界では、就職活動のためだけでなく、自分自身の人生やキャリアのために社会と繋がり、内省を繰り返すことで、「期待と覚悟をもってキャリアを選択し続けられる」人が増えていくと思います。それが文化として定着することを目指して、これからも事業づくりを進めていきます。
──「ビズリーチ・キャンパス」にはまだまだ大きな可能性があると感じました。本日は、ありがとうございました。
ありがとうございました。
関連記事
この記事の執筆担当者
「All Visional」Twitterアカウントは、こちら。