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国際会議で、次々と論文を発表。AI研究の成果を開発につなげる「AIグループ」に迫る。

2016年、CTO室直下の組織として立ち上がったAIグループ。ここでは、機械学習やデータサイエンスの最先端を追求する研究開発を土台としながら、その研究成果を各事業の進化につなげる取り組みを行っています。

今回は、AIグループの立ち上げに携わり、現在はマネージャーを務める菅谷信介さんにインタビューを行い、AIグループがどのような役割を担っているか、また、組織としての今後の展望についてお話を聞きました。

※本記事は、2019年11月22日に、前身ブログ「Reach One」で公開したものを、一部編集した上で転載したものです。


プロフィール

菅谷 信介/Sugaya Shinsuke
外資系の大手ソフトウェアメーカー、ソフトウェア開発会社でプロダクトディレクターなどを歴任。2014年、株式会社ビズリーチに入社。求人検索エンジン「スタンバイ」の開発に携わり、2016年からはAIグループのマネージャーを務める。その他にも、Apacheのオープンソースプロダクトのコミッターとしての活動や、全文検索サーバFessの開発を行う。近年は、機械学習研究者としての顔も持ち、機械学習サーバApache PredictionIOの開発にコミッターとして参加している。


博士号取得者をはじめ、高い専門性を持つ仲間が世界から集まる。

──菅谷さんは、どのような経緯でビズリーチに入社したのですか?

ビズリーチの創業時から、代表の南(壮一郎)さんや取締役の竹内(真)さんとは面識がありました。2014年に竹内さんから「一緒に最高レベルの検索エンジンをつくろう」と誘われた時に、目指す志の高さと情熱に共感し、今まで培ってきた機械学習の知識を活かしたいと思い、求人検索エンジン「スタンバイ」の立ち上げメンバーに加わりました。

「スタンバイ」では検索結果の品質向上に取り組みました。HR領域においてGoogleの検索結果の品質を上回ることを目指して、エンジニアと品質向上のための取り組みを重ね、その結果、2016年2月には「Yahoo!しごと検索」(旧「Yahoo!求人」)の検索エンジンをスタンバイが提供するまでに至りました。

──スタンバイの技術力が認められたんですね。その後、菅谷さんはAIグループの立ち上げに携わられましたね。この組織が立ち上がる経緯について教えてください。

もともとは、各サービスの開発組織に、データサイエンスや機械学習を担当する社員が在籍しており、AIを活用した機能の開発は、それぞれのサービスごとに行っていました。

しかし、同じAI機能を必要とするサービスが多いにもかかわらず、別々に開発するのは効率が良くないということと、将来的に、AIの知識を持つ人材の採用・育成を強化していきたいという考えから、AIの知識を持つ社員が一つに集まるAI専門チームを立ち上げることになったんです。

──AIグループが立ち上がった当初は、何名くらいの規模だったのですか?

AIグループを立ち上げた2016年は、私を含めて5名でした。2019年11月時点では12名、2020年には16名に増える予定です。12名のうち3名は博士号の取得者で、2020年に入社する予定のメンバーを含めると博士号取得者は5名になります。

国籍も日本だけでなく、アメリカ、インド、中国、ベトナムなど、世界から専門性の高い人材が集まっています。メンバーの半数が外国籍で、ビズリーチの中でも最も多様性のある部署の一つだと思います。まだ日本語が流暢ではない社員もいるのでサポートが必要な場合もありますが、1on1で課題を汲み上げてチームで対応しています。

──そうした高い技術や知識を持つ方が、ビズリーチのAIグループを選ぶ理由について、どのようにお考えですか?

人によって考えは様々ですが、ビズリーチは自分たちで事業を作っていて、特にHR領域の多様なデータを扱っている点に魅力を感じたケースは多いと思います。

「スタンバイ」の膨大な求人データなど、他では取り扱えないようなデータを活用することができるので、分析のやりがいがあります。そうした理由で、自然言語処理の分野における豊富な知識を持つ仲間も、AIグループには数多く集まっています。

また、システム受託開発会社などがクライアント企業のデータを利用したり分析する場合は、まずデータをやりとりする際に壁が生まれてしまいますが、ビズリーチではそういった煩わしさがなく、事業側のエンジニアと連携しながら、スムーズに研究開発に打ち込めます。既存のサービスが成長を続けるなか、次々と新規事業も増えている会社なので、様々なサービスに研究成果を活かしていける点も大きな魅力だと思います。


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積極的に国際会議に参加し、次々と研究論文を発表。

──各事業部とAIグループはどのような関わり方をしているのでしょうか?

定期的に各事業とAIグループの担当者がミーティングをして、AIを使って実現したいことをヒアリングしたり、逆にAIグループからできることを提案しながら、具体的に何をしていくかを決めています。各事業部ごとに事業のフェーズもやりたいことも異なるので、コミュニケーションをしっかり取りながら、必要されているものは何かを把握することが大切です。

──具体的には、AIの技術がどのように各サービスに活かされているのですか?

例えば「ビズリーチ」や「キャリトレ」では、機械学習を求人のレコメンドに役立てています。求人検索エンジン「スタンバイ」では給与の情報が入っていない求人票について、過去のデータを元に給与を推測し推定年収を表示したり、ビジネスメディア「BizHint」では、データに基づいたユーザーのセグメンテーションを行い、ユーザーの興味や関心と役職の関連性を可視化する施策に取り組んでいます。

また、OB/OG訪問ネットワーク「ビズリーチ・キャンパス」では、データを分析して内定者とOB/OG訪問の関係を見つける研究など、データサイエンスの領域からもアプローチしています。

──AIグループでは研究・開発にも力を入れていて、論文の発表もしていますよね。

はい。任意ですが、機械学習およびデータ分析コンペや、AI、機械学習分野の最先端技術を開発するための研究プロジェクトへ参加しているメンバーもいます。

最近だと、2019年にアラスカで開催された、アメリカ計算機学会(ACM)主催のデータマイニング関連の国際会議のワークショップ「KDD(Knowledge Discovery and Data Mining)」で発表を行いました。

【発表内容】
面接官と候補者の能力を推定する研究。候補者と面接官でインタビューしたデータ群をもとに、面接官は厳しいのか、優しいのか、候補者はどのような能力があるかなどを推定して、結果を可視化しました。

その他にも、言語処理学会、人工知能学会などの国内の学会にも参加して発表を行っています。

専門性の高いアカデミックな知識を持つ仲間が多いのは、AIグループの強みでもありますね。国際会議で採択されるような新しい技術を日々研究し、常にAIの最先端の知識と技術を維持していきたいと考えているので、今後も国際会議には積極的に参加していく予定です。


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AI技術を活用して、各プロダクトを進化させていく。

──今後、AIグループが目指していきたい姿について教えてください。

ビズリーチでは、新規事業が次々と生まれています。AIグループの仲間も増え、私たちがサポートできる範囲も広がっているので、各事業との連携をより深めながら、一緒にいろいろな事業を成長させていきたいです。

例えば現在は、AIの技術を使って、オープンソース脆弱性管理ツール「yamory」をさらに進化させるための研究を行っています。 「yamory」は、最新の脆弱性情報を収集することがとても重要なサービスです。インターネット上には様々な情報が流れていますが、AIの技術を活用することで、そこからセキュリティの情報だけを抽出して、「yamory」で利用できる情報として分類するための研究を進めています。多くの情報から自動で利用可能な情報を発見できるようになれば、それが「yamory」の新たな強みとなっていくのです。

新しいサービスが世の中に出ると、一般的には競合のサービスも出てくるので差別化が必要になってきます。その差別化のための機能の開発に、AIの力を活かしていきたいと思っています。

並行して、将来にも繋がるような研究開発も引き続き行っていきたいです。例えば現在は、顧客の手書きの申込書をカメラで読み取り文字として起こすためのOCRの技術の研究や、社内の業務を軽減するための自動応答チャットボットの開発などを進めています。AIの技術の研究を進めることで、今後、素早くAIの機能を各事業や社内業務に導入していけるようにしていきたいと考えています。

──本日は、ありがとうございました。これからも、AIグループの研究成果を楽しみにしています!


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