OB/OG訪問の概念を変えたい。「ビズリーチ・キャンパス」の挑戦。
今回は、OB/OG訪問ネットワーク「ビズリーチ・キャンパス」のプロダクトマネージャーを務める二口さんに、このプロダクトにかける想いや今後の展望について話を聞きました。
※本記事は、2019年11月20日に、前身ブログ「Reach One」で公開したものを、一部編集した上で転載したものです。
プロフィール
二口 智成/Futakuchi Tomonari
富山県出身。地元の高専を卒業後、名古屋大学へ編入。卒業後、インターネット広告系のメガベンチャー企業へ入社。その後、大手IT企業へ転職し、受験用オンライン教育サービスの開発に携わる。2018年10月、株式会社ビズリーチに入社。現在は、新卒事業部で、プロダクト企画グループ、および、事業推進グループのマネージャ―を務める。
「どういう生き方をしたいのか」望むキャリアを手に入れる一歩目をサポートしたい。
──はじめに、二口さんがビズリーチに入社するまでの経緯について教えてください。
高専時代から「IT×教育」にずっと興味を持っていて、前職ではオンラインの受験教育サービスに携わっていました。ただ、受験教育サービスではどうしても高校や大学に合格することがゴールになりがちで、そのことに違和感を覚えたんです。
本来は、大学に合格することよりも、その向こう側にある「どういう生き方をしたいのか」がより重要なはず。次第にキャリア教育に携わりたいという想いが強くなり、「ビズリーチ・キャンパス」を運営しているビズリーチで働くことを決めました。
──「ビズリーチ・キャンパス」は、学生と社会人のOB/OG訪問を支援するサービスですが、このサービスとキャリア教育のつながりについて、二口さんはどのように考えていますか?
新卒で入社する会社は、良くも悪くも社会人人生に大きな影響を与えます。学生のみなさんは、会社説明会やホームページ、パンフレットなどで情報を集めて企業研究をしますよね。
もちろんそれらも重要ですが、実際に働く人の声を直接聞くことは、より深く企業を知るチャンスです。企業の採用ページには書かれていないリアルな話を聞くことで、実際に働いた時のイメージがつきやすくなるだけでなく、より自分の社会人としての将来を描きやすくなるはずです。
もちろん、企業側にとってもメリットがあります。OB/OG訪問は学生と接点を持つ大切な機会でもありますし、自社を深く理解してもらえるチャンスだからです。その一方で、OB/OG訪問におけるトラブル防止の観点から、企業として推進しづらいという声も根強くあります。
私たちはOB/OG訪問がキャリア教育につながると信じているからこそ、安心安全なマッチングの場として「ビズリーチ・キャンパス」を提供することで、もっと気軽に学生と社会人がつながれる世界の実現を目指していきたいと考えています。
大切なのは、キャリアの「選択肢」と「想像力」
──「ビズリーチ・キャンパス」を運営するにあたって、課題に感じていることはありますか?
現状、学生のみなさんの多くは、就職活動の終盤にOB/OG訪問を行うケースが多いです。2~3社に絞った後に入社する企業を選ぶ材料にしたり、選考対策を相談したりする。けれど、それってもったいないと思っています。
──もったいないと思うのはなぜですか?
選択肢を絞ってからOB/OG訪問をするのではなく、選択肢を広げ、理解を深めるための手段として、OB/OG訪問を活用して欲しいと思っています。
例えば「自分は◯◯大を出ているのだから、国家公務員か外資系コンサル、商社を目指すのが当たり前」といったような先入観に引っ張られて、最初から選択肢を絞り可能性を狭めてしまっている学生の話をよく聞きますが、本当にもったいないなと感じます。 業界や企業のイメージだけで選択肢から外していたけれど、深く知ることで実は自分にピッタリな会社だと気付いたという例も意外と多いのです。
私はよく、キャリアの「選択肢」と「想像力」の両方が重要だと言っています。キャリアの「選択肢」は先にお伝えしたとおり、就職活動を行うなかで情報収集をすればある程度見つけることができます。
でも、学生のみなさんは社会人経験がないため、どうしてもキャリアの「想像力」が欠けてしまう。選択肢があってもその仕事をありありと想像できないと、最終的には企業名やイメージで選ぶことなってしまいがちです。そのため、社会人に実際の働き方を聞いて、自分のキャリアを思い描くための材料を集めることが大事だと思っています。
だからこそ、もっと気軽にできるだけ早くからOB/OG訪問を活用して欲しい。さまざまな業界で活躍する社会人の話を聞き、選択肢を広げて、将来なりたい自分に近づくためのキャリアを考えて欲しいと強く願っています。
ただ、学生のみなさんに考えを押し付けることはできません。私たちができることは、採用イベントでキャリアを考えるためのきっかけ作りや、学生のみなさんが早期からOB/OG訪問をしやすくする環境作りだと考えています。おせっかいかもしれませんが、その結果として、後悔なく納得した上で、どの会社に入社するかを選択して欲しいと思っています。
──イベントなども開催しているのは、そういう理由があったのですね。
はい。実際に、もともと興味を持っている業界や企業の話を聞きたくてイベントに訪れた方が、たまたま違う業界の話を聞き、その業界にも興味を持つというケースがとても多いです。
私たちは、学生のみなさんにできるだけ多くの「選択肢」に触れてほしいと思っているので、イベントを開催する際は、一つのイベントに対してできるだけ異なる業界の企業様に参加していただくようにしています。
もともと知らない企業だったとしても、目の前で社会人の先輩が語る言葉にはパワーがありますから。イベントをきっかけに視野が広がると、もっと調べてみようと実際のアクションにつながるんですよね。
──その他、もっと気軽にOB/OG訪問してもらうために、どのような施策を進めているのでしょうか?
2019年9月に開始した「オンラインOB/OG訪問」は日経新聞など多くのメディアに取り上げられ、大変注目していただいています。
リアルで会うよりもオンラインのほうが緊張しないという声もありますし、移動にかかる時間や費用の負担が減るので、お互い効率的にOB/OG訪問することができます。実際に「オンラインOB/OG訪問」を使ってアメリカの駐在社員の方と日本の学生がOB/OG訪問したり、中国へ留学中の学生が日本の企業の方にOB/OG訪問したりしています。
就活のあり方が変わる今、OB/OG訪問の新しい「当たり前」を作りたい。
──「ビズリーチ・キャンパス」は、どのような体制で開発・運用しているのですか?
「ビズリーチ・キャンパス」を企画・運営する新卒事業部は、プロダクト開発、ビジネス開発(法人営業)、カスタマーサクセスと大きく3つに分かれており、2019年11月の時点で、合わせると50名ほどの社員が働いています。その中で私は、プロダクトマネージャーとしてプロダクト開発を担当しています。
新卒事業部に限らず、会社全体にいえることですが、ビズリーチはプロダクトとセールスの関係がとても良いと感じています。お互いの意見を尊重し合いながら、一緒により良いものを作ろうという意識が双方に高い。これは、プロダクト開発が内製であることも大きく影響していると思います。
私自身、入社を考えるまでビズリーチがプロダクトを内製しているイメージを持っていませんでしたが、実はビズリーチには、エンジニアやデザイナーが300名以上在籍しており、スピード感を持ってプロダクト開発を進めています。
また、新卒事業部では開発手法にスクラムを導入しています。そのため、トップダウンで決まったものを開発するのではなく、必要があればビジネス開発(法人営業)職の仲間も交えて、課題からソリューションまでを一気通貫で考え、ワンチームで開発することもあります。それぞれの得意分野や観点を交えながら、本質的かつ効率的にユーザーの課題解決に取り組めることも、内製の醍醐味ですね。
──今後、「ビズリーチ・キャンパス」をどのようなサービスにしていきたいと考えていますか?
前提として、これから新卒採用領域は、より大きく変化していくと考えています。なぜなら、就活ルールの見直しに伴い就活の早期化が進んでおり、採用担当者の1学年あたりの対応期間が延びているからです。その結果、3年生の選考をしながら2年生の選考のための準備活動を並行して実施しなければならず、採用担当者の負担は増え続けています。
解決策の一つとして、採用担当者以外の社員が今以上にOB/OG訪問を通じて採用活動に協力することが考えられます。そうなった時に、「ビズリーチ・キャンパス」がその支援を十分にできるよう、サービスを進化させていきたいです。
──具体的にはどのような施策を考えていますか?
例えば、インターネット上でインタラクティブな会話を社会人と学生が1:Nで行えるオンライン座談会や、志向性・性格に合わせたOB/OG訪問のレコメンドなど、実現したいことはまだまだたくさんあります。
ただ、そのためには、もっと多くの仲間の力が必要です。だからこそ、一緒にOB/OG訪問の新しい「当たり前」を作る仲間を切実に求めています。この記事を読んで、少しでも「ビズリーチ・キャンパス」やビズリーチのプロダクト開発に興味を持っていただけたら嬉しいです。
──「ビズリーチ・キャンパス」のさらなる進化を楽しみにしています。本日は、ありがとうございました!
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