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Visional、物流業界へ。新たな仲間と共に、物流の未来を創る。

2020年2月25日、物流データプラットフォームを運営するトラボックス株式会社が、Visionalグループに加入することを発表しました。 

この記事では、出会いのきっかけや今後のビジョンについて、トラボックス株式会社・代表取締役の吉岡と、ビジョナル株式会社・代表取締役の南の対談インタビューをお送りします。

※この記事は、2020年2月25日に、Visionalの旧・企業ブログ「Reach One」で公開した記事を転載したものです。


「物流業界の未来を一緒に創りたい」同じ志を抱く南と吉岡の出会い

──Visionalが、物流業界に新規参入というのは意外に思われる方もいると思うのですが、そもそも二人の出会いのきっかけは何だったのでしょうか?

吉岡:TRABOX(トラボックス)は、運送会社や荷主の「荷物を運んでもらいたい」「荷物を運びます」という運送データを一つのプラットフォームでマッチングすることで、お客様の利便性向上を目指して、20年間運営してきました。

この業界には本当に様々な課題があると身を持って実感しています。

例えば、最近最も業界で問題視されているのが、ドライバー不足です。以前のようにドライバーになりたいという方が減り、高齢化も進んでいます。金銭的な条件や労働環境、イメージなど、仕事としての魅力が低いことが明らかな原因です。

そして、この人手不足の根本的な要因は、業務のIT化が他の業界に比べてかなり遅れていることです。例えば、ホワイトボードで配送を管理していたり、電話やファックスだけでやり取りをされていたりするお客様もまだたくさんいます。業界全体の生産性を上げない限り、お客様の利益水準も上がりません。そしてその利益を、事業の生産性を上げるために、また人が働きたいと思うような環境を整備するために投資しない限り、業界構造は本質的に変わりません。今のままでは、物流業界が「負のスパイラル」から抜け出せないと考えています。

我々も、お客様同様、未来に向けてテクノロジーや新しい仕組みに投資したかったのですが、残念なことに、自分たちでは力不足でした。ここ数年は20年前とは違い、IT技術の進化スピードが速くなり、ビジネスモデルの選定も難しくなり、同時に、新しいスタートアップも我々の世界へ参入しはじめています。このようななか、お客様のために自分たちが生き残らなければならない、そして、このままでは、物流業界と共倒れしてしまうかもしれないという危機感も数年前から感じていました。

そのため、テクノロジーを駆使して、業界を変革する志をともにできるパートナーを1年ほど前から探しはじめました。そのなかで紹介されたのが南さんでした。

南:僕自身、5年程前からビズリーチ事業の運営を新経営チームに任せ、求人検索エンジンの「スタンバイ」や人材活用クラウド「HRMOS(ハーモス)」などのHR Tech領域の新規事業のみならず、事業承継M&Aプラットフォーム「ビズリーチ・サクシード」やオープンソース脆弱性管理ツール「yamory(ヤモリ―)」という、HR Tech領域以外で、社会の課題を解決するための事業をゼロから立ち上げてきました。

僕は新規事業を立ち上げるのが大好きです。事業こそが世の中を変革するドライバーであり、起こしたムーブメントを通じて社会に貢献できることこそが自分の仕事の本分だと思っています。社会の大きな流れを観察しながら、次の新たな課題解決の領域を探し、事業計画に落とし込み、そしてゼロからその計画を実行していくことが、当グループにおける自分の一番の役割だと思っています。

個人的には、一昨年くらいから物流業界に注目をしはじめました。物流業界は、様々な産業を支える、国の経済インフラのような存在であるにもかかわらず、業界全体の生産性がなかなか上げられていない。国のレポートをいくつか読んでも、多くの問題に直面していて、苦戦する姿が率直にもったいないと感じました。

同時に、デジタル・トランスフォーメーションという言葉をよく耳にするようになりました。たとえば、経済産業省の「デジタル・トランスフォーメーション・レポート」でも、物流領域はIT化が遅れており、「企業の生産性を落としている可能性がある分野」と記載されています。社会を支えるインフラのような産業の生産性が上がらないということは、結果的に国全体の生産性が向上せず、国力が弱まっていくと僕は考えています。

そのような課題意識を持ちながら、物流業界の様々な方とお話をするなかで、吉岡さんを紹介いただきました。

──お互いの第一印象はいかがでしたか?

吉岡:僕は経営者として、これまで何千人もの経営者とお会いしてきましたが、南さんは、これまで会った誰よりも、「強い」志をもった人という印象でした。ひとつひとつの言葉に意思があり、目力も強い(笑)。また最初は何の予備知識もなく会っていたので、打ち合わせを重ねていく際に、南さんの著書二冊を読みました。本当に、本の中に書いてある人そのままで、「まっすぐ」な人だと感じました。そして、この人となら、物流業界の未来を「一緒に創ってみたい」と強く思うようになりはじめました。

南:初めて吉岡さんにお会いして、物事を「本質的」に捉える方との印象を受けました。これまでのご自身や事業の歴史を聞きながら、お客様の課題や自分達の事業の立ち位置をきちんと構造で理解された上で、課題解決を目指されているという点に共感しました。そして何より、お客様に向きあいながら、20年間もの期間を、愚直にコツコツ事業を創り上げてきた実行力に対して、素直にリスペクトを感じました。

我々が大切にしているVisional Wayに掲げている、「価値あることを、正しくやろう」「お客様の本質的課題解決」というバリューをまさに体現されてきた方であり、経営に対する根本的な価値観の部分において吉岡さんと合致することが多かったです。吉岡さんの経験とお客様との信頼、そして我々の強みであるテクノロジーや仕組み創りの力をかけ合わせることができるならば、物流業界のお客様の課題解決を深め、未来に向けた新しい可能性を一緒に創っていけるのではないかと、話をしていくなかで感じるようになりました。


新生TRABOXとして、物流の、そして日本の未来を変えていく

──パートナーシップを組むことになった決め手はなんでしょうか?

吉岡:一番心を動かされたのは、これまでの我々の20年間を温かく認めてくださった上で「一緒に日本の未来を創りましょう」という言葉をかけてくれたことでした。僕はとにかくお客様のためにという一心で、20年間、ひたすら運送会社や荷主の皆様のことをみつめながらTRABOXを運営してきました。そこに、「物流業界の変革を通じて、日本の産業構造を変える」という、私には到底思いもつかないような、一本筋が通ったことを言われていて、大変感銘を受けました。そして率直に、この人と一緒にお客様のために頑張ってみたいと思いました。

また、同じように10年前、マンションの一室で始まったビズリーチの創業の話と重なる部分がたくさんありました。そんな南さんだからこそ、TRABOXが積み重ねてきた歴史を大切にしてくれそうだと感じたのも大きかったですね。

僕は、パートナーシップを組むとしても、お客様にご迷惑をおかけすることだけは絶対に避けたいと思っていましたので、すぐにはこれまでの形を変えずに、今の事業の形を活かしながら、引き続きお客様に向き合ってやっていけると安心できたことは、大きな決断材料でした。

南:TRABOXと吉岡さんは、20年という月日をかけて、全国のお客様から厚い信頼を得てきました。事業内容やこれまでの歴史を一緒に辿ることにより、地道にコツコツと丁寧に事業を創り上げ、信頼を築いてきたこと事実こそが、大きな決断をできた理由でした。

その背景にある、お客様の課題に向き合う姿勢、また実行力など、中長期的な視点に立った上での事業づくりも素晴らしいものを見させてもらいました。たとえば、TRABOXは、オンライン上で展開するデータプラットフォームですが、吉岡さんは、お客様が直接つながるオフラインイベントを20年来、全国で開催し続けています。イベント運営は、準備の手間や時間がかかりますし、効果もわかりにくい地道な活動です。発想して言葉で言うのは簡単ですが、やり続けるには相当の胆力が必要です。「行動は優先順位を表す」というガンジーの言葉が僕は大好きなのですが、まさにお客様を大切にする姿勢を、行動でしっかり表現されていたことに、大変感銘を受けました。

──最後に一言、メッセージをお願いします。

吉岡:ここ数年、このままでは「なくなってしまう」という危機感の中でTRABOXを運営してきました。生産性が上がらず、苦しむ物流業界やお客様を目の当たりにしながら、自分たちの未来にも不安を覚えていました。今回、Visionalグループの一員になり、新しい仲間たちの顔をみて、未来への景色が一気に広がり、自分自身、TRABOXが創り出す新しい可能性に強い自信を持てるようになりました。20年頑張ってきて、南さんとこの瞬間をともに迎えられ、本当によかったと心の底から感じています。

これまで同様、「お客様のために」という想いは強く思っています。そして、今回のM&Aは必ずお客様のためになったということを証明していきます。この約束を忘れずに、今後は「日本の物流を変えていく。そして、日本の未来を支える。」という大きな志を私自身も持って、TRABOXを成長させていきます。

Visionalグループの皆さん、どうぞ宜しくお願いします!

南:トラボックス株式会社の新しい仲間たちとともに、あらゆる産業のインフラである物流業界の新しい可能性を描き、社会全体の生産性向上に寄与できるよう尽力します。

この約束を実現するため、テクノロジーや新しい仕組みを積極的に投資していきます。早速ですが、吉岡さんを中心とした新生トラボックスの経営チームに、株式会社GA technologiesで執行役員CTOを務めた経験をもつ石田雄一さんに加わってもらったように、人財面もどんどん投資をしていきます。トラボックスにご興味ある方は、ぜひご連絡ください。

また、Visionalでは、引き続き、HR Tech以外の事業領域において、産業やビジネスの生産性向上を支えられる新しい事業づくりを続けていきます。その一環として、ゼロからの事業立ち上げ以外にも、M&Aも積極的に検討していきます。10年後、想像もできない姿になっていく進化過程をどうか楽しみにしていてください。

吉岡さん、トラボックスの皆さん、改めてこの度は、Visionalグループの一員になってくださり、本当にありがとうございます。


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