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HRMOSで「働き方」を科学する。ピープルアナリティクスグループの挑戦。

2020年11月に開催された「Digital HR Competition 2020」において、Visionalグループが、ピープルアナリティクス部門のファイナリストに選出されました。

今回は、このコンペティションにおいて発表を行った友部博教さん(人事本部 タレントマネジメント室 ピープルアナリティクスグループ)に取材を行い、Visionalグループのピープルアナリティクス施策(以下、PA施策)について話を聞きました。

※本記事内の写真の撮影は、ソーシャルディスタンスを保ちながら行いました。


プロフィール

友部 博教/Tomobe Hironori
2004年、東京大学大学院で博士号(情報理工学)を取得後、名古屋大学、産業技術総合研究所で、コンピューターサイエンス領域の学術研究に取り組む。その後、2008年より、東京大学で助教として研究・教育に携わる。2011年、株式会社ディー・エヌ・エーに入社して、アプリゲームやマーケティングの分析部署のマネジメントや、人事にてPA施策を担当。その後、株式会社メルカリにて、人財・組織開発部門でPA施策を担当。2019年11月、株式会社ビズリーチに入社。現在は、人事本部でPA施策を担当しながら、HRMOSの開発にも携わっている。


「人」について探求するために、アカデミックの世界からIT業界へ。

──はじめに、これまでの経歴について教えてください。

27歳の時、東京大学大学院で情報理工学の博士号を取得した後、アカデミックの世界でコンピューターサイエンス領域の研究に取り組んできました。その後、東京大学で助教として研究・教育に携わった後に、34歳の頃に株式会社ディー・エヌ・エー(以下、DeNA)に入社しました。

DeNA では、それまでの7年間、研究を通して培ってきた知識を活かして、ゲーム事業のデータ分析や、KPIを可視化しPDCAを高速に回すための仕組み作り、分析チームのマネジメントなどを経験してきました。

──アカデミックの世界で研究を続けてきた友部さんが、DeNAへの転職を決めた理由について教えてください。

もともと私は、「人とは何か?」「人間らしさとは何か?」というテーマに強い興味を持っていて、大学院では、AIに関する研究の一環として、人間の知性や感情について調べていました。そういった背景があり、アカデミックの世界から事業会社への転職を考えていた時は、「人」について探求するうえでのデータが集まる企業で働きたいと思っていました。

いろいろな企業について調べたのですが、例えば、eコマース領域においては、人は行動をする際、安さや商品が届く速さなどの合理性をもって判断するので、そこに人間らしい感情はあまり介在しないと考えました。また逆に、SNSサービスは、「自分が他人にどう見られたいか」という社会性が介在するため、当時最も強い興味を持っていた「ありのままの感情」というテーマとは相いれないのではないかと思いました。最終的に、人のリアルな喜怒哀楽の感情がデータとして可視化されるゲーム事業に興味を持ち、DeNAへ入社を決めました。

──実際に、DeNAで働いてみて、どのような学びや気付きがありましたか?

私自身、それまでずっとアカデミックの世界に身を置いていたので、事業会社であるDeNAでの日々は、毎日がとても刺激的でした。私にとって、サービスの運営を通して、自分たちが立てた仮説の答えが即座にマーケットから返ってくるプロセスがとても新鮮で、これこそまさに事業会社における働きがいだと思いました。

その後、2017年に、もともと強い関心を持っていた人事の仕事に携わりたいと思い、希望を出して人事部へ異動し、PA施策に取り組み始めました。

──人事部への異動を希望したのは、やはり「人」について探求し続けたいと考えたからでしょうか?

はい。数年間、ゲーム事業に携わるなかで、ゲームをプレイする人の感情を科学する取り組みについては、一定の達成感を得ることができたと思っています。だからこそ、別の領域に挑戦したいと考えていました。その当時、チームのマネジメントを担当していたこともあり、次第に「人」と向き合う人事の仕事に興味を持った、という経緯です。

人事部に異動してからは、ピープルアナリティクスグループの立ち上げを行い、一年半ほど、様々な施策に取り組んできました。その後、メルカリへ転職し、人財・組織開発の部門で、同じようにPA施策を行ってきました。

──ビズリーチに転職を決めた経緯について教えてください。

DeNA、メルカリでの経験は、自分自身にとっても非常に貴重なものとなりましたが、その一方で、(特定の会社の)人事部の中だけでデータ分析を行うことに限界も感じていました。というのも、会社内の人事データを扱うなかで、どこまでの特性がその会社の独自的なもので、どこからが世の中の人事データとして普遍的なものか、解釈するのがとても難しいと感じたからです。

だからこそ次は、人事関連のサービスを提供している会社を軸に、新しい挑戦の場を探していました。そんなタイミングで、ビズリーチで働く知人に声をかけてもらい、話を聞きにいきました。

HRMOS事業部の社員に会って話を聞くなかで、ビジネスサイドと開発サイドがお互いをリスペクトし合うカルチャーが浸透していることを知りました。話を聞くなかで、少しずつ、「そうした事業部の人たちと一緒にプロダクトを進化させていきたい」「HRMOSを広めることを通して、世の中における人事領域の課題の解決に挑戦したい」という想いが強くなりました。

また、単一のHRサービスのみならず、様々な領域で複数の事業を展開している点に惹かれました。なぜなら、そうした会社であれば、きっと多様な人たちが集まっていて、その人事部門の中でPA施策に取り組むことで、これまではできなかったような新しい挑戦ができると考えたからです。そして、2019年11月に入社しました。

──ビズリーチに入社して、何か感じたことはありましたか?

言葉で説明するのが難しいのですが、「いい人」、もっというと、「素直な人」が多いと思いました。PA施策を進めるうえでは、社員にサーベイの協力をお願いする機会が多いのですが、快く回答してくれる人がとても多く、実際に非常に高い回答率が出ています。

また、Visionalグループの仲間たちに共通するポイントとして、何か新しいことに挑戦するうえでの「実行力」が非常に強い、ということです。はじめは、仲間たちの動き出しの速さに圧倒されました。誰かの提案に対して、前向きにサポートしていく文化があり、強い想いをもって仕事に取り組む人にとっては、とても良い環境だと思っています。


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一つ一つのサーベイを「線」でつなぎ、課題解決に活かす。

──ここから具体的に、VisionalのPA施策について聞いていきたいと思います。はじめに、現状として、世界、もしくは日本の企業のピープルアナリティクスの取り組みはどこまで進んでいるのでしょうか?

既に海外には、データを活用した人事施策を推進している企業が多く、その中でもGoogle様は最先端の取り組みを行っていると思います。それぞれの人事施策において、どのようなPDCAサイクルを設計しているかをオープンにしており、実際に人事施策がビジネスに与えた好影響についても数値としてレポートが公開されています。

日本でも、「Digital HR Competition 2020」においてファイナリストに選出されたLINE様、三菱ケミカル様や、グランプリに選ばれたソフトバンク様のように、データの可視化を進め、各人事施策のPDCAを回し始めている企業が少しずつ増え始めています。私たちVisionalグループも、HRMOSを活用しながら、人事データを分析するための基盤を整備したうえで、人事施策のPDCAを回しています。

──コンペティションでは、「組織と社員のコンディションをタイムリーに可視化する3つのサーベイ」という発表を行っていましたよね。

はい。組織と社員のコンディションをタイムリーに可視化し、人事施策の改善につなげる3つのサーベイとして、実施している以下の施策について発表しました。

●1minute check
 社員の仕事への取り組み具合を把握
●V-BASE(Visional Biannual Action-oriented Survey for Employee)
 組織コンディションを把握
●在宅勤務時コンディションチェック
 在宅勤務時における社員のコンディションを把握

一般的に、人事として何かしらの施策を行う際、目の前にある課題のみにフォーカスしてしまうことがよくあると思っています。そのように、一つ一つの課題に対して施策を行うことは決して無意味なことではありませんが、「木を見て森を見ず」という状態に陥ってしまい、結局何のための施策だったのか分からなくなってしまうことは、私の経験上多いと思っています。

だからこそ、個人と組織、また、エンゲージメント、コンディション、体調などの各項目を満遍なく網羅するために、この3つの施策を設計して、会社全体の課題を俯瞰してみるようにしています。

また、それぞれの施策を行ううえでは、各サーベイを”点”にせず、“線”として体系的にしてつなげるようにしています。

──「“点”を“線”につなげる」とは、具体的にどのようなことを指しているのでしょうか?

PA施策を行ううえで一番大切なのは、「課題を解決すること」です。だからこそ、「アクションする」ことを目的として、PDCAサイクルを設計しています。取得したデータをどう分析し、誰にフィードバックし、どのようなアクションを行うのか。また、そのアクションの効果測定をどのように行うか。それぞれのサーベイについて、サーベイの実施からアクションまで高速で行うことを一番の目的としています。

もし、「データありき」の考え方だと、その時点で取得可能なデータの可視化を行うことはできますが、その先のアクションに移すことはできません。しかし、「課題ありき」で考えることで、現状を把握するうえでどのようなデータが必要か、建設的に施策を進めることができます。場合によっては、手元にないデータを集めることが必要になるかもしれません。

例えば、「バリューを浸透させたい」という課題があったとします。その時、まずは現状把握として、「どれくらいバリューが浸透しているか」を計る必要がありますが、そうしたデータは存在しなかったとします。そうした時に、「Slack内にバリューを表すスタンプを作る」「全社員に実施する社内オンラインイベントのアンケートに専用の項目を設ける」ことで、極めて曖昧と思われていたバリューの浸透度を数値として可視化することができるようになります。

このように、新しくデータを「デザイン」することも、私たちの仕事の一つです。

──PA施策を進めるうえで、どのようにHRMOSを活用しているのでしょうか?

課題の抽出、現状把握をするうえでは、予め、様々な人事関連の情報を整理しておく必要があります。私たちは、HRMOS上で、入社時に取得する基本情報や異動情報、勤怠データをはじめ、各社員に関するデータを一元的に管理しているため、工数をかけずに、スピーディーに施策の立案を行うことができます。

また、V-BASEはHRMOSの「組織診断サーベイ」を利用しており、以前に比べ、サーベイを実施する工数自体も大きく下がっています。


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人事の立場から、HRMOSシリーズの開発にコミットし続けていく。

──友部さんは、もともと「人事サービスを運営している会社」への転職を希望して、ビズリーチへ入社しましたが、実際に、この1年間を振り返ってみて感じたことはありますか?

やはり、人事として働きながらも、HRMOS事業部の仲間と一緒にプロダクトを進化させていくことに、とても大きなやりがいを感じています。改善の具体例でいうと、例えば、現状、Googleフォームを用いて行っている「在宅勤務時コンディションチェック」を、将来的にHRMOSの機能として実現することができるようになれば、更にデータ分析やアクション実施のスピードが上がっていくと思っています。PA施策とプロダクト開発が、両輪として回っていく感覚は、間違いなく、これまで味わったことがないものでした。

また、日々の気付きや学びをHRMOS事業部に共有し、プロダクトへ反映させていくことは、人事で働く人たちにとって、大きなモチベーションになると思っています。Visionalの社員に向き合いながら、同時に、事業にコミットすることを通して、世の中全体の人事領域の課題解決に貢献することは、とてもかけがえのないことだと思います。

HRMOSは、日々進化を続けていますが、このプロダクトには、まだまだ大きな可能性があると信じています。だからこそ、さらに事業部へ歩み寄っていくことが大切であると思っています。

──最後に、友部さんが、これからVisionalグループで実現したいことについて教えてください。

「働き方」の分野は、まだまだ科学できると思っています。だからこそ、人事本部やHRMOS事業部の仲間たちと一緒に、これからも探求を続けていきたいです。

また、私は現在44歳なのですが、年齢に囚われずいつまでも新しいことに挑戦し続けたいという想いもあります。そのためにも、Visionalのバリューにあるように「変わり続けるために、学び続ける」姿勢を大切にしています。この会社には、様々な領域の課題解決に取り組む、多様な人たちが集まっており、そうした仲間たちから学べることは非常に多いです。何より、自らの意志次第で、いくらでも挑戦の機会を創出できる環境だと思うので、これからも取り組み続けていきたいです。


この記事の執筆担当者

松本 侃士/Matsumoto Tsuyoshi
1991年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2014年、音楽メディア企業に新卒入社し、音楽雑誌・ウェブサイトの編集や、採用などを経験。2018年、株式会社ビズリーチへ編集者として入社。現在は、人財採用本部・採用マーケティンググループで、「ALL VISIONAL」の運営などを担当している。


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