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新規事業から組織まで。あらゆる「デザイン」に挑戦したインハウスデザイナー8年間の歩み。

今回は、株式会社ビズリーチのデザイン本部 デザイン・ブランディンググループのマネージャー、および、Assured事業部のデザイナーを務める戸谷慧さんに「パーソナルヒストリーインタビュー」を行ないました。

これまでのキャリアを振り返りながら、戸谷さんが大切にしている価値観や信条に迫りました。


プロフィール

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戸谷 慧/Toya Satoru
株式会社ビズリーチ デザインプログラムマネジメント室 デザイン・ブランディンググループのマネージャー。2014年に新卒入社。求人検索エンジン事業の立ち上げにおいて、UIデザイン、UXデザインを担当した後、プロダクトオーナーとして開発を推進。2018年8月より、デザイン戦略組織にて、デザイン・ブランディング業務に従事。現在は、新規事業「Assured」のサービスデザインも担当。


デザイナーとして事業の成長にコミットし続けたい。

──はじめに、戸谷さんがデザインの世界に興味を持ったきっかけについて教えてください。

中3か高1の時に、建築士の父親の知り合いのグラフィックデザイナーの方にお会いしたのが最初のきっかけです。その方の展示やイベントに遊びに行って、そこでVJ(ビデオジョッキー)やグラフィック作品の展示を見て、漠然と興味を持ちました。それから、その方の事務所に遊びに行かせていただくなかで、少しずつデザインの世界に興味を持っていきました。

高校の時には、お年玉貯金でMac Bookを買って「Adobe Illustrator」をいじったり、また、エンジニアリングに興味を持っていた兄からHTMLやCSSについて教えてもらいながら、少しずつデザインの奥深さを知っていきました。その頃から、デザイナーという仕事にぼんやりと興味を持ち始めていましたね。

──大学時代は、どのようなことに打ち込んでいましたか?

一般大学の表現工学科で、デザインや、いわゆるメディアアートのようなことを学びながら、デザイン関連のアルバイトやインターンに打ち込んでいました。それまでは趣味だったデザインが仕事になると実感できたのが嬉しくて、いろいろな会社でデザインの経験を積んでいきました。

最初はアルバイトとして、学生向けフリーペーパーのデザインを担当しました。あまりデザイナーが多くない環境だったので、いろいろな役割を任せてもらえました。この時に、デザイナー以外の人たちと協働しながらモノづくりすることの面白さを知りました。

その後は、兄の教えでHTMLを多少書けたりしたので、お声がけいただいた企業のホームページ制作を担当させていただき、いわゆるWebデザインの世界に入っていきました。HTMLをコピペすればある程度しっかりしたデザインのページを量産できるような仕組み、最近で言うとブーストラップのようなものも作ったりもしましたね。

また、社会人が週末に集まってサービス開発をするような草ベンチャーに、デザイナーとして参加させていただいたこともありました。そこでは、それぞれに強みを持つプロフェッショナルな方々と一緒にサービスをつくる面白さを味わうことができました。アルバイトやインターンという枠を越えて、学生時代からいろいろな経験を積ませてもらえたことは、とてもありがたかったですね。

──大学卒業後のキャリアとしてビズリーチを選んだ理由について教えてください。

それまでのアルバイトやインターンの経験があったので、社会人になってからも同じようにIT業界の事業会社でインハウスデザイナーとして働きたいと思っていました。その中でいくつかの企業を見たのですが、ビズリーチと初めて出会ったのは、知り合いづてでピザパーティーに参加した時でした。

いろいろなデザイナーの社員とお話しさせていただいて、課題解決を一番の目的とするビズリーチのデザインの考え方を知り、そうしたロジカルなデザインに共感しました。その後、当時在籍していたデザイナー全員とお話しする機会をいただき、そうした考え方がこの会社に深く浸透していることや、会社としてデザインを非常に重んじていることが伝わってきました。

また、いろいろな職種の社員のお話を聞くなかで、この会社であれば、デザイナーとして働きながら、事業を大きくグロースさせていく経験を積むことができると感じました。学生時代にアルバイトやインターンとして携わっていたサービスの中には、上手くグロースしなかったものや撤退したものもあり悔しい思いをしたこともありましたが、だからこそ、当時300名規模で勢いよく事業が成長しているこうした会社で、事業づくりについて学んでみたいという気持ちもありました。

最後の決め手は、南(壮一郎)さん(Visional代表)の「既に大きな会社に入るよりも、自分たちで将来世の中に大きなインパクトを与えるような事業をつくっていくほうがワクワクしないか?」という言葉でした。実際に今、入社してから8年が経ち、あの時の言葉が少しずつ現実になり始めていて、あの時、南さんの言葉を信じて入社を決めて良かったなと思っています。


様々な経験を経て、再び新規事業の立ち上げに挑む。

──続いて、入社後のキャリアの変遷について聞かせてください。

1ヶ月間の新卒研修が終わった4月末に、当時、「スタンバイ」の立ち上げをリードしていた竹内(真)さん(ビジョナル株式会社 取締役 CTO)から、「新しいサービスの立ち上げを考えているんだけど、デザイナーとして挑戦してみない?」という提案をいただき、スタンバイ事業部にジョインしました。

主務として「スタンバイ」に携わっていた4年の間で、WebサイトとiOSアプリ、AndroidアプリのUIデザインからUXデザインまで網羅的に経験させていただいて、また、プロダクトオーナーとして挑戦する機会もいただきました。

単にプロダクトをデザインするだけではなく、私より年齢もキャリアも上のメンバーからの意見を取りまとめて、サービス全体を広く俯瞰しながら「事業をデザインする」経験をさせてもらえたことは、すごくありがたかったなと思っています。

ただ一方で、プロダクトオーナーとして、エンジニアやビジネス開発のメンバーと一緒に事業計画を推進していくなかで、デザインの領域から離れすぎてしまって、自分の軸足はデザインにあると感じる局面も増えてきました。

当時の事業長であった多田(洋祐)さん(株式会社ビズリーチ 代表取締役社長)やCDOの(田中)裕一さん(株式会社ビズリーチ 執行役員 CDO)とお話しするなかで、「将来的に広義のデザインを実現できるようなデザイナーになるために、一度、デザインを活用した組織づくりについて学びませんか?」という提案をいただき、デザイン戦略室に軸足を移しました。

──デザイン戦略室では、デザイン・ブランディンググループ(Visionalのデザイン組織における広報活動を担う組織)の立ち上げや、並行して、新卒デザイナー採用にも携わっていましたよね。それまでのプロダクトデザインとは大きく異なる仕事だと思いますが、異動を経て感じたことなどはありますか?

今から振り返ると、「スタンバイ」でプロダクトオーナーとして取り組んでいたことも、広い意味でのデザインだったと理解することができました。それはやはり、異動して別の観点からデザインの奥深さを知ることができたからこそで、デザインの捉え方が自分の中で拡張されたような感覚があります。

一つ例を挙げると、デザイン・ブランディンググループの取り組みの一環で、デザイナーのインタビュー記事を作ったりするのですが、その制作過程で、「私の思っていたこと綺麗に言語化してくれてありがとう」と言われることが多く、これも一つのデザイナーの役割かもしれないと学びました。

また、チームで何かプロジェクトを進める時に、みんなが「おや?」と思っていることを、図解やテキスト、簡単なUIプロトタイプとして整理して出してあげることで、それをベースにして議論が進み、チームとして前進し始めることもありました。

このようにチームのコラボレーションを後押しすることも、デザイナーの役割の一つだと思っていて、こうした捉え方ができるようになったのは、自分のキャリアにとってすごく大きなことだと思います。

──デザイン・ブランディンググループは、Visionalのデザイン組織の広報的な役割を担うと同時に、その前提として「VISIONAL DESIGN」のブランドを定義するという役割もあると思っています。

そうですね。「We DESIGN it.」というデザイン・フィロソフィーを形にしていく過程では、裕一さんや三井(拓郎)さん(デザイン本部 コミュニケーションデザイン室 室長)、当時のデザイン・ブランディンググループのメンバー、採用マーケティンググループのメンバーを中心に全デザイナーを巻き込んでいきました。振り返れば、あのように、みんなの意見を一つにまとめていく過程こそが、私たちが組織として大切にしていくべきものであると感じています。

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「We DESIGN it.」が完成したことで、私たちが大切にしている考え方や価値観が社外に広く伝わり、そこから大きくデザイナー採用が加速していったので、デザイン・ブランディンググループにとって、とても大切なプロジェクトとなりましたね。

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当時の社内表彰式で、
優秀チーム賞を受賞した時の一枚

──2021年8月からは、新規事業「Assured」の一人目のデザイナーとして、サービス立ち上げに挑戦していますよね。様々な経験を経て、再び事業づくりの最前線に身を置いて、何か思うことや感じることはありますか?

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やっぱり1年目の頃と比べると視野が広がっている分、まだまだできていないと感じることがすごくたくさんあります。ただ、入社して以降、「スタンバイ」を含めて様々な役割を1周させていただいたことで、貢献できる幅や提供できる価値が大きくなっていることも感じます。

私にとって「Assured」での挑戦は、キャリアにおける一つの重要な節目のようなものだと思っています。


誰かの夢を具現化し、その実現に向けて後押しする存在になりたい。

──これまで、戸谷さんのデザイナーとしてのキャリアの変遷について聞いてきましたが、働くうえで一貫して大切にしている考え方、もしくは、これから目指したいデザイナー像があれば教えてください。

先ほどの話とも少し重なりますが、様々な強みを持つ仲間たちのコラボレーションを促進していく役割を担っていきたいですし、そこにとても大きなやりがいを感じます。

最近、ディズニー社のドキュメンタリー作品を観まして、ディズニーでは、「イマジニア」(イマジン+エンジニアを意味する造語)と呼ばれる、ウォルト・ディズニーの構想を形にする技術者たちが働いているんですよね。

かつて、ウォルトが厚い信頼を寄せていたメアリー・ブレアというデザイナーがいて、彼女がウォルトとイマジニアの間に立ちながら、魅力的な色彩感覚と具現性をもってディズニー映画やアトラクションのコンセプトデザインを提案するシーンを見て、私もこのような、構想する人と実際に作る人の橋渡しをするような存在になりたいと思いました。

例えばVisionalには、南さんやそれぞれの事業部長をはじめ、大きな夢やビジョンを持つ人がたくさん集まっています。そうした人たちの頭の中にある夢を具現化して、その実現に向けて導いていくような役割を、私はデザイナーとして担いたいと思っています。

──ありがとうございます。最後に、今後Visionalで挑戦したことなどがあれば教えてください。

現在は、まさに今立ち上がろうとしている「Assured」に注力したいと思っています。そして、もしいずれタイミングが来たら、また別の大規模なサービスにも携わってみたいですね。大規模な組織におけるファシリテーションやマネジメントは、より複雑性が高く、また違う意味での挑戦のしがいがあると思っています。

ただ一方で、プランドハップンスタンスという考え方があるように、キャリアは偶然の要素によって左右されることも多いと思っています。私はそうした偶然をポジティブに捉えていきたいと考えていて、実際に、これまでのキャリアを振り返り、一つ一つの経験に意味づけすることで、点と点が線に繋がっている感覚もあります。これからも、こうしたスタンスは大事にしていきたいと思います。

──Visional Wayの中に「変わり続けるために、学び続ける」というバリューがありますが、戸谷さんは、キャリアの変遷の中でしなやかに変化を繰り返している印象を受けました。

ありがとうございます。周りの方たちのサポートがあるからこそ、安心して飛び込んでいけるのだと思っています。これからも、チャンスがあれば臆せずに挑戦していきたいです。


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この記事の執筆担当者

松本 侃士/Matsumoto Tsuyoshi
1991年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2014年、音楽メディア企業に新卒入社し、音楽雑誌・ウェブサイトの編集や、採用などを経験。2018年、株式会社ビズリーチへ編集者として入社。現在は、ビジョナル株式会社の社長室で、Visionalグループ全体の採用マーケティング施策を担当している。


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