プロフェッショナルであり、仲間とともに顧客の期待をこえる。株式会社ビズリーチ代表・酒井が語る、新人事制度に込めた想い。
株式会社ビズリーチは、2024年8月より、目指す人・組織像として「プロフェッショナルであり、仲間とともに顧客の期待をこえる。」を掲げ、それに伴い人事制度を改定しました。
新人事制度の最大のポイントは、「プロフェッショナルであることへのこだわり」と、「プロフェッショナルに相応しい報酬水準への投資」で、プロフェッショナルを軸にした等級を再設計し、報酬の仕組みを全面的に改定しました。
特にビズリーチにおけるプロフェッショナルの要件を満たす上位等級に対し、業績に応じたメリハリのある報酬を実現するために、労働市場の報酬相場も参考にしながら、報酬テーブルの上方改定を行いました。また、報酬の仕組みの改定に伴い、プロフェッショナルになることを期待する社員の報酬に対しても戦略的に投資を行った結果、全社の実年収の水準も上がっています。
今回、株式会社ビズリーチ・代表取締役社長の酒井哲也さんにインタビューを行い、新人事制度に込めた想いについて聞きました。
プロフィール
「プロフェッショナル」×「仲間」との協働。この掛け合わせこそが、ビズリーチの強みの源泉。
──はじめに、人事制度を改定するに至った経緯や背景、根底にある想いについて教えてください。
私たちは、個人と企業に、選択肢と可能性を提供し、「『キャリアインフラ』になる」というビジョンを掲げています。そして、その実現に向けた原動力となるのは、言うまでもなく、人・組織です。
ビズリーチにおける人・組織の強みは、一人ひとりが一つの同じ目標のために高い熱量で一致団結するカルチャーです。
一般的に、企業規模が大きくなり、多事業化や組織の細分化が進むことによって、組織の一体感は減少していくとされており、ビズリーチも、かつてと比べて大きな企業へと成長した今、ともすればそうした状態になりかねないと思っています。ビジョン実現のための戦略を実行するためには、今一度、組織としての熱量の高さ、戦略実行のために一致団結するカルチャーを、他社との差別化の源泉と呼べるレベルにまで本気で高めていく必要があると考えました。
また同時に、働き方の選択肢も多様になり、働く人それぞれが主体的にキャリアを考える時代になっています。企業として採用競争が厳しくなっているからこそ、私たちも”自分たちらしさ”を伝え「この会社で働き続けたい」と思ってもらえる魅力的な会社にならなくてはいけないと考えました。
そこで改めて、私たちが目指すべき人・組織像を徹底的に議論した結果、「プロフェッショナルであり、仲間とともに顧客の期待をこえる」という言葉を定めました。そして、目指すべき人・組織像を体現し、選び選ばれ続ける会社でいるためには、人事制度との一貫性を持つことが不可欠であると考え、今回の人事制度の改定に至りました。
──目指すべき人・組織像「プロフェッショナルであり、仲間とともに顧客の期待をこえる」について、もう少し詳しく教えてください。
時代の変化に伴い仕事内容が変化し、また、新しいテクノロジーによって既存の仕事が代替されていく中で、今後、顧客の期待をこえ続けていくためには、一人ひとりが学び変わり続け、プロフェッショナルにならなければいけません。また、特に転職サイト「ビズリーチ」においては、プロフェッショナルなユーザーに向き合う以上、より高い意識が求められると感じています。
──「プロフェッショナル」という言葉から、何かしらの専門スキルや専門知識をイメージする人が多いかもしれませんが、お話を聞いていて、必ずしも専門スキルや知識だけを指しているわけではない、と感じました。
私たちは、プロフェッショナルという概念を広義なものとして捉えていて、どちらかと言えば、ビジネスパーソンとしての在り方やスタンスに近いのかもしれません。もちろん、専門性も大切なことは間違いありませんが、最も重要なのは本質的な課題をどう解決するかであり、専門性はあくまでもプロフェッショナルを構成する一つの要素に過ぎません。
──2024年1月公開のインタビュー記事で「7つのプロフェッショナリズム」(株式会社ビズリーチの社員一人ひとりが大切にすべき心得)についてお話を聞いた時に、酒井さんが、「『7つのプロフェッショナリズム』とはプロフェッショナルになるための『イズム(ism)』である。」と話していたことを思い出しました。年次や役割を問わず、「イズム」は誰もが持つことができるし、持つべきものである、と。
おっしゃるとおりで、新しく制定した目指すべき人・組織像「プロフェッショナルであり、仲間とともに顧客の期待をこえる」も、年次や役割は関係なく、全員に求める在り方、姿勢としてメッセージングしています。
──さらに、目指すべき人・組織像の中に、「仲間」というキーワードが入っていることもビズリーチ独自のポイントだと思いました。
仲間とともに一致団結するカルチャーこそが、ビズリーチらしい強みであり、それはこれからも変わらず大切にし続けていきます。
一般的に職場の仲間というと、社内の同じ部署やチームなど、半径数メートル内で一緒に働く人を想像するかもしれません。しかし、ビズリーチでは、自分の部署と関わりの薄い部署や異なる事業部・組織の社員も含め、仲間を広い意味で捉えています。ともにビジョンの実現を目指す仲間として、お互い相談や連携をし合うことによって、一人、もしくは一つの組織では生み出せない大きな価値を創出できると考えています。
──他部署の仲間から相談や質問を受けた際に快く1on1をしたり、また、事業部を跨いだ連携が各所で進んでいたり、仲間同士でギブし合うカルチャーがビズリーチには深く根付いているように感じます。
そうした会社だからこそ、同じ会社で働く仲間について普段から理解を深めることはとても重要です。もしかしたら短期的には非合理のように思えるかもしれませんが、別の部署の仲間の仕事についての理解を深めることによって、事業や会社全体のビジネスプロセスが見えたり、仲間との繋がりや連携が増えていくことによって新しい可能性が生まれていくこともあるはずです。
もちろん、仲間と言っても、協力・連携し合うだけではなくて、時には、「お客様の本質的課題解決」のために、相手に対して言いにくいことを伝えなければいけない場面もあります。そうした時こそ、ともにお客様の方向を向きながら、率直に意見を交わすことが大切です。普段から、組織や役割、職種の違いを越えて、お互いの関係性を深めることが、結果として、それぞれが自身のプロフェッショナルとしての価値を最大限に発揮していくことにも繋がっていくと思っています。
──目指すべき人・組織像にあるプロフェッショナルは、ビズリーチの新人事制度ではどのように定義されているのでしょうか。
ビズリーチの新人事制度では、プロフェッショナルを、「自律的な成果創出×協働」と定義しています。
「自律的な成果創出」とは、常に自身の考えや仮説を持ちながら、俯瞰的に本質的な課題を定め、抜本的に解決することです。一人ひとりが自律的な成果を創出できるプロフェッショナルであること、また、そのために個人の力を向上し続けることは、ビジョン実現のための前提条件です。
また、「協働」とは、お客様を含む全てのステークホルダーに自身の熱を伝播させ、共通の目的に向かって巻き込み、巻き込まれながら行動することです。人事制度の定義において、社内の仲間だけではなくお客様も含めて大切な仲間として捉えている点は、ビズリーチならではのポイントだと考えています。
自分にとってのプロフェッショナルとは何かを日々問い続け、自身をアップデートし続けていく。
──新しく制定された目指すべき人・組織像、また、新人事制度においては、「プロフェッショナル」というキーワードが特に強調されていて、ここに酒井さんの強い思い入れがあるように感じます。
時代の変化に伴い、私たちの会社・事業が置かれる環境が目まぐるしく変化し続けていく中でまず重要になるのは、社員一人ひとりが、自身の職種・役割におけるプロフェッショナルとは何なのか、また、自分がプロフェッショナルとして求められるレベル感を自覚することだと考えています。
また、事業の成長に伴い、これまで以上にお客様からの期待の水準が高まり続けていく中で、私たちは、期待に応えるだけではなく、こえ続けていく必要があります。だからこそ、一人ひとりがプロフェッショナルとしてのレベルを高め続け、また、その自覚をアップデートし続けていくことが求められます。
一人ひとりに、自律的に個人の力を向上し続けていくことが求められますが、もちろん会社としても、そうしたプロセスを後押しする仕組みを提供し、磨き続けていかなければいけないと思っています。
──人事制度上のプロフェッショナルを「自律的な成果創出×協働」と定義したことによって、人事制度の仕組みにはどのようなアップデートがもたらされたのでしょうか?
これまでの話の総括にはなりますが、新人事制度には、3つのコンセプトがあります。1つ目は、組織に対するコミットメントを持ったプロフェッショナルとしての活躍を重視すること。2つ目は、高い期待への挑戦を促すと同時に、貢献に応じたメリハリのある処遇を行うこと。3つ目は、労働市場を意識した、プロフェッショナルに相応しい報酬水準を実現することです。
具体的には、新人事制度では、ビズリーチにおけるプロフェッショナルの要件を満たせるかどうかで、等級の格付けが決まります。プロフェッショナルにあたる上位等級では、自律的な成果創出や、お客様を含む全てのステークホルダーと協働する力が求められます。また、将来的にプロフェッショナルになることを期待する社員の報酬に対しても戦略的に投資を行っていきます。
今回、報酬テーブルを見直した結果、例えば、将来の事業の中核となる若手のプレイヤー層は最大で+14.5 %、プロフェッショナルとして組織業績の責任を担うマネジメント層は最大+26.5%、従前の理論年収の水準から上がっています。
──新人事制度によって、人・組織がどのように変化していくことを期待していますか?
今回の新人事制度は、あくまでも会社のシステムの一つに過ぎませんが、この人事制度が、一人ひとりが自分にとってのプロフェッショナルとは何かを日々問い続け、自身をアップデートし続けていく、そして、仲間とともにお客様の期待をこえていく、そうしたきっかけになることを期待しています。
私たちは今後も、プロフェッショナルであることにこだわり、プロフェッショナルに投資をし続けることで、目指す人・組織像を体現し、ビジョン実現や戦略実行を確実に果たしていきます。また、そのために、会社としても、プロフェッショナルになるための成長支援や、仲間と成長し続けることができる環境づくりに取り組んでいきます。
「『キャリアインフラ』になる」というビジョンは、とても壮大なものではありますが、全員で一致団結して実現を目指していきます。
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