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職種や事業部を越えた繋がりから、新しい可能性が生まれる。Visionalの新卒育成において大切にしている考え方を紹介します。

この記事では、Visionalの新卒育成についてご紹介します。

Visionalでは、ビジネス職・プロダクト職(エンジニア・デザイナー)の新卒採用を行っています。毎年4月に新しい仲間として新卒社員を迎え入れた後、一人ひとりの中長期のキャリアを見据えながら、将来的に事業づくりや組織づくりを牽引していく人材へ成長することをゴールとして、様々な研修の機会を提供しています。

今回の記事の前半では、Visionalの新卒社員の育成において大切にしている考え方を紹介します。その内容を踏まえつつ、記事の後半では、具体例の一つとして、2020年入社の新卒社員の起案によって実現した2日間にわたる新卒合同研修(2020年入社・2021年入社・2022年入社の3世代の新卒社員が参加)を取り上げつつ、企画の背景にある想いなどを紹介します。


社内の様々な繋がり、職種を越えた相互理解が、将来的に組織や会社をリードしていくための礎になる。

はじめに、人財開発グループの藤井聡子さんに、Visionalの新卒育成において大切にしている考え方や、その背景にある想い、また、実際の研修の内容などについて聞きました。

プロフィール

藤井 聡子/Fujii Satoko
千葉大学大学院修了後、業務ソフトメーカーに入社。新規プロダクトの開発エンジニア、プロジェクトマネージャーに従事するだけではなく、エンジニア組織の人材開発・組織開発に取り組む。2021年、株式会社ビズリーチに入社。プロダクト組織の人材開発・組織開発業務に従事。2023年8月より、人事執行管掌 組織開発部 人財開発グループのマネージャーを務め、株式会社ビズリーチの全社員向けの各人材開発施策の企画・運営に従事。

──まず、Visionalの新卒育成の考え方について教えてください。

藤井:Visionalの新卒育成において、中長期で目指しているゴールがあります。それは、新卒社員が社内における様々な繋がりをつくり、それを活かして事業づくりや組織づくりを推進していくような状態です。具体的に言うと、日々の業務の中で何か大きな壁にぶつかった時、自分一人だけで解決しようとするのではなく、社内の縦横の繋がりを活用し、深い関係性で結ばれている仲間同士で力を合わせて課題に向かっていく姿をイメージしています。

──そのような考えに至った背景を教えてください。

藤井:そもそも、将来的に事業づくりや組織づくりを牽引する人材とはどのような人物で、そうした人はどのように育つのだろうと考えたのが起点です。そうして考えていくうちに、私たちが理想とするのは、社内の様々な繋がりを駆使し、各組織や会社の中心となって事業づくりや組織づくりを推進していく人材であるというイメージが固まりました。

もともと、Visionalには新卒社員をとても大切にする文化がありますし、新卒社員同士の横の繋がりも強いと思います。しかし、コロナ禍の数年で新卒入社した社員は、内定式も入社式もオンライン開催だったため、同期の仲間や先輩、上司、経営メンバーとの繋がりが、どうしても例年より希薄になってしまっていた部分もあったと思います。そうした経緯もあり、現在のVisionalの新卒育成においては、新卒社員に繋がりをつくってもらうことを大きなテーマとして据えています。

──まさに、Visional Wayのバリューの一つ「事業づくりは、仲間づくり」を体現する人材を育てていくということですね。新卒育成に経営メンバーはどのような形で関わっていますか?

藤井:例えば、新卒合同研修では、経営メンバーがグループワークのフィードバック役として入り、新卒社員が起案した案に意見やアドバイスをしてもらいました。

日々の業務においては、新卒社員同士や同じ組織内の仲間同士で課題を共有して解決を試みることももちろん大切ですが、時に、経営メンバーの力を借りる場面も出てくると思います。今回の研修では、新卒社員が経営メンバーとの壁打ちを通してアウトプットの質を大きく上げていくような将来的な場面を想定して、経営メンバーにフィードバック役として参加してもらいました。

──新卒育成の施策において、繋がりづくりの他に大切にしていることがあれば教えてください。

藤井:職種の枠を越えて学ぶ機会を大切にしています。ビジネス職であっても、プロダクト職であっても、Visionalの新卒社員という大きな枠組みで捉えて、入社時の研修では職種を越えた相互理解の機会を提供しています。例えば、プロダクト職として入社したエンジニアやデザイナーの社員に、セールスの仕事を理解してもらう機会を提供していて、また、ビジネス職として入社した社員に、社内のモノづくりの仕組みや工程について理解を深めてもらう機会を提供しています。

──Visionalには、プロダクトとビジネスの両輪によって事業がドライブしていくという考え方があります。職種を越えてお互いの仕事について学び合う機会は、これから事業づくりを担う上での大きな糧になりますね。

藤井:そうですね。自分自身の仕事について深く理解するのはもちろんのこと、会社や事業部の中にはどのような組織や役割があって、そこで働く仲間は何を大切にしながら、どのような業務をしているのか、について俯瞰的に知ることは、いずれ、組織や会社をリードし支えていくための礎になると考えています。

また、その他に考えていることとして、今後の新卒育成においては、新卒1〜2年目の社員を様々な社内プロジェクトへアサインし、通常業務では積めないような経験をしてもらおうと思っています。今回の新卒合同研修は、2020年新卒入社の中島さんが中心となって起案から運営まで担ってくれましたが、経営メンバーへのプレゼン、プロジェクトの進行をはじめとした多様な経験は、間違いなく今後の仕事へとポジティブな形で繋がっていくはずです。今後も、いろいろな場面で、そうしたプロセスを新卒社員の皆さんに経験してもらい、さらなる成長へ繋げていってもらいたいと考えています。


新卒社員同士だけではなく、経営メンバーとの繋がりもつくっていく。

続いて、2日間にわたる新卒合同研修を自ら起案し、同企画の運営メンバーの一人として、経営メンバーをはじめとした社内の様々な人たちを巻き込みながら実現に導いた中島由貴さんに話を聞きました。起案までの経緯や、自らの同期・後輩にあたる新卒社員に新卒合同研修を通して提供した学びの機会などについて語ってもらいました。

プロフィール

中島 由貴/Nakajima Yuki
2020年、青山学院大学を卒業後、株式会社ビズリーチに新卒入社。ビズリーチ事業部にて広域マーケットのインサイドセールスを経験後、中小〜準大手企業様のカスタマーサクセスを経験。FY22上期(2021年8月開催)の社内表彰式「BIZREACH AWARDS」で優秀チーム賞を受賞。2022年2月、ビジネス職の新卒採用グループに異動。リクルーター業務や全社巻き込み型採用推進プロジェクトのマネジメント、内定式のプロジェクトオーナー、サマーインターンシップ「Issue」の企画・運営などを経験。

──はじめに、今回の新卒合同研修を起案するに至った経緯や目的について教えてください。

中島:私は以前から、人事という立場で「事業づくりは、仲間づくり」というVisional Wayのバリューを採用候補者様に伝えながら、自分は本当にこのバリューを理解・体現できているのだろうかと自問自答することがありました。というのも、私たちの世代は入社直後からコロナ禍で、一緒に働く仲間と対面で顔を合わせる機会が少ない中で最初の数年を過ごしてきました。同期はもちろん、先輩や上司たちと直接的にコミュニケーションをとったり、教えを授かる機会がコロナ前より少なくなってしまっているはずで、それ故に、自分はこの会社が大切にしているバリューやカルチャーを本当の意味で理解できているのかと不安になることがありました。

そういった私自身の背景があり、2022年6月末に多田(洋祐)さん(前・株式会社ビズリーチ代表取締役社長)と話す機会をいただいた際、私から、普段の業務の枠を越えて社内で新しい繋がりをつくり出すことを目的として、数年前までこの会社で実施されていた新卒合同研修を再び企画したいという話をしました。その時は、多田さんの中にも考えがあったようで、後日改めて話をすることになりました。ですが、その翌月に多田さんが急逝され、この企画は「誰か」じゃなく、「自分たち」が主導しなければならないと思いました。その後、新卒同期のメンバーたちに相談する中で、改めて、この企画は、コロナ禍で新卒の最初の数年間を過ごしてきた私たち自身の手で推進していくべきだという確信を持ちました。

ただいざやろうとすると、「企画の目的をどこにフォーカスするのがよいのか」「3世代の新卒社員全員の2日間の業務の時間を削ってまでして、この研修を行う意味は本当にあるのか」など迷うことが多く、なかなか企画が前進せずに時間が経ってしまいました。そしてあるタイミングで、過去に同じような施策を企画した先輩方に話を聞くことができ、企画が少しずつブラッシュアップされていき、最後は、南(壮一郎)さん(Visional代表)に直接プレゼンして後押しをしてもらえることになりました。その後、公式な提案を経て実施が決定しました。経営メンバーからは、「これは中島さんや新卒社員のみんなに対する投資だから、ここからもっとがんばれ。」と背中を押してもらい、それがとても印象強く残っています。

──新卒合同研修の内容について教えてください。

中島:株式会社ビズリーチの社員一人ひとりが大事にすべき心得として新たに策定された「7つのプロフェッショナリズム」(以下、「7プロ」)を、次の世代の新卒社員や社内全体に浸透させていくための研修企画を起案する、というグループワークを実施しました。

まず、数名のグループに分かれて「7プロ」の理解を深めることからはじめ、1日半ほどかけて議論し、最終成果物となる研修企画を経営メンバーにプレゼンするという流れです。より多様な意見を出し合えるように、また、このグループワークを通して新卒社員の間で新しい繋がりが生まれるように、各グループは、入社年、職種、所属事業部・組織を混ぜたメンバー構成にしました。

このグループワークを参加者の成長機会とするために特に大切にしていたのが、参加メンバー自身の内省によって得た気付きと「7プロ」との接続です。「何を実現したくてこの会社を選んだのか」「これまで働く中でどのような経験を重ねてきて、その時々で何を意識してきたのか」など、一人ひとりの個人的な想いや体験をグループ内でシェアしてもらいました。その後、どのような時に「7プロ」を体現できる・すべきと思うか、これから入社してくる新しい仲間に、「7プロ」と自身の経験をどう接続して伝えていけるか、などについて話し合ってもらいました。また、そのプロセスでは、経営メンバーから「7プロ」に対する自身の考えや、「7プロ」を重要だと感じたエピソードを話していただく時間を設けました。

──経営メンバーが深くコミットする点に、この会社の新卒育成に対する深い思い入れが伝わってきます。

中島:このグループワークの大きな目的の一つが、新卒社員に、経営メンバーとの対話を通して、事業づくりや組織づくりに主体的に取り組むことの大切さに気付いてもらうことでした。日々働く中では、何事も自分ごととして考え、さらに、自分個人の視点だけではなく、組織の視点や経営の視点をもって考えることが重要です。だからこそ、経営の視座からのお話やフィードバックは、参加した新卒社員にとって大きな学びになったのではないかと思います。

実際に、参加したメンバーからは、「経営メンバーがどういう姿勢や価値観で仕事をしているのかを学び、翻って自分には何が足りないのかと考えた。」といった声がいくつも寄せられました。その他にも、ざっくばらんに意見交換する時間を設けたことで、「経営メンバーの人となりを知ることができた。」といった声もありました。

──この企画を起案したこと自体もそうですが、中島さんのお話からは、「7プロ」の中にある「何ごとも当事者意識」というスタンスが強く伝わってきます。

中島:おっしゃっていただいたように、この合宿を起案したこと自体が、私を含めた運営メンバーの当事者意識から始まっていますし、その意識がプロジェクト推進の原動力になっています。そして、先ほどの話にも通じるように、主体性、当事者意識を持つことの大切さを知ることこそが、今回、参加者に持ち帰ってもらいたい経験の一つでした。

2日間にわたる研修は、運営にとっても、参加メンバーにとっても大変なパワーがいります。この機会を、大変なものとして後ろ向きに捉えることもできるけれど、せっかく参加するのであれば、前向きに、好奇心と当事者意識を持って取り組み、経営メンバーの期待を超えたプレゼンをしよう。全ては「7プロ」に書いてあるとおりで、今回の2日間を通して繋がりをつくることに加えて、「7プロ」の一つひとつのスタンスを実体験を通して学んでもらいたいという想いもありました。

運営として、事前の説明や準備の不足など至らない部分もあったかと思いますが、今回のグループワークを通して、たくさんの新卒社員に、当事者意識を含めた「7プロ」の大切さを知ってもらえたのではないかと思っています。今後は、私たち自身も含め新卒社員みんなで、日々の業務を通して「7プロ」を体現し続けていかなければいけないですし、それをビズリーチのカルチャーとして浸透・定着させていきたいと思っています。

──この企画の大きな目的の一つが、コロナ禍で入社した新卒社員が社内の様々な繋がりを作ることだったと思いますが、その点について振り返ってみていかがですか?

中島:私自身の経験として、今回の研修で、外国籍のエンジニアの方をはじめ、これまでは関わることのなかった方たちとの事業を越えた繋がりができたんです。自分とは違う組織、職種の仲間がどのような仕事をしているのかについて知れたことで、「こういう役割を担ってくれている仲間がいるんだから、自分も今の場所でできることを全うしよう。」という視点を持てるようになりました。そうした新しい繋がりが、参加メンバー間でたくさん生まれているのを見たり知ったりして、実施までのプロセスは大変ではありましたが、この新卒合同研修を企画して良かったと強く思えました。

また、今回の企画は、当初は一回限りを想定していましたが、今後も人事主導の新卒育成の施策の一環として新卒合同研修を続けていくことが検討されています。この企画が、これからも多くの新しい繋がりや学びを生む場として続いていったら嬉しいと思っています。


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この記事の執筆担当者

伊藤 友里/Ito Yuri
大学卒業後、株式会社ワコールに新卒入社。その後、JASDAQ上場の不動産会社、外資系IT企業の広報を担当。東日本大震災後、総合マーケティングコンサルティング会社にて、企業PR・ブランディングのコンサルタントを務め、2020年、株式会社ビズリーチへ入社。現在は、ホールディングス広報として、メディア運営、インターナルコミュニケーション、リスク・クライシスコミュニケーションの業務に従事している。


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