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オープンでフェアなM&A市場の実現に向けて、M&Aの当たり前を変える。「M&Aサクシード」代表・金のインタビューをお届けします。

法人・審査制M&Aマッチングサイト「M&Aサクシード」は、M&Aを検討中、または今後検討する可能性がある企業の経営者が、利用契約前に匿名で情報を掲載し、自社に興味を持つ譲受企業の有無や属性、反応を知ることができる「M&Aお試しマッチング機能」を2023年4月19日より開始しました。

2022年6月に、サービス名を「ビズリーチ・サクシード」から「M&Aサクシード」に変更するとともに第二創業期をスタートしてから約10ヶ月。今回は、株式会社M&Aサクシード代表取締役社長の金蓮実さんに、新機能開発の背景や、今後の展望について聞きました。


プロフィール

金 蓮実/Kim Younsil
株式会社M&Aサクシード 代表取締役社長 
2003年、大学卒業後、株式会社リクルート(現:株式会社リクルートホールディングス)に入社。上海のブライダル事業立ち上げや採用事業の営業部長を経て、2013年に株式会社リクルートライフスタイル(現:株式会社リクルート)の取締役に就任。メディア事業の新領域における事業部長などを務める。2018年、株式会社プラザクリエイト本社に取締役として参画。2021年8月、Visionalグループのビジョナル・インキュベーション株式会社に取締役として入社。2021年11月、組織再編に伴い、株式会社M&Aサクシードの代表取締役社長に就任し、法人・審査制M&Aマッチングサイト「M&Aサクシード」の事業統括を担う。


出会いの機会をオープンにすることで、「M&Aの当たり前」を変える。

──今回の「M&Aお試しマッチング機能」リリースに至った経緯・背景には、どのような課題やお客様からの声があったのでしょうか。

お話しさせていただいた多くの経営者様から、「いいお相手がいればM&Aを検討しても良い」「まだ最終的に譲渡の意思決定ができているわけではないが、お相手次第では検討したい」「今後の経営戦略を考える上で、自社の事業に価値があるかということを確かめたい」というニーズをお伺いしたことが、背景の一つです。

一般的には、M&A市場においては、アドバイザー契約を締結した後でないと、どのようなお相手がいるのか分かりません。その契約には、様々な書類の提出など膨大な作業が必要で大きな負担となるため、M&A意思決定前の契約はどうしてもハードルが高くなります。

また、譲渡の意思決定をされた経営者様が譲受企業探しをされる際においては、「専属専任契約」をはじめとして、M&Aのマッチングの機会やプロセスがオープンなものではなく、M&Aという会社にとって大きな決断において「本当にこの選択で良いのか」と不安を感じるという経営者様も数多くいらっしゃいました。

こういったことから、「M&Aをよりオープンでフェアなものにしたい」「出会いの機会をオープンにすることで、経営の選択肢を最大化したい」と改めて強く感じ、新機能のリリースに至りました。

機能開発を進める上では、ビジネス面、プロダクト面で、本当に多くの葛藤や悩みがありました。それでも、私たちは「『M&Aの当たり前』を変えていく」、「新しい可能性を、次々と。」というVisionalのグループミッションがあるように、「M&Aの世界においても、新しい可能性を生み出していこう」という強い想いを持って、新機能の実現に向けて試行錯誤を重ねてきました。

──試行錯誤を経て生まれた新機能ですが、お客様や市場にどのような価値を提供するものなのでしょうか。

まだ譲渡の意思決定をされていない経営者様に、トライアル版の「M&Aお試しマッチング機能」をご利用いただいたところ、「これだけたくさんの企業に興味を持ってもらえるのか」と驚かれたり、譲渡を本格的に検討しようと決められたり、といったことが次々と起こりました。

市場、つまり「M&Aサクシード」に登録いただいている譲受企業様からのリアルな反応や評価が、譲渡企業様にとって自社の「市場価値」を確認する機会になり、一つの経営判断のポイントになります。中には「これだけたくさんの企業からアプローチがあるなら、まだまだ頑張れる」と、今は譲渡をせず、もう少し自社単独で経営を続けようと決めた企業様もいらっしゃいます。

また、既に「M&Aサクシード」以外で譲渡の検討を進められている経営者様も、市場からどういった反応があるのかを知ることを通して、自社の市場価値を確認する「セカンドオピニオン機能」としてご利用いただくこともできます。

一人の人間が、他者からフィードバックを受けて、それが大きな気付きとなって成長することができたり、何かしらの新しい決断や判断ができるようになるのと同じように、個人だけではなく法人にもそういった機会を提供していきたいと考えています。

──法人も、個人の集合体ですから、同じことが起きるのですね。

そうですね。また、M&Aに対する抵抗感を軽減したいという想いもあります。日本におけるM&Aの多くは「会社存続の最終手段」として行われています。つまり、経営者様の健康上の理由や、もう事業存続が無理だと思った時に、初めてM&Aを検討されるケースが多いです。それは、M&Aに対する抵抗感、敷居の高さも一つの要因だと思います。

同時に、「あと3年早かったら、M&Aの可能性はもっと広がったはず…」というケースも本当に多いです。これは、金融庁、中小企業庁の方々とお話しする機会があり、同じ課題認識を持たれていることが分かりました。

──M&Aのタイミングというものも、非常に重要なのですね。

そうですね。会社存続や後継者探しの最終手段としてのM&Aではなくて、企業をより成長させていくための経営の選択肢として検討していただくことが、資本の流動化、引いては、日本経済の成長に繋がると考えています。

一般的に「M&Aにおける成長戦略」という言葉を聞くと、おそらく多くの方が、「譲受企業にとっての成長戦略」をイメージされると思います。もちろんそういった側面もありますが、私たちは「譲渡企業にとっての成長戦略」としてのM&Aの支援にも力を入れていきたいと思っています。実際に、「M&Aサクシード」でも、そういった成約事例が増えてきています。

※M&A成功事例記事

成長戦略としてのM&Aの機会は、いつ、どのような企業と縁があるか分からないからこそ、常に市場からの反応を通して自社の市場価値を確かめておくことが大事だと考えています。そこで今回の「M&Aお試しマッチング機能」を活用していただきたいです。



「M&A業界におけるビズリーチ」を目指す。

──自社の「市場価値を確認する」という考えは、転職市場における「ビズリーチ」に非常によく似ていますね。かつてと比べると、まだ転職すると決めていなくても、「ビズリーチ」に登録して定期的に職務経歴書をアップデートすることで、企業からのオファーの有無や内容によって自分の市場価値を確認される方も非常に増えています。

そうですね。今回やろうとしていることは、結果的に、「ビズリーチ」のモデルとかなり近しいものです。もしかしたら、「最初からM&Aのビズリーチ版を作ろうとするところから始めればよかったのでは。」と思われるかもしれませんが、私たちは最初から「ビズリーチ」と同じビジネスモデルを目指していたわけではなく、自分たち自身でお客様の声を聞き、市場における課題に一つひとつ向き合ってきました。そういった一つひとつの積み重ねの結果が、今回の新機能です。

自分たち自身で辿り着くことができた選択なので、私たちの意志はそう簡単に揺らぐことはありません。同じVisionalグループの「ビズリーチ」が転職市場の変革に挑戦してきたように、私たちもM&A市場を変えていきたいと思っています。

もちろん、私たち「M&Aサクシード」1社だけでは、M&A市場全体を変えることはできません。だからこそ、「オープンでフェアなM&A環境を提供し、M&Aの可能性を最大化する」という私たちが目指す方向性に賛同してくださる方々と一緒に、変革に取り組んでいきたいと考えています。

──Visional Wayの中に「事業づくりは、仲間づくり」というバリューがありますが、まさに賛同してくださる仲間・パートナーを増やしていくことで、オープンでフェアなM&A市場の実現を目指していくのですね。この先5年後は、どのような状態を目指したいですか?

5年後には、M&Aがポジティブに、かつ能動的なものとして語られている状態になっていたいです。「M&Aサクシード」と聞いたら、「登録した?」ということが、経営者様同士の会話の中で当たり前になされている。M&Aに関して自社はどう考えているのかということが、今よりもオープンに語られている状態を目指したいです。

そんな未来を考えていると、とてもわくわくします。昨年のインタビューでもお話ししましたが、そのような未来の景色は、「あらゆる前提は、変えられる。」という私の信念にも繋がっているからです。私はこれまでの人生を通して、強い意志さえあれば、目の前に立ちはだかる前提を変えられると実体験をもって確信してきました。だからこそ、M&A市場における当たり前を変えるために、また、「人生を託せる、出会いのために。」というミッションの実現に向けて、これからも仲間や賛同してくださる方々と挑戦を続けていきます。


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この記事の執筆担当者

山崎 瑞季/Yamazaki Mizuki
神戸大学発達科学部卒業後、大手旅行グループの広告代理店に新卒入社し、インバウンド観光プロモーションや地方創生に関わる業務を担当。 その後、PR代理店にて営業、コンサルティングなどを経験し、2022年、ビジョナル株式会社へ入社。 社長室 グループコミュニケーショングループにて、インキュベーション領域のPRを担当。


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