私たちが、Visionalで新規事業に挑む理由。トラボックスとM&Aサクシードの代表対談をお届けします。
Visionalは「新しい可能性を、次々と。」をグループミッションに掲げ、HR Tech領域にとどまらず、様々な領域で産業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進する事業を展開しています。
この記事では、Visionalグループの一員として物流Techの事業を推進するトラボックス株式会社、また、事業承継M&Aの事業を推進する株式会社M&Aサクシードについて紹介します。
2022年2月24日、「トラボックス×M&Aサクシード 合同キャリアLIVE」をオンライン開催しました。
登壇者は、片岡 慎也(トラボックス株式会社 代表取締役社長/写真:右)、金 蓮実(株式会社M&Aサクシード 代表取締役社長/写真:中央)の2名で、南 壮一郎(Visional代表/写真:左)がモデレーターを務めました。テーマは、「私たちが、Visionalで新規事業に挑む理由」です。
今回は、当日の模様をイベントレポートとしてお届けします。
※役職は、記事を公開した当時のものです。
※2022年6月7日、「ビズリーチ・サクシード」は、サービス名を「M&Aサクシード」に変更しました。
プロフィール
Visionalの役割は、それぞれの事業を中長期の成長を見据えながら支えること。
南:さっそく僕からどんどん質問していきたいと思っていますが、はじめに、お二人がVisionalにジョインした理由について教えてください。
片岡:メルカリ時代に南さんとお話しする機会があり、そこから半年に一回ぐらいのペースで定期的に会ってお話しするようになったんですよね。そのなかで、ある日、南さんから、「新しくVisionalグループにジョインしたトラボックスと、物流業界を変えていきたい」という話を聞きました。
私はもともとアメリカに留学して物流の勉強をし、ロジスティクスコンサルとして物流業界でキャリアをスタートさせた人間です。南さんからその話を聞いたことをきっかけに、自分なりに最近の物流業界について改めて調べてみました。
その時に驚いたのが、私がロジスティクスコンサルとして働いていた時から、日本の物流業界の課題はぜんぜん変わっていなくて、その上に高年齢化という要因もプラスされ、事態は更に深刻な状況になっていました。
更に調べていくうちに、これまでトラボックスが20年以上にわたって積み重ねてきた実績とお客様からの信頼、そして、Visionalグループのテクノロジーの力があれば、もしかしたら本当に日本の物流業界を変えることができるかもしれないと思うようになりました。
私個人として、「日本に貢献をしたい」「日本に恩返しをしたい」とずっと考えていたこともあり、そうした想いを実現する意味でも、トラボックスにジョインさせていただきました。
南:ありがとうございます。りょんさん(金さんのニックネーム)は、なぜこのタイミングでサクシードを選んだのですか?
金:これまで私は、目の前の人や担当する事業、また会社そのものが、一人ひとりの力が組み合わさることによって大きく変わっていく姿を何度も目にしてきました。そして、そうした経験から、可能性のない人や事業、会社なんてどこにもないと強く思うようになりました。
ただ、いざいろいろなニュースや書籍を見ると、「日本の生産性は悪化の一途を辿っている」「かつてのような経済成長は難しい」ということが書かれていて、すごく悔しくなったんですよね。
もし私たちの世代が日本の社会に対して諦めてしまったら、じゃあ私たちの次の世代はどうなるの?と思うじゃないですか。次の世代のために、誇れる未来を実現したいと考えた時に、もともと興味を持ってプレスリリースをチェックしていたサクシードが、私の頭の中で繋がってきました。
もともと南さんとは親交があったんですけど、2021年の年明け頃に久々にお話しする機会をいただいて、気付いたら、「サクシードのことを知りたい」「サクシードの人に会いたい」と、南さんにどんどんリクエストしていました。
そして、サクシードのメンバーと会って話す機会をもらい、何て熱い人たちなんだと感動しました。一人ひとりが本気で事業を通して実現したい未来を強く信じていて、私もこの人たちと一緒に、「日本の全ての企業にとって、M&Aが経営の選択肢として当たり前になる世界をつくりたい」と思い、ジョインを決めました。
南:実際にVisionalにジョインしてみて、どうでしょう? Visionalグループの一員として挑む新規事業について、ご自身の言葉で説明していただきたいです。
片岡:すごく高い独立性を持って経営させていただいているなと思っています。多くの人は、子会社は親会社から干渉を受けるものといったイメージをお持ちかもしれませんが、そうしたことは全くなく、むしろ、南さんをはじめとしたVisionalの取締役の皆さんには、いつも私からいろいろと相談させていただいています。
そのなかで思うのは、やはりVisionalは、世の中の課題を解決することに対して、本当に強い想いを持っているということです。私たちトラボックスが、長い間ずっと変わっていない物流業界を本気で変えていくために、Visionalには、中長期を視野に入れながら後押ししてもらっています。
トラボックスが、物流業界に横たわる非常に大きな課題に対して、真っ直ぐに、ど真ん中から挑む環境があるのは、資本面や投資面を含めて、Visionalグループの一員だからこそだと、これはお世辞なしで本当に思いますね。
南:りょんさんは、 Visionalグループにジョインして半年ぐらいになりますが、いかがでしょうか?
金:実際にジョインしてみて、今、この事業を預かりながらM&Aマーケットの未来と向き合うなかで、何を求められていて、何を決断すべきなのか、私自身、毎日毎日問われています。
そのなかで、つい先日、これから先、サクシードが普遍的なものとして大事にしていきたい価値についてのプレゼンを、サクシードのみんなにしました。
Visionalから何か指示を受けたり、「こうして欲しい」と依頼されることもなく、接続詞に至るまで一語一句自分の言葉で、私自身がオーナーシップを持って紡いでいくわけです。そのようにして、一つの目指す世界、信じたい未来を仲間たち全員と共有することができました。まだまだ妄想にすぎませんが、この未来を実現していくために、今まで以上に仲間づくりに注力していく段階に突入しました。
こうした私たちの挑戦を支援してくれるのがVisionalです。迷ったり、分からないことがあった時の良きメンターでもあり、良き伴走者でもあります。慎也さんと同じく、そうした点は、まさに想像以上だったなと思っています。
南:お二人の話を踏まえてですが、Visionalグループについて説明する時に、よくホールディングス体制、グループ経営体制と言ったりしますが、「ホールディングカンパニーと事業会社のどっちが主なのか?」と考えた時に、僕は、何よりも事業が主だと思っているんですよね。
いろいろな領域で「新しい可能性を、次々と。」実現していくためには、やはり、それぞれの事業が自らの両足で立って、自ら行動しブレイクスルーしていかないといけません。
ですので、グループ経営体制におけるホールディングカンパニーは、あくまでも、下から支える側だと思っています。実際に、Visionalのグループ体制図は、ホールディングカンパニーのビジョナル株式会社が、下から各社を支える形になっています。(参考:「2022年7月期第2四半期 決算説明資料」p.29)
これは、「どうしたら事業が成功するか?」と問い続けたことで生まれた形で、やはり僕自身、事業づくりが好きなんですよね。世の中にはまだまだ解決すべき課題がたくさんあって、そうした世の中を変えていくのは、やはり事業、そして、そこに集まる仲間たちだと強く思っています。
大切なのは、「変わり続けるために、学び続ける」姿勢。
南:事業づくりを進めていくなかで、次々と新しい仲間がトラボックスとM&Aサクシードに加わってきています。続いては、これから更に事業を成長させていくために仲間づくりを進めていくにあたって、「どのような方と一緒に働きたいのか?」「どのようなメンバーが活躍している社風なのか?」について聞いてみたいと思います。まずは、片岡さん、どうでしょう?
片岡:スタートアップにおいては、何事も変わり続けていくという前提があるうえでお話しすると、何よりも大切なのは、トライ&ラーンができるかどうかだと思っています。
いろいろなトライを重ねていくなかで、もちろん時には間違うこともあると思います。その時に、そこから自分なりに学びを得て次の挑戦に繋げられる方、素直に自分の誤りを認めて、トライ&ラーンのサイクルを回しながら成長できるような方と、一緒に働きたいなと思っています。
また、実際に一緒に働くメンバーたちの共通項を挙げるとすれば、変化を求めていることです。それは、単に変化に強いというだけではなくて、自分から能動的に変化を求めるという意味で、逆に言えば、自ら変化を求めて行動し、周りに対しても変化を促せるような方でないと、日本の物流業界を本当の意味で変えることはできないと思っています。社内のカルチャーとしても、そうした変化を促すようなカルチャーを、どんどん強くしていきたいと考えています。
金:今の慎也さんのお話、とても共感しますね。アンラーニングという言葉もありますが、いつだってフレッシュな新人になれる人は、とても頼もしいと思います。
南:僕自身も、13年間ビズリーチ事業に携わるなかで、何度でも白紙に自らをリセットしたうえで、そこから学び直しながら新たな価値を生み出す力が、今の時代を生き抜くために必要ではないかと思います。
続いて、りょんさん、いかがですか? サクシードの仲間づくりを進めていくうえで、どのような方と一緒に働きたいと考えていますか?
金:まず、「M&A業界・金融業界出身でないとだめですか?」といった質問をよくいただくのですが、実際には、それ以外の業界からジョインしてくれたメンバーのほうが割合として多いです。
「M&Aが経営の選択肢として当たり前」という世界をこれからつくっていくためには、もともと業界に明るいメンバーだけではなく、新鮮な目を持つメンバーの力も必要で、こうしたバランスは、今後も組織づくりにおいて大事にしたいと思っています。
そのうえでお話しすると、特に活躍している人、一緒に仕事をしていて気持ちいいなと思う人は、「自分一人でできることは限られている」という前提に立って物事を考えている人ですね。
一人で何でもできる完璧な人間なんてどこにもいなくて、私自身も代表だからといって何でもできるわけではありません。一つの大きな目標に向かって、自分ができること、今はできないけれど一歩踏み出せばできるかもしれないことを、仲間たちと一緒に持ち寄りながら事業を成長させていく。こうした、一人ひとりが「できる」を持ち寄って成果に繋げていくというスタンスを持てる方と、ぜひ一緒に働きたいと考えています。
また、今の話にも通じますが、このようにみんなで力を合わせながら事業をつくっていくうえでは、一人ひとりが当事者意識を持って行動する、つまり、「観客席ではなく、ピッチに立つ」というスタンスも大事だと思っています。
それぞれ異なる領域で挑戦する仲間たちを、お互いに助け合う。
南:ありがとうございます。ここからは、参加者の方たちからいただいている質問に答えていこうと思います。
金:例えば、お客様にVisionalグループの別のサービスを紹介する、というように、会社や事業部を越えた連携はあります。ただそれ以上に、Visional Wayの中にグループ共通で大切にしている5つのバリューがあるのですが、そうした価値観を通して繋がることができるグループの仲間たちとのシナジーは、本当にとても大きなものであると日々感じています。
事業や会社の垣根を越えて、「~について悩んでいるんだったら、~を紹介するよ」といったように、率先して力を貸してくれる人が本当に多く、このような助け合いが、誰から指示されるわけでもなく、自然発生的に次々と起きています。
南:Visionalでは、既存事業とのシナジーを活かして新規事業の立ち上げを行っているというよりも、そもそも社会に大きな課題があり、その課題を解決できる事業づくりを目指しています。ですので、それぞれの事業が向き合う課題の領域も様々です。
だからこそ、一つ一つの事業が自らの足で立ってそれぞれの領域で挑戦していくことが大事で、そのうえで、それぞれ協力し合えることがあれば協力し合う。それぞれが挑む領域は異なりますが、一人ひとりの仲間たちがVisional Wayを通して繋がっていることこそが、Visionalという組織の強みの一つだと思っています。
金: 10年後には、日本の全ての企業にとって、M&Aを、経営の可能性を広げるための当たり前の選択肢にしたいと思っています。
例えば、新しい会社を仲間として迎え入れることによって、もともとの事業や会社の可能性が大きく広がっていく。逆に、お声がけいただいた企業と一緒になることで、今まで以上に事業が大きくなり、雇用も増え、一人当たりの生産性も上がる。このようなことが次々と起きていく未来、M&Aが経営における当たり前の選択肢となるような文化を、この10年以内に実現したいです。
片岡:長期的な話をすると、ゆくゆくは、現在注力しているトラック配送のような運送だけではなく、その先に広がるもっと大きな物流業界全体の革新を支えていきたいと考えています。
例えば、フィジカルインターネットというキーワードがあるように、今の日本は、国を含めて新しい物流の形を模索している途中なのですが、そうした領域にもチャレンジしていくことで、日本ならではの新しい物流の仕組みを提案していきたいと思っています。
南:つい最近、とても嬉しいことがありました。ビズリーチ事業部の仲間から、「ある日本を代表する大手企業様において、新卒採用だけでなく、即戦力人材の採用という選択肢が当たり前のものとして浸透し始めている」という報告を受けたんですよ。
そのお客様は、数年前までは、ほとんど中途採用を行っていなかった企業様です。その話を聞いた時に、涙が出るほど嬉しかった。僕は、これこそが事業づくりの醍醐味だと思っています。ぜひこうした景色を、お二人にも、そしてトラボックスとM&Aサクシードの仲間たちにも味わってもらいたいと思います。
また、よく社員にも話しているのですが、今、形として表れ始めている成果は、例えばビズリーチ事業の場合、13年前から積み重ねてきた努力が、ようやく13年の時を経て、大きな成果に繋がっていると思うんですよね。
今、それぞれの事業部の仲間たちが積み重ねている努力はもちろん大事なことだし、それと同じように、創業期に事業の土台をつくってきた人たち、そして今日に至るまで事業を大きく成長させてきた人たちのことを忘れてはいけない、しっかりリスペクトしようと、そう思っています。
まさに、トラボックスもサクシードも、5年後、10年後の未来のために土台をつくっているフェーズだと思っています。本当に世の中に大きなインパクトを与えるような事業を実現するためには、とても長い時間がかかりますが、今やっていることが、必ず次の10年に繋がるという信念があるからこそ、みんなで頑張れているのだと思います。
いつまでも終わることのない事業づくりの旅を楽しめる方へ。
金:もしかしたら、経営という言葉とはぴったり重ならないかもしれませんが、「私も含めた仲間たち全員の力を常に最大化し続けられるか?」「一つの方向へ導けるか?」という問いを大切にしています。
一人で抱え込んでしまったり、閉じこもってしまったりして、負のスパイラルに陥るということが、これまで何度か反省としてあって。逆に上手くいく時というのは、一人ひとりの力を全員で信じ合いながらみんなで前に進む一体感が、強い遠心力となって働く時なんですね。だからこそ、「チームの力を最大化できているか?」と、常に自分に問い続けています。
片岡:私自身も、一人のスーパーマンが全てを変えることなんてないと思っていて。だからこそ、チームの力で大きなムーブメントを実現していくことは常に意識しています。
別の観点で言うと、トラボックスを働きがいのある会社にしたいと思っています。今はまだ、「どうしたらお客様の本質的な課題を解決できるか?」と日々、試行錯誤しながら問い続けているフェーズで、もちろんそのなかでは苦しい思いをすることもあるのですが、一緒に働く仲間たちには、その解を探すチャレンジの過程を楽しんでもらえるようにしたいです。
また、その解を見つけた先に、日本の物流業界がどのように変わっていくのか、そうしたビジョンを、日頃からしっかりと共有していくことで、みんなが働きがいを感じてもらえるような会社を実現したいと思っています。
南:僕は、Visionalで一緒に働く仲間たちには、「事業を通して、世の中を変えることができる」「世の中にインパクトを与えることができる」ということを、ぜひ信じてほしいと思っています。なぜなら、僕自身がVisionalの仲間たちにそう信じさせてもらったからです。
新規事業において、結局一番大事なことは「決める」ことで、決めた後は、とにかく信じて行動を重ねていく、その繰り返しなんですよね。事業づくりは、終わりなき旅であって、そのジャーニーを楽しめるかどうか。
はっきりと言ってしまえば、新規事業の99%は苦しいです。ただ、皆さん、これまでの経験を振り返ってみれば、何か大きな成果を出した時、それは勉強でも部活でも同じですが、きっといろいろな苦しみを乗り越えてきたのではないでしょうか。
事業づくりも同じで、そうしたジャーニーを楽しめる方は、ぜひ、Visionalグループの各事業に興味を持っていただけたらと思います。最後に、お二人から一言ずつメッセージをお願いします。
片岡:私自身、今の日本の物流業界に対しては決して楽観的ではありません。ただ、トラボックスを通して、そうした未来を変えていきたいと本気で思っています。
ぜひ私たちに期待していただきたいですし、また、その期待を自分の手でつくり出したいと思っている方がいましたら、ぜひ一緒に働きたいです。一緒に自らを変化させながら、物流業界そのものを変えていきたいと思っています。
金:先ほど、南さんから、「新規事業の99%は苦しい」「それでも1%のために、そのジャーニーを楽しめるかどうか」という話がありましたが、すごく共感していて、私自身、何でこんなに毎日大変なのに、同時にこんなに毎日楽しくて、毎日寝る前にニヤニヤしてしまうんだろうって思うんです。
それは5年後、10年後、「お客様と、こういう会話ができていたらいいな」「メンバーたちと、こんなエピソードに喜べていたらいいな」「キックオフで、みんなに対してこんな発表ができたらいいな」と妄想しちゃうからなんですよね。
そうした未来のビジョンがあるからこそ、それを信じて前に進む力も強くなるし、その分、大変だけれど頑張れるんですよね。こうした青春のような日々を何歳になっても送ることができることを、私はVisionalから教えてもらいました。こうした私たちのビジョンに共感してくれる方と出会えたら、とても嬉しく思っています。
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