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大きな可能性を秘めた研究成果を、起業へと繋げていく。慶應義塾様との取り組み「慶應版EIR(客員起業家)モデル」について紹介します。

2022年、株式会社ビズリーチと慶應義塾様は、未来の新産業創出支援を目的に連携協定を締結し、研究成果を持つ研究者と起業をリードする経営プロ人材のマッチングをはかる「慶應版EIR(客員起業家)モデル」を始動しました。

株式会社ビズリーチのサステナビリティプログラム「みらい投資プロジェクト」(詳細は後述)の一環として始動した「慶應版EIR(客員起業家)モデル」では、起業経験者や新規事業立ち上げ経験者など、「0→1」フェーズに必要な事業計画策定・マーケティング・ファイナンス等のスキルを持つ経営プロ人材を副業・兼業で募集します。これにより、経営プロ人材は転職することなく、大きな可能性を秘めた大学発シーズに起業前から関わることができます。

そして先日、即戦力人材と企業をつなぐ転職サイト「ビズリーチ」で、第1弾となる客員起業家(EIR)の副業・兼業限定公募を行い、2名の方の採用が決定しました。

この記事では、「慶應版EIR(客員起業家)モデル」の取り組みや今後の展開についてお伝えします。


慶應義塾様との連携協定に至る背景

この取り組みの背景には、大学発スタートアップの起業における障壁の一つである「ヒト」にまつわる課題があります。有望な研究成果であっても、事業化し起業できる経営者が不在のため世の中に出ることができずにいるケースが数多く発生しています。

大学発スタートアップは、ディープテック領域を含む新たな研究成果に基づいた先端技術などを事業化するスタートアップが多く、イノベーションの担い手として大きな期待を寄せられています。そのため、大学発スタートアップは日本経済の課題である新産業創出において重要な役割を果たす存在と言えます。

そのような中、慶應義塾様は2021年にスタートアップ部門を新設するなど、大学として本腰を入れてスタートアップの創出・成長支援に注力する方針へと舵を切り、2026年までに300社のスタートアップ創出という大きな目標を掲げられています。(スタートアップ部門については、こちら。)

大学発スタートアップの起業における「ヒト」の課題に対し、慶應義塾様と当社とで連携し、課題解決に繋がる新しいモデルケースを創出していきたい。このような想いから、「慶應版EIR(客員起業家)モデル」の取り組みがスタートしました。


第1弾の公募について

「慶應版EIR(客員起業家)モデル」第1弾として、最先端の「ナノカーボンを用いた新しい集積光(ナノカーボン光源)デバイス」の世界初の実用化を目指す牧英之教授(慶應義塾大学理工学部物理情報工学科)とともに起業を進める客員起業家を、2022年12月15日から2023年1月11日まで、副業・兼業限定で「ビズリーチ」にて公募しました。

その結果、190名の応募の中から、大学発スタートアップをはじめとするベンチャー企業でのCFO経験を持つ人材と、日系大手企業で海外での新規事業立ち上げや大学発シーズ事業化の経験を持つ経営プロフェッショナル人材2名が採用されました。採用された客員起業家2名は4月に着任し、ビジネスサイドの事業戦略と、開発サイドの知財や開発関連の戦略をそれぞれ担っており、1~2年以内での起業を目指します。

《牧英之教授のコメント》
当初1名の採用を想定していましたが、研究への理解度が高く非常に素晴らしい経歴の方に数多く応募いただいたため、客員起業家2名の採用に至りました。

4月から客員起業家との活動を開始しました。客員起業家の活動開始後、我々が持つナノカーボンデバイス技術に関する情報共有に始まり、最新の技術動向調査、応用先や事業化の方法に関する議論など、ミーティングやSlack等を通じて活発に進めております。客員起業家ならではの広い視点で技術をご検討いただくことによって、我々の持つ最先端技術の社会実装が進むことを期待しております。


今後の展開について

牧教授の客員起業家公募は、慶應義塾様内においても大きな反響があったと伺っています。そのため、さっそく第2弾の公募を実施しました。

第2弾は、3名の研究者と連携させていただきました。分野は「3Dプリンター×建築」「インプラント人工腎臓」「AI×認知症」です。起業を目指すフェーズは、直近から数年後とそれぞれ異なります。分野も起業を目指すフェーズも様々な研究シーズでの同時募集となりましたが、現在は応募期間を経て、1名の研究者でEIRが決定しており、2名の研究者が選考を進めています。どのような方が決定するのか非常に楽しみです。

慶應義塾様の本取り組み責任者でいらっしゃいますスタートアップ部門長の新堂信昭特任教授と、ここまでの取り組みと今後についてお話を伺いました。

──計2回の公募を終えて、ご所感はいかがでしょうか。

「慶應版EIR(客員起業家)モデル」の取り組みについては、大学の研究シーズに基づく起業を目指す上で、大学の教員や研究者メンバーだけでは対応することが難しい要素(事業計画策定やマーケティング調査、資金調達計画など)を担えるビジネスプロフェッショナルの方に参画してほしいと思っていたので期待通りの結果です。研究シーズに対して、こんなに多くの素晴らしい方々に興味を持っていただけたことに驚いています。

複数の研究シーズの公募でEIRが決定しており事業化に向けて動き出している実感がありますが、「起業」に向けて実施すべき検討が多くまだ道半ばという思いです。

──本取り組みの将来像についてはいかがでしょうか。

2回の公募を通して、多くのビジネスプロフェッショナルの方々にご応募いただいたことが財産だと思います。この財産を更に拡大・活用して大学発スタートアップにおける「ヒト」のエコシステムを作っていきたいと考えています。

新堂特任教授もおっしゃるように、私たちも、公募を実施した研究シーズの中から起業が実現することこそが真の成果の一つであると考えています。長いスパンの取り組みにはなりますが、起業した研究シーズのご報告ができるように本取り組みは継続していきますので、今後についてもぜひご注目いただければと思います。


「みらい投資プロジェクト」について

最後に、株式会社ビズリーチのサステナビリティプログラム「みらい投資プロジェクト」について紹介します。

このプロジェクトは、教育・官公庁・NPO・新産業など、プロ人材の力を必要とする社会貢献性の高い領域を対象に、当社がパートナーと共に、社会の課題解決を通じてより良い未来の実現を目指すプログラムです。本プログラムを通じて、「未来のプロフェッショナル人材の育成」や「未来の新産業創出支援」などに取り組んでいます。

※「みらい投資プロジェクト」のこれまでの取り組みは、こちら。

・国立高等専門学校機構(高専機構)と取り組む未来のプロ人材育成「副業先生を通じた最先端教育の提供」

・宇宙航空研究開発機構(JAXA)と取り組む未来の新産業創出支援「宇宙分野に関わる人材の育成」

・公益財団法人福武財団と取り組む未来のプロ人材育成「アートを通じた学びのプログラムの提供」


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この記事の執筆担当者

藤田 美和子/Fujita Miwako
大学卒業後、化粧品メーカーで営業・企画を経験後、商業施設ディベロッパーでリーシング担当を経て、ベンチャーで事業責任者を経験。2018年8月に株式会社ビズリーチに入社。現在は、「みらい投資プロジェクト」事務局として企画・運営を担当。


「All Visional」Twitterアカウントは、こちら


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