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「事業のための法務」を100年先も体現し続ける。Visional法務室・室長&マネージャーの鼎談をお届けします。

この記事では、ビジョナル株式会社・法務室について紹介します。

「事業のための法務」というバリューを掲げる法務室は、株式会社ビズリーチの各事業を法務観点でサポートする「HR Tech法務グループ」、インキュベーション領域の各事業を法務観点でサポートする「Incubation法務グループ」、全社の特許・商標の権利化等を推進する「知的財産グループ」によって構成されています。

今回、法務室・室長の小田将司さん(写真:中央)、HR Tech法務グループ・マネージャーの中山悠さん(写真:右)、Incubation法務グループ・マネージャーの松本慎太郎さん(写真:左)にインタビューを行い、今年アップデートされた法務室のバリューに込めた想いなどについて聞きました。

※知的財産グループについては、こちらの記事をご覧ください。


プロフィール

小田 将司/Oda Masashi
2007年、東京大学法学部卒業。2008年より西村あさひ法律事務所で、M&A業務やクロスボーダー企業法務に従事。2014年には三菱商事株式会社法務部に出向し、自動車・船舶・産業用機械に関するビジネスの海外展開を法務戦略面で支援。2015年、英国ケンブリッジ大学にて経営学修士課程(MBA)を履修。2016年、株式会社ビズリーチ入社。セールス・組織開発などに携わった後、2020年2月より、法務室・室長を務める。2021年8月、ビジョナル株式会社・法務室・室長に就任。2022年8月より、ビジョナル株式会社・人事労務室・ガバナンス室の室長を兼務。

中山 悠/Nakayama Yu
2002年、日本大学法学部卒業。大学卒業後、司法書士の資格を取得し、司法書士事務所で不動産登記、商業登記業務に従事。その後、2009年よりマーケティング・リサーチを提供する上場企業にて、J-SOX対応、事業法務、コーポレート法務を担当。2022年2月、ビジョナル株式会社・法務室にエキスパート職として参画し、ビズリーチ事業をメインで担当。2023年8月より、ビジョナル株式会社・法務室・事業法務グループ(現:HR Tech法務グループ)のマネージャーに就任。

松本 慎太郎/Matsumoto Shintarou
2008年、上智大学法学部卒業。大学卒業後、司法書士の資格を取得し、2009年より司法書士法人で、不動産登記、商業登記、裁判所提出書類作成、訴訟等の業務に従事。2013年からは大学を設置する学校法人の総務・法務部門で、機関法務、コンプライアンス法務、個人情報保護法対応等を担当。2020年6月、株式会社ビズリーチ・法務室に参画。2021年6月より、同社・法務室・コーポレート法務グループのマネージャーを歴任した後、現在は、ビジョナル株式会社・法務室・Incubation法務グループのマネージャーを務める。



法務室の全員で「事業のための法務」を体現する組織体制へ。

──はじめに、中山さんと松本さんに、簡単な自己紹介をしていただきたいと思います。Visionalにジョインした理由、これまでVisionalで経験してきたこと、現在の役割について教えてください。

松本:前職で働いていた時は、もともと転職意向が強いわけではなかったのですが、なんとなく、法務パーソンとしての今後の中長期的なキャリアについて考え始めていました。そのタイミングで小田さんから声をかけてもらって、一度会ってお話ししたのが、Visionalとの最初の接点でした。

小田さんと話していく中で、「事業づくりを通して日本を強くしたい。」という熱い想いに触れ、強く共感しました。法務パーソンとしての新しいキャリアとしても、小田さんをはじめとした経験豊富な方たちと一緒に切磋琢磨し合える環境に魅力を感じて、そのまま入社を決めました。

ジョインした当時はビズリーチ事業を担当していて、そこからだんだんと担当範囲が広がってきて、また、2021年のビジョナル株式会社の上場、2023年のプライム市場変更、M&Aなど、様々な機会に携わる経験をさせてもらいました。今年の8月からは、インキュベーションの各事業を担当するグループのマネージャーを務めています。

──続いて、中山さん、お願いします。

中山:私は、もともと司法書士をやっていて、その後、前職で12年ほど、事業法務やコーポレート法務を担当してきました。前職では、組織をまとめる立場で仕事をさせていただいていて、当時は、そのままその会社に残ってもいいかなと考えていました。ただ、それまで私は法務を体系的にしっかり学んだことがなくて、40歳になるタイミングで、自分の法務パーソンとしての今後のキャリアについて立ち止まって考え始めました。

その頃に小田さんに出会い、いろいろお話を聞く中で、私も松本さんと同じように、「事業づくりを通して日本を強くしたい。」という熱い想いに心を動かされました。自分たちの世代、また、自分の子供の世代のことを考えた時に、法務パーソンとして日本のよりよい未来のために何かできることがあるのであれば貢献したいと思うようになり、Visionalへのジョインを決めました。

また、これも松本さんのお話と通じますが、多様な経験や知見を持つVisionalの法務室のメンバーと働くことによって、私自身、法務パーソンとしてもっと成長できるかもしれないと思えたことも、転職を決める大きな理由になりました。

ジョインしてからは、主に「ビズリーチ」を担当しつつ、2023年8月からは、HR Techの各事業、つまり、株式会社ビズリーチの「ビズリーチ」「HRMOS」「ビズリーチ・キャンパス」を担当するグループのマネージャーを務めています。

──前職までと比べて、Visional独自だと思うカルチャーなどがあれば教えてください。

松本:みんなで同じ方向に向かっていく、一致団結して力強く進んでいくカルチャーを強く感じることが多いです。

中山:新しいことに挑戦する人を、みんなでしっかりサポートしていく文化があって、自分が手を挙げれば挑戦させてくれるし、いろいろな仲間が率先して快く巻き込まれてくれます。逆に、手を挙げた仲間が、新しいチャレンジにどんどん自分を巻き込んでくれることも多くて、新しい学びや刺激がとても多い環境だと思います。

松本:また、各事業のメンバーはもちろん、コーポレートのメンバーも、「事業のため」という目線をとても大切にしていて、組織の違いを越えて同じ一つの方向を向いてコミュニケーションできることは、とても素敵な点だと思っています。

──FY25上期から(2024年8月から)法務室の体制が新しくなりました。それまでは、事業/コーポレートというように、法務室が大きく2つのグループに分かれていましたが、先ほどのお話の中でもあったように、FY25上期からは、株式会社ビズリーチの各事業を担当するHR Tech法務グループと、インキュベーションの各事業を担当するIncubation法務グループという分け方に変わりました。大きな組織体制の変更だと思いますが、こうした変更の背景について教えてください。

中山:根本にあったのは、法務室の全員に直接的に事業に携わってもらいたいという想いでした。

組織全体の効率性だけを考えると、これまでのように分業する、つまり、事業/コーポレートというようにグループを分けるほうがよいのかもしれません。ただ、法務室として「事業のための法務」というテーマを掲げている中で、事業に直接的に携わっている人とそうでない人がいると、感覚が微妙に合わないケースが生じ得ると思っています。

なので、組織全体の効率性をいったん差し置いてでも、法務室の全員が直接的に各事業に携わる、つまり、全員で「事業のための法務」を体現していく体制へと変更しました。

松本:別の観点で言うと、法務室のメンバーに、事業/コーポレートを一通り担当できるような法務パーソンへと成長する機会を提供したいという想いもありました。例えば、事業を見ながら、コンプライアンスや商事法務も担当する、というように、事業に携わりつつ他の法務領域の業務も回していくことによって、個々人の知見が広がるし、それがその方の中長期的なキャリアアップにも繋がると思います。

また、事業/コーポレートを一通り担当できるような法務パーソンが法務室内に増えていくことで、今後、「これまではHR Techの事業の担当だったけど、次はインキベーションの事業に挑戦してみようか。」というようなジョブローテーションを推進しやすくなります。携わる事業が変わると、新しく重ねられる経験や得られる知見が飛躍的に増えていくので、法務室の仲間には、こうした環境を存分に活用してもらいたいと思っています。

──Visional Wayの中に「変わり続けるために、学び続ける」というバリューがありますが、意図的に、学び、変わり続ける機会を創出していく、ということですね。

中山:そうですね。人間って本能的には楽をしたいと思う生き物ではあると思うのですが、とはいえ、多くの人が今後の中長期的なキャリアについて真剣に考えているし、それは法務室の仲間たちについても同じだと思います。担当する領域の幅が広くなる、もしくは、携わる事業が変わることによって、もちろん大変なことも多く出てくると思いますが、この新体制を、法務室の仲間はポジティブなものとして受け止めてくれています。

──一人ひとりがそれぞれ向き合う事業が明確になったことで、法務室全体として、今まで以上に深く「事業のための法務」を体現していく体制に変わったようにも思いました。

小田:一方で、経営メンバーからは、「もっと各事業と密接な関係性を築いてほしい。」、究極的には、「各事業の一員であるというつもりでフルコミットしてほしい。」という声も寄せられています。今は、ビジョナル株式会社に所属している法務室メンバーが、グループ各社の各事業を支援するという形をとっていますが、経営メンバーが言うように、さらに近い距離で一緒に事業づくりをしていく体制が本当は一番理想的なのだと思います。

少人数でグループ全事業を支えている今の体制では、短期的にそれを実現するのは難しいのですが、今回の組織変更は、そうした体制に繋がる大きな一歩だと思っています。

──2024年に入って、法務室として大切にする心得をまとめた「十戒」が、法務室のバリューとしてリニューアルされました。リニューアルに至る経緯や背景について教えてください。

松本:それまで長く掲げ続けていた「十戒」が次第に古いものになり、会社や事業の状況も大きく変わっていく中で法務室に新しい仲間も増えたので、一度見直そうという議論が立ち上がりました。

中山:法務の1Dayミーティングで、「十戒」を新しくリニューアルしたいと考えているという話をメンバーにしたら、3人が有志のプロジェクトメンバーとして挙手をしてくれたんです。はじめは、私もプロジェクトメンバーとして入ろうかなと思ったのですが、有志のメンバーを中心として法務室のみんなで新しいものを作っていくほうが、法務室の今後にとってきっとよいだろうと考え、その3人にリードをお任せしました。

小田:私も同じ考えで、みんなにどんどん主導権を渡したい、そうしないと、みんなの中に浸透しないバリューができあがってしまう、と考えていました。

少し話が大きくなりますが、私は、100年後もVisionalの法務室には「事業のための法務」をどこよりも体現している組織として在り続けていてほしいし、事業成長のため、社会を豊かにするために大きな価値を発揮し続けていてほしいと思っています。

仮に、私や、松本さん、中山さん、今の法務室のメンバーが全員いなくなって、その後、10年後、20年後のVisionalの法務室が、今とは悪い意味で全然違うものになってしまっていたら、それは私にとって失敗なんです。例えば、甲子園の常連校には、「逆転の●●」というように形容される高校があります。チームメンバーが入れ替わってもそのように言われ続け、勝ち続ける伝統校には、世代を超えて継承され続けるカルチャーが根付いているのだと思っています。このように、どれだけ年数が経って、代が替わっても、根柢の部分では変わらぬカルチャーを持ち続け、大きな価値を発揮し続けられる法務室であってほしい。

だからこそ、なるべく「私個人」ではなく「Visionalの法務室」を主語とした形で、メンバー全員でカルチャーをつくっていくことを重視していきたいと思っていて、今回のバリューのリニューアルも、有志のメンバーを中心に行いました。みんなで意志をもってつくりあげた言葉で表現されているので、とても素晴らしいバリューだと思っていますし、今後も、組織や時代の変化に合わせて、次々とバリューをアップデートし続けていきたいと思っています。



Visionalを100年続く会社にするために、各事業の変化・成長に本気で伴走していく。

──現在、法務室は、仲間づくり、採用活動に注力していますが、その背景について教えてください。

小田:一つ前の話と重なりますが、私はよく、「Visionalを100年以上続く会社にしたい。」と言っていて、そのためには、柱となるような事業を次々と生み出し、成長させ続けていかなければいけません。

今のVisionalは、そうした会社へと進化できるかどうかを問われる非常に大事な局面に立っていると思っていて、各事業が次のフェーズへ進むために奮闘しているのと同じように、法務室としても、今まで以上に大きな期待に応えられるような組織へと進化していかなければいけません。

各事業の変化・進化に伴い、次々と新しいことにチャレンジをしていかなければいけない中で、もちろん、今のメンバー個々人の成長も大切なのですが、各事業が法務室に求めるスピード感や幅を踏まえると、とてもじゃないけれど今の体制では対応し続けられないという現実もあります。だからこそ、新しい仲間の採用は、私たちにとってとても重要な急務です。

実はもともとは、今の各メンバーの成長を踏まえれば、各事業からの期待にしっかりと応えられると考え、その上で、少し余裕があるタイミングだからということで8月の組織変更に踏み切ったんです。ところが蓋を開けてみたら、各事業が当初想定していた以上のスピードで変化・成長していて、正直に言うと、そこは私の読みが甘かったです。各事業の変化、成長に伴い、これからもますます法務室に寄せられる期待は大きくなり続けていくと思っています。

松本:インキュベーションの各事業は特に変化のスピードが速くて、ブレイクスルーの契機を探すために次々と新しい施策にチャレンジしたり、挑戦の幅を広げたり、最先端のテクノロジーの導入にトライしています。法務室としては、そうしたスピード感はもちろん、これまで以上に多様なスキルが求められていくことになると最近特に強く感じます。

中山:HR Techの各事業について言うと、ここ1年ぐらいで、生成AIがビジネスシーンによく出てくるようになって、関連する法律が成立する間もなく、どんどんビジネスの現場で大きな存在感を放つようになっています。そうした時代の流れの中で、頭と足を止めることなく、これまで培った法務パーソンとしての総合力を駆使しつつDiveしていかなければいけません。

「やらない理由」を考えるといくらでも出てくるのですが、「できる理由」から考えて行動しなければ「事業のための法務」を体現することはできないので、私自身も、各事業のスピードに負けないように、日々学び、変わり続けている最中です。

また、今までは、各サービスに単体で向き合うことが多かったのですが、最近では、「社内版ビズリーチ」に代表されるように、サービスの垣根を越えてお客様に新しい価値を提供するケースも増えてきています。そうなると複雑性が一気に高まりますし、それぞれのサービスに関する詳細が一通り頭に入った上でないと本質的な議論ができなくなります。非常にタフではありますが、その分、法務パーソンとして得られる経験や知見も多いと思っています。

──最後に、小田さんから、現在、今後のキャリアについて検討している読者の方へのメッセージをお願いします。

小田:松本さん、中山さんのお話と通じますが、様々なフェーズの多事業に直接的に携わることができる点は、Visionalならではのポイントです。それぞれの業界ごとに違う法律が出てきて、かつ、事業ごとにフェーズが違うので、大変なことはとても多いですが、こうした環境は、そのまま、法務パーソンとしての経験の幅を広げる大きな機会と捉えることもできます。

もちろん、全てを一人で担当するのは難しい、もしくは不可能に近いですが、Visionalの法務室には、一緒に各事業の成長のために伴走する経験豊富な仲間がたくさんいます。お互い助け合ったり、新しい事業に挑戦したりする機会も多いので、法務パーソンとして本気で成長したいという方にとっては、とても大きな価値を感じていただける環境だと思っています。

私たちが大切にしている「事業のための法務」という価値観に共感していただける方がいましたら、ぜひ一緒に挑戦してもらえたら嬉しいです。



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この記事の執筆担当者

松本 侃士/Matsumoto Tsuyoshi
1991年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2014年、音楽メディア企業に新卒入社し、音楽雑誌・ウェブサイトの編集や、採用などを経験。2018年、株式会社ビズリーチへ編集者として入社。現在は、ビジョナル株式会社の社長室で、Visionalグループ全体の採用マーケティング施策を担当している。


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