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CFO・末藤が語るVisionalの現在地、そして、次の10年、20年を見据えた上での目指すべき組織像。

今回は、VisionalのCFOを務める末藤梨紗子さんのインタビューをお届けします。

末藤さんは、CFOを務めながら、Visionalの各事業の成長を支えるコーポレート組織を管掌しています。今回のインタビューでは、まず、2023年12月にグロース市場からプライム市場へ市場変更したことで新しいスタートラインに立ったVisionalの現在地について聞いた上で、今後の10年、20年のさらなる成長を見据えた上で目指したい組織像、また、Visionalのコーポレート職として大切にしたい価値観やスタンスなどについて語ってもらいました。


プロフィール

末藤 梨紗子/Suefuji Risako
ビジョナル株式会社 執行役員 CFO
慶應義塾大学卒業後、モルガン・スタンレー証券株式会社(現:モルガン・スタンレーMUFG証券株式会社)に入社。2010年にゼネラル・エレクトリック(GE)でグローバル・リーダーシップ・プログラムに参加後、マーケティングや経営戦略業務に従事。2016年よりグラクソ・スミスクライン株式会社で財務、経営戦略、コンプライアンスのエグゼクティブを歴任。2019年、株式会社ビズリーチに入社。2020年2月、ビジョナル株式会社執行役員CFOに就任。2023年5月、株式会社ビズリーチの取締役を兼任。


いつの時代においても、一人ひとりの仲間が輝き続けられる組織でありたい。

──2023年12月、Visionalはグロース市場からプライム市場へ市場変更しました。Visionalの現在地について、今一度、末藤さんの考えを聞かせてください。

日本を代表するような名だたる企業様が並ぶプライム市場の一員となれたことによって、改めて気が引き締まりました。ただ、2021年にグロース市場に上場した時から、その後にプライム市場に上場した時も、私が目指したい当社の姿は変わっていません。それは、歴史を創り続けるためにチャレンジし続ける組織でありたいということです。

この先もVisionalは、5年、10年、20年と社会にインパクトを与え続け、人を惹き付ける会社であり続けたいと思っています。私は、そうなれる可能性を感じていますし、また、COVID-19のような予期せぬ試練が今後再び訪れたとしても、しなやかに乗り越え、より強くなれる、そうした柔軟性を持っている会社だと思っています。

──よく南(壮一郎)さん(Visional代表)も、「プライム市場への上場は新しいスタートラインに過ぎない。」と言っているように、ここから長期を見据えてさらなる成長を続けていく、というVisionalの想いが、今の末藤さんの話から改めて伝わってきました。

ありがとうございます。先ほど私は、「歴史を創り続けるためにチャレンジし続ける組織でありたい。」とお伝えしましたが、Visionalは、2020年2月にホールディングス体制に移行した際にも、また、上場した際にも、「みんなが創業メンバー」という言葉を使っています。今Visionalにいる一人ひとりの手によって、そして、私たちのこれからの努力次第で、いかようにでも当社の未来が創れる、そんな場所だと思います。

──末藤さんは2019年にジョインしていますが、現在に至るまでの約5年間のVisionalの歩みをどのように捉えていますか? 

約5年も経ったとは思えないほど、あまりにもあっという間という感覚ですが、振り返ってみると、Visionalは、本質的に変わり続けることを恐れないところにこそ、その強さがある会社だと思います。絶え間なく変わり続けていく世の中において、本質的な課題は何か、本当に価値あるもの・ことは何かを徹底的に問い続け、その価値をお客様にお届けするために、誰よりも私たち自身が学び続け、変わり続ける。その繰り返しの日々だったような気がします。

私は、チームに対して、プロフェッショナルであれ、アウトプットドリブンであれ、という話をします。それぞれの領域において学び続け、誰よりもその領域のプロになる。切磋琢磨できるこの環境だからこそ、5年間があっという間だったのだと思います。私は、日々、自分自身に対しても、そしてチームに対しても、「ストレッチ(成長)していますか?」と問うことを大事にしています。せっかく人生の大事な時間を過ごしているのだから、昨日の自分より、今日の自分は成長していたい。また、アウトプットドリブンであること、つまり、答えを出す、結果を出す、変革をもたらすことで、Visionalがより早く、正しく、前に進めるように貢献することを大切にしています。

これらは、必ずしも一人ではできません。それは経営チームにおいてもそうですし、私が管掌するコーポレートの各組織においても同じですが、信頼関係がある仲間がいるからこそ正しい判断ができる、安心して仕事ができる。私のチームは背中を預け合える存在ですし、万が一、間違った判断をしそうになった時は、きっと周りの仲間が声を上げてくれると信じています。もともと優秀な人材が集まっているチームだと思いますが、それがこの5年間で個としても、チームとしても、さらに強くなったように思います。

──今後の5年、10年、20年を見据えた時、Visionalの中長期の課題とはどのようなものなのでしょうか? 

正直、世の中が絶えず変わり続けている中で、5年後、10年後、20年後の潮流を予想して、そこから逆算して課題をピン留めすることはとても難しいと感じています。ただ私の中で、中長期を見据えた時に、こういう組織をつくっていきたいというビジョンははっきりしています。

私が実現したいのは、この先、世の中や事業の在り方がどのように変わっていったとしても、一人ひとりの仲間が力を発揮し続けられる、言い方を変えると、輝き続けられる組織です。会社とは人の力が成す集合体だと考えていて、私は、最終的に重要になってくるのは、Visionalに集まった仲間たちの力だと思っています。Visionalは、どのような時も、各事業・各組織の最前線を担う一人ひとりの仲間たちが持てる力を最大限発揮できる、そうした強い組織であり続けたいと思っています。

──「強い組織」という言葉が出ましたが、その定義について具体的に聞かせてください。

1つ目は、Visional Wayのバリューで言うところの「価値あることを、正しくやろう」の観点で、一人ひとりが自律的に考え、正しい判断ができる組織です。VUCA(「Volatility・変動性」「Uncertainty・不確実性」「Complexity・複雑性」「Ambiguity・曖昧性」のため将来の予測が困難な状態を表す言葉)の時代と言われる昨今においては、起こり得る全ての事象を予め可視化して、イエス・ノーの基準作りをすることは現実的に不可能です。だからこそ、ルールベースではなく、プリンシプルベースで考えられる組織、つまり、事細かく明文化されたルールがなくても、各事業・各組織の最前線を担う仲間たちが、大枠の判断基準・方針が決められた中において、自律的に、正しい判断・行動ができるような組織でありたいです。

さらに踏み込んでいうと、正しい判断というのは、リスクをゼロにする判断では必ずしもありません。何か新しいことをする上で、リスクは当然に取るものです。だからこそ、どういうリスクがあるかをきちんと理解した上で、適切にリスクを取っていく。「計算されたリスク」をスピード感を持って取ることが求められるからこそ、プリンシプルに照らし合わせて考えるという癖をつけることが大切です。

2つ目は、Visional Wayのバリューで言うところの「事業づくりは、仲間づくり」の観点で、それぞれの所属の垣根を越えて、お互いに巻き込み、巻き込まれ合う組織です。例えば、事業づくりを通して世の中に大きなインパクトを与えていくためには、事業とコーポレートは、対等な二人三脚のような関係で、それぞれの想いや志を理解し合い、お互いの目線を合わせた上で連携を深めていく必要があります。各々が自分たちの枠組みや論理に囚われることなく、同じ方向を目指してワンチームとして協働できる、「どうやったらできるか」を事業もコーポレートも一緒に考えられる、そうした組織を目指し続けていきたいです。

そして3つ目が、Visional Wayのバリューで言う「変わり続けるために、学び続ける」の観点で、「居心地が悪いこと、違和感に対して、心地良くあれ。」という考え方を大事にしている組織です。世の中が常に変わり続けていく中で、自分にとって居心地の良いところにとどまり続けることは、見方を変えれば自分だけ変わっていない、つまり後退している可能性があります。だからこそ、コンフォートゾーンを飛び出し、居心地が悪いことに慣れ、常に新しいチャレンジをし続けていく。そうした考え方を共有している組織を目指し続けたいです。だからこそ、「ストレッチ(成長)していますか?」という問いを大事にしています。一方で、人生は様々なライフステージがあり、キャリアはマラソンなので、その時々におけるご自身の物差しでチャレンジしていくことが大切だと思っています。

組織が大きくなっていく中では、属人化を排除して、仕組み化をする動きが進んでいきます。もちろん、仕組み化そのものはとても大切なことなのですが、世の中の変化を正しく捉えられないと、その仕組みはすぐに使えないものになってしまいます。先ほどのVUCAの話と通じますが、これからの時代においては、コーポレートという組織においても、既存の仕組みに甘んじることなく、常に仕組みをアップデートし続けることが求められますし、一人ひとりのそうした行動の積み重ねによってこそ、私たちは時代の変化を正しく捉えながら、今はまだ想像もできない未来を創ることができるのだと思っています。



同じ志を持つ仲間と一緒に、今はまだ想像もできないような大きな可能性を実現していく。

──これまでのお話を踏まえた上で、Visionalグループにおいてホールディングスカンパニーの存在であるビジョナル株式会社は、中長期的にどのような組織であるべきだと考えていますか? 

まず前提として、ビジョナル株式会社は、純粋持株会社であり事業運営そのものを行っておらず、Visionalグループの各事業の成長を支えるコーポレート職を中心とした仲間が所属している会社です。各事業の規模やフェーズはそれぞれ異なるが故に、コーポレート職の皆さんは、それぞれに合った、柔軟性を持った対応が常に求められます。

先ほどのお話にも通じますが、それぞれの事業の視点に立ち、積極的に巻き込み、巻き込まれながら、また、必要に応じてリスクを取りながら、事業を前へ進めていく。HR Tech、M&A、物流Tech、サイバーセキュリティと領域も事業ステージも多様なため、事業と向き合う上では、全事業共通の物差しで判断する場合と、そうではない場合をきちんと使い分け、柔軟な思考をする必要があることは大変ではありますが、その分、ビジョナル株式会社で働く楽しさややりがいを感じられるはずです。

──これまでのお話を聞いていて、誰よりも末藤さん自身がVisionalで働くことを楽しんでいるように感じました。

ありがとうございます。私は経営としての立場で、各事業・各組織の未来を創っているという手触り感を様々なシーンで感じ取ることができています。ただ、そうした感覚を得られているのは、私だけではなく、それぞれの組織で働いている皆さんもきっと同じだと思います。Visionalグループの多くの組織は比較的フラットであるために、一人ひとりが担う役割が大きく、風通しが良いと思います。

「働くことを楽しんでいるよう」とおっしゃってくださいましたが、その一番の理由は、取り組んだことがない新しいチャレンジに仲間たちと取り組み、お互いが知恵を持ち寄ることで一人では成し得なかったことを実現し、それを通してより良い未来を描くきっかけをつくることができた、と信じられているからだと思います。我々として日々学び、成長し続けながら、さらに、これから新しく参画してくださる方が、今の私たちにない経験や知見、専門性をもたらしてくださるのでは、という未来に対するワクワク感もある。だからこそ、すごく楽しいんです。

また、個人的な話にはなりますが、約4年前のパーソナルヒストリーインタビューでお話しした私自身のライフミッション「世のため、そして日本のために」貢献したいという考えと、Visionalグループの各事業が実現を目指すビジョンや掲げるミッションが深くリンクし合っていることも、私がVisionalで働く意義を強く感じられている理由です。

例えば、株式会社ビズリーチのHR Tech領域の各事業は、日本の採用や働き方、自己実現の在り方を大きく変えようとしていますし、M&A、物流Tech、サイバーセキュリティの各事業も、それぞれの領域において世の中に新たな価値をもたらそうとしています。こうしたVisionalグループの各事業の成長に貢献できることも、私がここで働き続けたいと思う理由であり、また、約5年が経った今も、次々と新しいチャレンジをし続けたいと思える理由です。

──パーソナルヒストリーインタビューの時も感じましたが、改めて、末藤さんの強い想いが伝わってきました。

もちろん、これまでの約5年の中では、大変なことや辛いと思うことも数多くありました。時には、Visionalの未来のためと信じて、困難な道をあえて選んだこともあります。それは、Visionalのより良い未来を創るためにはその道を進むべきという強い気持ちがあり、本質的に正しいと思うことを実行することの大切さをこの5年間でさらに学びました。

そしてVisionalには、私のそうした気持ちを受けて、困難な道を一緒に歩んでくれる仲間たちがいます。先ほどの「事業づくりは、仲間づくり」の話にも通じるのですが、たった一人の力で実現できることは多くはないけれど、同じ志を持つ仲間たちと一緒であれば、きっと今はまだ想像もできないような大きな可能性を実現することができる。繰り返しにはなりますが、そうした志を共にできる仲間たちと一緒に働けていることが何より嬉しいですし、一人ひとりがそれぞれの志を大切に持ち続けてほしいと思います。


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この記事の取材担当者

松本 侃士/Matsumoto Tsuyoshi
1991年生まれ。慶應義塾大学総合政策学部卒業。2014年、音楽メディア企業に新卒入社し、音楽雑誌・ウェブサイトの編集や、採用などを経験。2018年、株式会社ビズリーチへ編集者として入社。現在は、ビジョナル株式会社の社長室で、Visionalグループ全体の採用マーケティング施策を担当している。


この記事の執筆担当者

伊藤 友里/Ito Yuri
大学卒業後、株式会社ワコールに新卒入社。その後、JASDAQ上場の不動産会社、外資系IT企業の広報を担当。東日本大震災後、総合マーケティングコンサルティング会社にて、企業PR・ブランディングのコンサルタントを務め、2020年、株式会社ビズリーチへ入社。現在は、ホールディングス広報として、メディア運営、インターナルコミュニケーション、リスク・クライシスコミュニケーションの業務に従事している。


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