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全国の小学生を対象にした「第4回海洋インフォグラフィックコンテスト」に参加してきました。「ビズリーチ賞」は神奈川県の小学4年生が受賞!

「海洋インフォグラフィックコンテスト」は、公益財団法人日本財団が主催する「海と日本プロジェクト」の一環として、海に関する課題や海の恵みの素晴らしさを発信していくために開催されているコンテストです。

全国の小学生を対象に、海についての研究レポートを募集し、選考を通過した作品は、応募者とプロのデザイナーが協力して本格的なインフォグラフィック(複雑な情報やデータを、視覚的に伝えるためにイラストや表を用いた表現方法)を制作します。

株式会社ビズリーチでは、サステナビリティプログラム「みらい投資プロジェクト」(詳細は後述)の一環として、「未来のプロ人材を育てる」「未来の新産業を創る」「未来の環境を守る」を重点課題に据えた活動をしており、世界的に深刻化する海洋環境課題の解決を取り組みテーマの一つとして掲げています。

ビズリーチは、海洋インフォグラフィックコンテストの、豊かな海を未来へ引き継ぐための発信を強化するとともに次世代人材の育成を目指す、という理念に共感し、2023年から同コンテストに参加をしています。(2023年のレポートは、こちら。)

今回は、2024年9月21日に開催された第4回海洋インフォグラフィックコンテストの最終審査の模様をレポートするとともに、ビズリーチ賞を受賞した作品についてもご紹介します。



「仕事」を通して、海を守ることについて考えてみる。

海洋インフォグラフィックコンテストは、レポート募集前の2024年5月に公開される「海洋オンラインセミナー」からスタートします。小学生が、レポート制作の参考になる情報や、レポート作成の方法を学ぶことができる内容です。協力企業からも、自社サービスと海との関わり、海洋課題の解決に向けた取り組みを紹介しています。

ビズリーチからは、「お仕事を通して、海を守ることについて考えてみよう」というテーマで説明を行いました。海には多くの仕事があり、その仕事を知ることで、新たな視点での海との関わり方が見えてくるかもしれないというメッセージをお伝えしました。

また、海にまつわる仕事をしている人へのインタビューを想定し、理解を深めるためのツールとして「お仕事インタビューシート」を提供しました。これまでのみらい投資プロジェクトの企画においてもお仕事インタビューシートを提供していましたが、今回は、デザインを海仕様にリニューアルし、公式ホームページ上で無料配布を行いました。

海洋オンラインセミナーの動画内では、実際にお仕事インタビューシートの活用例として、協力企業の一つであるAOAO SAPPOROの支配人である浅井洋平さんと、第3回コンテストで最優秀賞を受賞した石野立翔さんにご協力いただき、実際のお仕事インタビューも実施されました。

セミナーの様子はYouTubeで公開されていますので、ぜひご覧ください。


夏休みに、小学生とプロのデザイナーが共同でインフォグラフィックを作成。

海洋オンラインセミナーの配信から約2ヶ月の応募期間を経て、2024年7月19日に応募が締め切られました。今回も、全国の小学生から多数の応募があり、一次選考を通過した9作品が最終審査に進みました。

最終ノミネート者は、プロのデザイナーとペアを組み、夏休みの約1ヶ月をかけて、インフォグラフィックを制作します。オンラインで複数回の打ち合わせが行われ、小学生が研究レポートの内容をデザイナーに共有し、制作上のこだわりや加えたい要素などを説明しました。デザイナーも、応募者の意見を尊重しつつ丁寧にヒアリングを行い、イメージのすり合わせや、イラスト案の確認などを進めました。

最終ノミネート者は、インフォグラフィックの制作と並行して、東京で行われる最終審査でのプレゼンテーションの準備も進め、9月21日の本番に臨みました。


テーマは、洋上風力の促進からウニ殻でのアジフライの作成まで。

最終審査当日、天候は晴れ。会場となる東京都港区の東京ポートシティ竹芝には、過去3回のコンテストで制作されたインフォグラフィック60点が展示され、来場者を出迎えました。

最終審査の開始数時間前から、発表を控えた小学生たちは、控室や会場後方のスペースなどを使ってプレゼンテーションの練習を繰り返し行っていました。

14時30分、司会を務める岸壁幼魚採集家の鈴木香里武さんとフリーアナウンサーの福田典子さんが登場して、最終審査がスタート。ノミネートされた小学生9名のプレゼンテーションが始まります。

各自の持ち時間は10分。会場に詰めかけた大勢の観客を前に、いずれの小学生も堂々と、自分なりの表現を駆使して発表を行いました。単にインフォグラフィックの説明をするだけではなく、現地視察で撮影した写真や現地で録音した音を使ったり、手作りのイラストや紙芝居、発電機の模型を持ち込んだりと、各候補者が個性を活かしたプレゼンテーションを繰り広げました。

取り上げている研究テーマも多岐にわたり、ふるさと納税で届かなかった海苔をきっかけに海の環境を変化を調べたり、藻場を荒らすウニの殻を利用したアジフライの提案、再生可能エネルギーとして注目される洋上風力発電の促進案などが発表されました。いずれの発表も海が抱えている課題について独自の視点でまとめられていました。

プレゼンテーションの後は、審査員からの質問タイムです。審査員は、海や魚、インフォグラフィックの専門家と協力会社の代表などが務めます。研究テーマを設定した背景の深堀りや、調べたデータソースのチェック、現地で行った実験の条件確認など、まるで一線で活躍する研究者と向き合うかのようなコミュニケーションが重ねられ、大人顔負けのやり取りが繰り広げられました。

発表者は、衣装や小道具にも工夫を凝らし、魚屋さんの前掛けをしている人もいれば、腕に手作りのマメコブシガニのぬいぐるみをつけたり、海を守るヒーローの衣装を着たりと、自分が伝えたいメッセージを全力で表現しようという姿が見られました。


「ビズリーチ賞」は、神奈川県の小学4年生が受賞。

プレゼンテーションが終了し、審査員による最終審査が行われます。審査員たちは「発想力」「研究内容」「研究の思い」「発信力・表現力」などの観点から、大賞と各特別賞を決めていきます。

白熱した議論の結果、ビズリーチ賞には、神奈川県の小学4年生・武田龍ノ助さんと、デザイナーの河合晴義さんが制作した「なにげなく出されるごみが奪う海洋生物の命」が選ばれました。

武田さんは、マイクロプラスチックのニュースを見たことをきっかけに、大好きなアザラシに与える影響を心配し、新江ノ島水族館の方に話を聞きに行きました。そこでマイクロプラスチックだけではなく、ビニール袋やペットボトル、石油由来の成分で作られる不織布のマスクなども海洋生物の命を脅かしていることを知りました。そこからさらにリサーチをし、実際にプラスチックゴミが多くの海洋生物の生命を脅かしている事実を知ります。その現実を多くの人に伝えるために、プラスチックゴミと海洋生物への影響をインフォグラフィックにまとめました。

作品の中央にあしらわれたのはジンベエザメで、魚類で最も大きいにもかかわらず実は喉が500円玉ほどの大きさしかなく、プラスチックのゴミが引っかかると命を落とす危険性があることを、メインビジュアルで伝えています。そして、課題を自分ごととして捉えた上で、自分たちができるアクションは何かを考え、ゴミを出さないようにするエコバックの利用や水筒の利用をしよう、というメッセージを下部に配置しています。

審査員からは下記の講評を得ていました。

・身近な事例を織り交ぜてのプレゼンテーションになっていて分かりやすかった。
・伝えたいメッセージをジンベエザメにフォーカスすることで、見る人の注目を集めていた。
・課題をまとめるだけではなく、プラスチックゴミをなくすための具体的なアクションまで表現できていた。

今回ビズリーチ賞を受賞した武田さんからは、以下のようなコメントをもらいました。

武田龍ノ助さん(小学4年生)
ビズリーチの加瀬澤さんが、自分ごとって言葉をすごく分かってくれて、賞をくださって、ぼくの発表から伝わってくれたのがすごくうれしかったです。たくさんの人が見にきてくれて発表を聞いてくれてすごくうれしかったです。

ビズリーチ賞を受賞した武田さんの作品は、紙製のオリジナルクリアファイルにプリントされ、ビズリーチ社の社員による商談や展示会、新卒採用活動などで活用されます。クリアファイルのデザインにはあまりない色味のため、手に取った方は驚くかも知れません。しかし、その驚きも含めて、武田さんが表現した「危機感」と、それを解決するための「自分ごと」としてのプラスチック問題へのアプローチが、多くの人に影響を与えることを期待しています。


武田龍ノ助さんと
ビズリーチ・加瀬澤さんの2ショット


一人ひとりの「自分ごと」の意識が未来を変えていく。

今回のコンテストを通して、小学生たちの豊かな発想力と、海洋環境への真剣な思いに触れ、深く感銘を受けました。最終審査で取り上げた研究テーマやプレゼンテーションは、どれも非常にユニークで、大人である私たちにも新たな気付きを与えてくれるものでした。

特に、ビズリーチ賞を受賞した武田龍ノ助さんの作品は、マイクロプラスチック問題に対する強い危機意識と、「自分ごと」としてアクションをとるんだというメッセージが印象的でした。

私たち一人ひとりが普段の生活の中で、地球の環境問題を「自分ごと」として捉え、その保全のために少しでも行動をとること。そうした些細なことでも世界を変える力があるんだということが伝わったらと思います。今後も多くの方にこのような発信が広がり、海洋環境保全への関心がさらに高まることを願っています。

ビズリーチでは、これからもみらい投資プロジェクトを通じて、未来を担う若者の育成と、持続可能な社会の実現に向けた活動を推進していきます。


「みらい投資プロジェクト」について

最後に、株式会社ビズリーチのサステナビリティプログラム「みらい投資プロジェクト」について紹介します。このプロジェクトは、教育・官公庁・NPO・新産業など、プロ人材の力を必要とする社会貢献性の高い領域を対象に、当社がパートナーと共に、社会の課題解決を通じてより良い未来の実現を目指すプログラムです。本プログラムを通じて、「未来のプロフェッショナル人材の育成」や「未来の新産業創出支援」などに取り組んでいます。

※「みらい投資プロジェクト」のこれまでの取り組みは、こちら。

・国立高等専門学校機構(高専機構)と取り組む未来のプロ人材育成「副業先生を通じた最先端教育の提供」

・宇宙航空研究開発機構(JAXA)と取り組む未来の新産業創出支援「宇宙分野に関わる人材の育成」

・公益財団法人福武財団と取り組む未来のプロ人材育成「アートを通じた学びのプログラムの提供」

・慶應義塾と取り組む未来の新産業創出支援「慶應版 EIR(客員起業家)モデル・世界レベルのスタートアップ企業創出」


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この記事の執筆担当者

佐藤 智洋/Sato Tomohiro
株式会社ビズリーチ・社長室・企画推進グループ所属。官公庁や民間企業の人材採用支援と、「みらい投資プロジェクト」の運営事務局として企画・運営を担当している。プライベートでは地元ラグビーチームでコーチを務める。


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