親子でキャリアや進路について考える機会を創出していく。山田進太郎D&I財団様と開催したキャリアイベントに込めた想いをお伝えします。
2024年10月10日、株式会社ビズリーチは、公益財団法人山田進太郎D&I財団様と、誰もが自身の能力を最大限に発揮できる社会の実現に向け、次世代の人材育成を支援することを目的とした連携協定を締結しました。
そして同日、山田進太郎D&I財団様とビズリーチの取り組みの第1弾として、STEM(Science 科学、Technology 技術、Engineering 工学、Mathematics 数学の頭文字をとった言葉で、いわゆる「理系」や、その中でも特に「理工系」の分野を指す)分野への進学に興味を持つ女性を増やすことを目的としたキャリアイベントを開催しました。
イベントのテーマは、「STEMの学びにより、キャリアの選択肢と可能性がどのように広がるか」です。日本で女性のSTEM分野の大学への進学率が低い背景には、身近なロールモデルの不足だけでなく、「理系進学は女性には向かない」といった日本社会のアンコンシャスバイアス(無意識の偏見・思い込み)があると言われています。
このイベントでは、まずはデータや事例をもとに、STEM分野進学後のキャリアの選択肢と可能性について正しく知っていただくとともに、親子でキャリアや進路について考える機会を創出することで、今後のSTEM分野への進学を促進することを目指しました。当日は、約80名の中高生の保護者、また、中高生が参加しました。
イベントの詳細は、こちら。
今回、このイベントの企画に携わった栗島優希さん(トップ写真:右)、また、イベントのコンテンツの一つ「理系の学びと、キャリアの選択肢と可能性」に登壇したビズリーチ事業部の宮本千聡さん(トップ写真:左)にインタビューを行いました。
はじめに、ビズリーチのサステナビリティプログラム「みらい投資プロジェクト」(詳細は後述)の一環として、ビズリーチがキャリア教育の施策に取り組む理由、今回のイベントが実現に至る経緯について聞き、その後、当日のイベントを通して感じたことなどを振り返ってもらいました。
プロフィール
次の世代の方たちに、自分が好きなことや挑戦したいことを選んでいくことの大切さを伝えていきたい。
──はじめに、「みらい投資プロジェクト」の一環として、ビズリーチがキャリア教育の施策に取り組んでいる理由について教えてください。
栗島:株式会社ビズリーチは、「キャリアに、選択肢と可能性を」というミッションを掲げていて、「ビズリーチ」は社会人向けに、「ビズリーチ・キャンパス」は大学生向けに、様々な選択肢とその先にある可能性を提示しています。ただ、これらのサービスの対象は大学生から。私たちは、それより手前の中高生などの段階で、世の中のいろいろな仕事に興味を持ってもらうような活動が必要だと考えました。
「知らない仕事に就くことはできない」と学生さんにもお伝えしているのですが、当たり前のことではあるものの、いろいろな仕事について知っていないと将来キャリアを選択する時に選択肢にすらならないので、まずはそれらを一つでも多く知ることが大事だと思っています。私たちはそうした想いを持ちながら、中高生の皆さんの将来的なキャリアの選択肢を広げてもらうためのキャリア教育の施策に取り組んでいます。
これをサステナビリティプログラム「みらい投資プロジェクト」の一環として実施しているのは、学生の皆さんにキャリア教育の機会を提供することが、未来のプロフェッショナル人材を育成することにも繋がると考えているからです。マクロな目で見ると、それはそのままビズリーチの各サービスの持続性、引いては、日本のより良い未来に繋がると考えています。
──これまで取り組んできたキャリア教育の施策について教えてください。
栗島:象徴的な例として、全国の教育機関向けに、中高生向けキャリア教育支援ツール「みらいDESIGN Kit」を無償で提供させていただいています。
このキットは、世の中やキャリアに関するデータを集めた「FACT BOOK」、周囲の働く大人へのインタビューを通じて仕事を知ることができる「お仕事インタビューシート」、インタビューを通じて学んだことを整理し、将来について考えるためのワークシート「みらいDESIGNシート」によって構成されています。(詳しくは、こちら。)
まずは、一つでも多くの仕事を知る。そして、学んだファクトをもとに未来についての仮説を立てて、自身の将来のキャリア選択について考える。そうした機会を中高生の皆さんに提供するキットとなっています。
──こうした施策を株式会社ビズリーチとして取り組む意義や、ビズリーチが提供するからこその価値について、どのように考えていますか?
栗島:私たちビズリーチは、ダイレクトリクルーティングを唱え、その普及を進めてきた中で、この十数年における世の中の変化や人々のキャリア観の変化に向き合い続けている会社です。そうした私たちだからこそ、キャリアには正解がないということも含めて、全国の中高生にお伝えできることがあると思っています。
──今回、キャリア教育の施策の一環として、公益財団法人山田進太郎D&I財団様(以下、財団様)とのイベントが行われました。まず、財団様と連携することになったきっかけについて教えてください。
栗島:財団様と初めて接点を持ったのは、2023年、「ビズリーチ」上の公募を通して人材採用のご支援をさせていただいた時でした。その公募を通して、現在常務理事COOでいらっしゃる石倉(秀明)さんをはじめ数名の方が財団様にジョインされて、財団様の事業拡大がさらに進んでいきました。
その流れの中で、再び何かご一緒できることはないかとお話ししたのが、今回のイベントに繋がる最初のきっかけでした。財団様は、「好きなことをやろう」というメッセージを掲げられていて、誰もが自分自身の能力を最大限に発揮できる社会を目指されています。そうした姿勢は、自分らしくはたらける社会を目指すビズリーチと非常に親和性が高いと思っていまして、だからこそ、お互いの強みを活かした企画をご一緒にできるのではと考えました。
お話を重ねていく中で、ビズリーチの強みの一つがキャリアに関するデータを持っていることなので、それを活用した発信ができるといいのでは、という方向性になり、最終的に、現在、財団様の注力テーマの一つである「女性のSTEM(理系)分野での活躍推進」をテーマとしたイベントを行うことに決まりました。
中高生女子の皆さんと、その保護者の皆さんに向けて、データや事例を提示しながら、STEM分野進学後のキャリアの選択肢と可能性について知っていただく機会、また、親子でキャリアや進路について考える機会を提供する。そうした目的で当日に向けて準備を進めていき、その過程で、ぜひ宮本さんにも登壇してほしいと考え、お声がけさせてもらいました。
──宮本さんに登壇を依頼した理由について教えてください。
栗島:キャリアのデータに関するお話をしてもらうことになるので、ビズリーチの中でも特に採用市場に精通された方にお願いしたいという考えがまずありました。また、今回は「女性のSTEM進学」というテーマのため、このテーマに思い入れのある方、そうしたキャリアについて深い理解がある方にお話をしてもらえたら伝えたい内容がよりシャープになると思い、そうした人を社内で探す中でお会いできたのが宮本さんでした。
宮本さんは、理系の中でも特に女性が少ないとされている物理学を専攻されていて、新卒で理系職に就かれ、その後、人材業界にキャリアの場を移し、企業の採用支援と個人の転職支援の両面でキャリアを積んでこられている方です。かつ、宮本さんご自身が中学1年生の娘さんのお母様でもいらっしゃり、全てがぴったりだったので、ぜひお力添えをお願いしたいなと思って思い切って依頼させていただきました。とても快く引き受けてくださって、嬉しかったです。
宮本:私はもともと、ビズリーチの「キャリアに、選択肢と可能性を」というミッションに惹かれてこの会社に入った経緯もあり、今回、学生の皆さん、また、その保護者の皆さんに、キャリアについての情報を知る機会を提供できる場にお声がけいただけて、とても光栄でした。
自分自身が理系出身で、エンジニアから営業にキャリアチェンジした経緯もあるので、理系に関する仕事だけではなく、やりたいことがあれば、理系の強みを活かしながらいくらでも挑戦できる可能性があることを、当事者として伝えられる立場なのかなと思ったので、ぜひお引き受けさせていただきたいと即決でお返事しました。
また、先ほど栗島さんからご紹介があったように、私自身が中1の娘の母なので、このイベントにすごく賛同したんです。自分の娘や次の世代の方々に、多くの人が選んだ道だけが正しいのではなくて、自分が好きなこと、挑戦したいことを選んでいくことが大事なんだよ、ということを伝えていきたいという想いがあって、それを、ビズリーチが保有するデータをうまく活かしながら説得力をもって伝えられるのであれば、とても素晴らしい機会になるはずだと思いました。
固定観念やラベリングに囚われたり縛られたりすることなく、誰もが自分らしい選択ができる社会を目指す。
──当日、参加者の皆さんからどのような反響がありましたか?
栗島:保護者のご参加者から、「理系のイメージが大きく変わりました。」「文系が多いと思っていた仕事でも、理系から進む選択肢があることに気付けました。」「自分が好きなことを選択することが大切というメッセージに、安心しました。」といったお声を多くいただくことができました。
今回、宮本さんをはじめ、ご登壇者の皆様がそれぞれの観点からお話をしてくださったのですが、そのように多面的にメッセージをお伝えできたことが、参加者の皆さんの安心感に繋がったのではないかと思っています。
宮本:ある方は、参加する前は、「昔と就活の事情が大きく変わっている中で、理系の学部を選んだら就活の時にどういうキャリア選択ができるのか、娘に自信を持って答えられなかった。」と考えられていたものの、今回参加してみて、「やっぱり、娘が興味関心を持つ理系分野への進学を自信を持って応援していいんだ。」と考えが変わったとおっしゃってくれました。まさに、そうした気付きを提供することを目的としていたので、伝えたかったメッセージがしっかり伝わってすごくよかったなと思っています。
栗島:当日を振り返ると、実際に理系出身でキャリアを積まれてきた宮本さんが、ご自身の経験を交えながら話してくださったからこそ、参加者の皆さんにとって説得力のあるお話として響いたのではないかと思っています。
宮本:ありがとうございます。また、今回、参加者の皆さんとお話しする中で改めて感じたことが一つあります。それは、ビズリーチが社会に提供しているサービスやツールの多様さで、例えば、ある仕事について理解を深めたいという中高生・保護者の方に「お仕事インタビューシート」を紹介したり、大学への進学を控えた方に「ビズリーチ・キャンパス」を紹介したり、というように、それぞれの方に合わせてビズリーチの各サービスやツールを紹介することができました。キャリアに伴走するサービスが数多く揃っていて、「『キャリアインフラ』になる」というビズリーチのビジョンを今まで以上に深い実感をもって感じることができました。
栗島:当日のコンテンツの準備にあたっては、財団様・ご登壇企業様と連携させていただいたことはもちろん、社内のいろいろな事業部や組織の方の協力が不可欠でした。ほんの一例ですが、理系の就活生に関する最新の情報を発信するために、新卒事業部の紹介で大学生の方たちにヒアリングをさせてもらったり、理系出身者が担う仕事をよりリアルにお伝えするために、ビズリーチ事業部の仲間がお客様と連携して仕事例をご紹介くださったり。そうした協力・連携があったからこそ、当日、多彩な事例やデータを参加者の皆さんに提供することができました。今回、仲間のありがたさを改めて感じましたし、宮本さんがおっしゃったように、「『キャリアインフラ』になる」ことを目指すビズリーチだからこそ実現できたコンテンツになったと思います。
──最後に、今後の活動について教えてください。
栗島:今回は一日限りのイベントでしたが、やはり、中高生の方たちにとっては、キャリアについて考えたり学んだりする機会は一つでも多いほうがいいと思っているので、今後も引き続き、今回のようなビズリーチだからこその機会を提供していきたいです。
私自身、固定観念やラベリングに囚われたり縛られたりすることなく、誰もが自分らしい選択ができる社会を目指したいと思っていて、その上でキャリア教育の施策はとても重要な役割を果たすと考えているので、引き続き、一つでも多くできることをやっていきたいです。
宮本:私もラベリングのない社会の実現を目指したいと考えているので、今後も何かできることがあったら協力させていただきたいと思っていますし、社内にも同じように考え、協力してくれる人は多いと思います。
栗島:ありがとうございます。今回のように、社内の仲間たちの協力なくしては実現できないことも多いので、今後とも様々な機会で連携していけたら嬉しいです。
「みらい投資プロジェクト」について
最後に、株式会社ビズリーチのサステナビリティプログラム「みらい投資プロジェクト」について紹介します。このプロジェクトは、教育・官公庁・NPO・新産業など、プロ人材の力を必要とする社会貢献性の高い領域を対象に、当社がパートナーと共に、社会の課題解決を通じてより良い未来の実現を目指すプログラムです。本プログラムを通じて、「未来のプロフェッショナル人材の育成」や「未来の新産業創出支援」などに取り組んでいます。
※「みらい投資プロジェクト」のこれまでの取り組みは、こちら。
・国立高等専門学校機構(高専機構)と取り組む未来のプロ人材育成「副業先生を通じた最先端教育の提供」
・宇宙航空研究開発機構(JAXA)と取り組む未来の新産業創出支援「宇宙分野に関わる人材の育成」
・公益財団法人福武財団と取り組む未来のプロ人材育成「アートを通じた学びのプログラムの提供」
・慶應義塾と取り組む未来の新産業創出支援「慶應版 EIR(客員起業家)モデル・世界レベルのスタートアップ企業創出」
関連記事
この記事の執筆担当者
「All Visional」Xアカウントは、こちら。